表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

自分の趣味を押し付けて来る婚約者にもう限界です。婚約破棄したいです。

作者: うずらの卵。

「エアリー、今日はプレゼントを持って来たよ」と婚約者のブルースが訪ねて来た。

「ブルース様、いつも有り難う御座います」

「君に似合いそうなブルーのドレスにブルーのネックレスだよ、今度のお茶会で着て来て欲しい」

「でも、ブルース様、私はブルーのドレスに合う靴が御座いません」

「では、今度はブルーの靴をプレゼントしよう、しかし、君はいつもピンクのドレスを着ているね、部屋の絨毯もピンクだし」

「私はピンクが好きなのです」

「しかしなぁ、私の婚約者なら私に合わせるのが当然だろう、私を見なさい、髪の毛も瞳の色も服装も靴も全部ブルーではないか、君はピンクばかり好んで着ているのはどうかと思うぞ」

「か…かしこまりました、今後は気よ付けます」

「おっと、用事が有るからこれで失礼するよ」と言いブルースは帰って行った。

エアリーは両親の部屋に駆け込んだ。

「お父様お母様、私はブルース様と結婚するのが嫌で御座います、何もかもブルーにしろと言うのです、もううんざりです」

「しかしなぁ、この婚約を破棄するのは難しいのだ」

「そんな、このままでは下着までブルーにしろと言いかねません」

「それはそれで良い趣味かと」

すると、横に座っていた母親に睨まれて父親は小さくなった。

「エアリー、私に良い考えが有ります、耳を貸しなさい………」

「お母様それは良い考えですね」

そして、エアリーは数日後ブルースを家で開催するパーティーに招待したのだ。

すると、ブルースは全身ブルーの姿で現れた。

でも、家に入るなり驚いたのだ。

エアリーもエアリーの父も母も、その他の客人や召し使いまで、全員ブルーの衣装に身を包み、壁や絨毯や食器までブルーだったのだ。

流石にブルースは頭がクラクラして来た。

「エアリー悪かった、流石にブルーばかりでは誰が誰だか解らない、私の好みに合わせようとして悪かった」と頭を下げて謝った。

そして、数日後ブルースが家に訪ねて来た。

勿論エアリーはお気に入りのピンクのドレスを着ていた。しかし、エアリーも両親も驚いた。

何とブルースが全身ピンク色のコーデだったのだ。

「モモリー、今度は君の趣味に合わせるよ」と言ったのだ。

「私はモモリーではなくてエアリーで御座います」と言うと、ブルースは「モモリーの方が君に似合っているよ、結婚式は二人とも全身ピンクのコーデで行おう」というのだ。

エアリーは逃げ出した。

「こんな人の夫になるなんて無理ですー」と叫びながら。

「モモリー待っておくれー、私の妻になっておくれー、ピンク繋がりで良いではないかー」

「絶対嫌でございまーーーす」

街中をピンクの女とピンクの男が叫びながら走り抜けて行った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ