第三回
説明回…です<(_ _)>
大阪城大会同へ行く前に中奥控えの間に信長は向かった。
その後をついて行く輝信は彼の後姿を見つめていた。
今この国は織田信長という不出世の英雄によって大きく姿を変え、長い戦国の世から抜け出していた。
蝦夷
東日流
奥六国
常総海国
関東六州
東信山郷
北国三州
畿内耶麻都
西国新都
瀬戸四国
九州連邦
以上の11の総代国に自治分割統治されている。
蝦夷、東日流、奥六国、常総海国、関東六州は東国総領事
東信山郷、北国三州は中津国総領事
中国新都、瀬戸四国、九州連邦は西国総領事
がまとめている。
畿内耶麻都は総領事を置かずに独立しているが、播但支国、近江支国、濃尾支国を擁し、耶麻都総代が領事の代わりをしていた。
大阪城本丸に立法府的な立場で政務の中心に位置するのが大参議1名、中参議5名からなる大内閣。
大阪城大会同は武家詮議院が置かれた。
各総代及び各武家老職が参議列として中央の政治に参加し合議の上国の重大案件を決していた。
また京都朝廷小御所に公卿詮議院が設置され、武家詮議院での決定事項を最終承認し、勅命として天皇から政令が発せられた。
通国法度も定められ、これはこの国共通の法度として発令されている。
そして総代国法度も別に定められているが、これは各総代国の自治権に関するものとなっていた。
大内閣
大参議 浅井長政
中参議 前田利家、里見義頼、最上義光、小早川隆景、北条氏照
東国総領事 上杉景勝
蝦夷総代 蠣崎氏
東日流総代 津軽氏
奥六国総代 伊達氏
常総海国総代 佐竹氏
関東六州総代 上杉氏、
中津国総領事 徳川家康
東信山郷総代 徳川氏
北国三州総代 畠山氏
畿内耶麻都領事総代 織田信忠
播但支国代官 羽柴秀吉
近江支国 明智光秀
濃尾支国 丹羽長秀
西国総領事 長宗我部信親
中国新都総代 毛利輝元
瀬戸四国総代 長宗我部氏
九州連邦 島津氏
(このお方はいったいどこからこんな発想をしたのか…)
輝信はそんな感慨にふけっていた。
ひとは信長を様々に言った。あるときは恐怖の対象とし、あるときは英雄として…
(人一倍好奇心が強く勤勉であり、とてつもない理解力と行動力を兼ね備えた傑出した人物)
輝信はそう思っていた。
織田信長という男は…
興味を持ったことはとことん調べる。
一度文献を読むなり教授されれば即座に理解し血肉とすることができる明晰な頭脳…
天才といって良いだろう。
(最初に出会ったのは…そうだ、まだ父上…足利14代将軍義輝公のご存命の頃だったな)
信長がまだ若き日、数名の近習とともに果敢に上洛したあのときに彼と輝信は京の都で出会った。
【続】