¿タイムトラベル≒タイムスリップ?
投稿同日に誤字脱字や抜けている文字などを修正しました。
勇気とは?
勇ましいとか、勇敢とか、勇気のある人…………つまり勇者だろうか。
あとは同級生の名前……。
これは関係ないな。
そう言えば “気” の部分ってなんだろ。
気力とか?
気迫とかかな?
どっちにしろ、この言葉には果敢なイメージが取って回るらしい。
横に寝転びながらスマホで検索すれば勇気百倍だとか勇気凛凛と出てきた。
ア◯パンマンかな。
懐かしい、数十年は見てない。
結婚して子供でもいたら一緒になって見てたかもな。
話が逸れた、でも今はそんな事どうでもいい。
英語でCourageとbraveで説明された方がシックリする。
ついさっきちょうど調べていたばかりの、そんな事を思い出して、この現状では自分には到底ムリだなと喉を鳴らす。
眼前で不敵に笑う化け物の悪魔に講釈を垂られ納得してしまった数分前の自分に後悔する。
最初は妖精だの天使だの言ってたが
そう後悔だ、全ては後悔から紐解かれる物語──人生──なのだろうと思う。
人は後悔する生き物である!
とカッコつけて言ってみても事実だろうし後悔しない人が居たら会ってみたい位だ。
まぁそれだけが真実とは言わないでも、後悔するのだから仕方がない。
然程、どうでもいいような小さい後悔から人生を左右するような大きい後悔まで、つまりは選択の有無と選ばなかった方への未練なのだろう。
長々と言い訳をしてみたが時間は流れるし戻れない。
それが普通だ。
「先程、言ったろう♡
貴様の心の声も聞こえると♡
それでだ♡
気持ちは固まったか?
まぁ~もう後戻りは不可能だけどな♡》
ハットに山羊の角、毛皮の付いた厳ついタヌキの仮面を被って黒の背広に長い爪と先端がハート型の尻尾と人間ではないのが一目瞭然な自身を悪魔と名乗る浮遊している化け物の口車に乗ってしまった結果、10年前の高校の校舎にいるのだから。
緑の廊下に吹き抜ける生温い風と学校独特の、あの臭いが鼻に通って本当に過去に居るんだと実感させられてしまう。
服装も部屋着のスウェットから学生服………って体育用のジャージ上下だけども。
髪型や背丈なんかも10代の頃に戻っているようだった。
「アキラ?
急にどうしたの?
なんか変だよ?」
キリコちゃんだ。
学校生活唯一の心のオアシスにしてアイドル、清楚の一言!
黒髪ロングのスーパー美少女キリコちゃん!!
10年ぶりの本物のキリコちゃん。
雨槢院 キリコちゃん、、さん。
あ~ダメだ、興奮して鼻血出てきそう。
卒業以来会ってもなければ話してもいない。
本物の生キリコちゃーーーーーん。
あっでも行かなかった成人式の日の夕方に声とか顔見たし見られたの思い出してきた。
恥ずかしっ!
《硝子間 アキラ♡
だからいったろう?
本当だと♡》
え?え、えっえーーー!?
なんでいるんだよ。
ってか色々、整理も把握も……え?
マジで??
《心配するな、お前意外に俺様は見えてないし聞こえてもいない♡
見えてるのはお前のアホみたいな挙動不審さ、と不自然な黙りだけだ♡
よかったな、声に出してなくて笑笑笑♡
あと面白いから落ち着け♡》
それは良かったのか…………な?
でも赤裸々に自ら暴露とかしちゃってるのを悪魔に聞かれてるの嫌なんですけど?
《いきなり失礼だな♡
だが無理だな♡
何故なら、お前の後ろにくっついて居ないといけないんだよ♡♡
諦めろ♡
だが幸先がいいじゃないか♡
飛んだ先に2人揃って居るなんて♡
怪しまれる前に切り向けろよ♡
じゃないと本来の歴史よりヒドイ事態になるぞ♡》
ムカつくけど正論なので、こっちで確認した上で従ってやろう。
別に、これが1番の正解であって他に考えられなかったとかじゃないから。
《はいはい、いいから早くしろ》
「いや懐かしいな~ハハハ
久しぶり過ぎてね、懐かし過ぎてキョドってたよ~ね~」
「えっ?毎日教室で会ってるのに。
今日なんか変だよ?」
「は、はははは、はははははははは
て言うギャグだよ……ギャグ…。」
「ふーん、そう…なん……だ。
じゃあプリント持ってくの手伝ってね」
「えっと先生に頼まれたとかだっけ?」
「ん?
日直でしょ?
ホントに今日どしたの?
でもなんか可愛いね。」
「えっ、かわいいの??
でも日直か~ド忘れしてたって年寄り臭いか~なんつって~
ハハハハハ」
ヤバイ、ボロでるわこれ。
喋んない方がいいかもしんない。
あー今も尚、顔めっちゃ伺ってくるしコレは怪しまれてるなコレ、うん。
《それだと過去に来た意味がないだろ?
寿命の無駄使いも良い所だぞ♡》
あっ!
そうだった。
寿命を対価に願い叶える契約をしたんだった。
忘れてたっ!
って忘れられるか!!!
はぁ~年甲斐もなく巫山戯てる場合じゃないや。
《青い春をやり直したいがために時間旅行して後悔していた告白がしたいんだろ?
それとも出来そうにないしな♡
いっそ殺して独占するか?》
えっそんな、それも有りかな…………?
いやいやいや、でも殺したら元の時代に戻った時、捕まってたりしない。
《どうだろうな?
バレてたら戻った瞬間、牢屋の中かもな》
なんだよ、テキトウだな。
それじゃ意味ないでしょうよ~
ってダメダメ、殺すとか選択肢に入れてくるなよ。
普通にロマンチックムードで告白だから。
だから良い感じの誘導とか雰囲気を作って失敗しないようにして!!!
《それもそうか、って注文が多いな♡》
「今度は黙っちゃって、いつもやっぱり違うよね。
緊張してる?」
「う…ん…?
何に??」
ヤバい、こっちの覚悟がバレたか!?
「分からないから聞いてるだけどな?
って職員室着いちゃったね。」
「あ、いぃ、おおん。」
「失礼します。」
「あぁっ失礼します!!」
2人で運ぶには少ない1教室分のプリントをキリコちゃんと2人で届けた後、放課後に校舎裏で会う約束をして別れた。
別れようとして同じ教室だよと笑われて頷いて後ろについて行った。
授業はハッキリ言ってサッパリだった。
ワケわからん。
懐かしいとか一切ない。
使ってない頭は使ってないだけ退化するね。
帰ったら勉強しようかな。
思い出せないクラスメイトや嫌いな奴を見てムカムカしたり悪魔が茶化してくる時間が過ぎて放課後が訪れた。
キリコちゃんに声を掛けられたけど走って校舎裏に向かって心の準備だ!
……………5分後、ダメだった。
普通に間に合わなかった。
決心ってどうやったら付くんだろ。
こんなだから二十代後半なのに独り身なのか。
後ろでケラケラしてる奴はこの際、無視だガン無視だ。
「どうしたの。
何か大事な話があるんでしょ?」
そうだ、そのためにここに来たんだろ。
未来を変えるためとか大層じゃなくてもいいから、なんなら今だけの幻でもいいから。
せめて何かの切っ掛けになれば。
戻った時の勇気に、そうだ!
勇気だ、勇気の前借りをしよう。
ん?この場合は今は過去にいるんだから後借り?
あれあれでも未来から来てるし…………ダメだ。
こんがらがってきた。
「見詰め合っちゃって何か恋人みたいだね?
なんて!」
こ、恋、恋人??
恋人か!
そうだ告白に成功すれば晴れてキリコちゃんとラブラブスウィートな関係に!!!???
そのために過去に立ってるんだろ、今こそ勇気を振り絞れ!
ありったけの元気を出せーーーー!!
言うんだアキラ!!!
「ん?
なぁ~にぃ?」
「あの、その、おっえっと始めて見た時から好きでした付き合ってくでてい!!」
やっちまった、噛んでしまった。
ココ1番の大事な所でミスってしまった!!
「アキラ!?
そうなんだ。
嬉しい、私もアキラの。
ううん、アキちゃんの事、入学式で始めて見た時から可愛いって思ってたから。
仲良くなれた時はホントに嬉しかった。
でも。」
「‥‥‥でも?」
「女の子同士で変じゃない…かな?」
「そんな、そんな事、問題ないよ!!」
「そうなのかな?」
あれ?
これデジャブっぽいぞ?
何処かで見覚えが、でもコレ…………逆……?
「そう。
逆だよね。
………これはお前、硝子間 亜希良が学生の時、雨槢院 霧月に放った言葉だ♡
好きだった、好き同士だったにも関わらず世間や周りの目を気にして素直に慣れず拒絶し疎遠になって後悔しているアホなお前の再現だよ♡》
言われて泣いていた事実に気付いて前を見ると霧月が真剣な顔からニヤリと笑い、不気味に口角を薄い三日月のようにして妖しく微笑むと抱きついてくる。
不審を覚えていると至近距離で目線の合っていた霧月の顔が悪魔のソレに変わる。
鳥肌なのか分からない別の何がが肌を伝っていると校舎裏から見える道行く人の顔が全員、悪魔になり此方を見て、グラウンドに居た部活中の生徒の顔も悪魔になっていて、やっぱり此方を見て不気味に笑っていて、怖くなって震えが止まらなくなってしまって座り込んでしまう。
《フフン、言ったろ?
魔界は退屈なんだ♡
こんな事でもしてないとヒマで仕方ないんだ。
あれ言って無かったかもな♡
まぁ今回のは飛びっきりの退屈凌ぎで楽しかったよ♡》
「ふざけんな!!
なら、お前の言う後悔もワタシの勇気もニセモノだ!!!
心のない空っぽの嘘の言葉で嘲笑うための見世物にしてッ」
《ごちゃごちゃと喚いて悲劇のヒロイン気取りか?
雨槢院の気持ちを考えた事はあるのか?
彼女もさぞ、悲しかったろうな?》
「……分かってるよ。
だから、お前にオモチャのネタにされるのが許せない。
あの時の自分が、、ワタシが許せない!!
堪らなく許せない」
《ほう。
どっちが許せないんだ?》
「どっちもだ!!
だからワタシの覚悟を勇気を見せてやるよ!
何時までもウダウダして下向いてるだけの奴と思うなよ。
希望を口にして、妬むだけ、理想だけを見るのはヤメだ!
舐めんなよ、陰キャは陰キャなりの勇気とか意地があるんだよ。
御見舞いしてやるーーーーーーー!!!!」
そう叫ぶと手元にナイフが握りしめられていた。
それを躊躇せず密着している悪魔に思いっ切り刺して数歩離れる。
霧月のセーラー服に滲む血と自分の手の平に垂れる赤い液体に眩みそうになる。
踞って呻き天に向かって笑い泣きしている霧月の体に悪魔の顔の悪魔に心の中で色んな感情が交差している心情を投げる。
口を開いて喋れば泣きそうでワタシが壊れて立ち上がれなくなりそうだったからだ。
お前の言う後悔から選択した行動も勇気で勇者なのか?
勇気ある行動とは言い難いし自分の附けを自分で後始末してる気もしないでもないけど寧ろ心は此処に来るよりも晴れやかだぞ!
後悔なんてクソ食らえだ!
その所は有り難うとは言わないでも無いけど、悪さってか周りくどくてやり方が汚いし腹立つしムカつくからやっぱ0点をくれてやるぅぅぅう!!!
なんか居たたまれなくなって立ち去ろうと振り返ると、そこには、とびきりの笑顔を向ける。
霧月が、もう1人の霧月が居た。
その満面の笑みは狂喜の殺意なのか。
抱き付いてきて咄嗟に目を閉じて覚悟を決めていたワタシの頬に唇の感触がして瞼を開けると顔を離した霧月は照れ臭いのとは違う切なそうな表情をしていた。
その顔に声を発しようとして、何を言えば考えて無かったと躊躇ってしまった、その瞬間、足場が波みたいになって揺れるとブラックアウトして落下して穴に落ちて全身真っ黒の空間に浮いていた。
服装も元のスウェットに戻っていて泳ぐように身動きを取っても一向に進めないでいると向こうから光が見えたと思ったら悪魔が大笑いしながら現れる。
《あれで抗ったつもりか?
だがまぁ良かったぞ♡
お前の覚悟、後悔、勇気、十分に見せて貰ったよ♡
随分と楽しませて貰ったよ♡
楽しませて貰った、お礼にアフターサービスの時間だ♡
とっぷりと付けてやるぞ♡
そうだな、またお前は同じ感情に押し潰されて繰り返しそうだからな。
また会えるように………………勉強机…そのモノが無かったので押し入れと俺様との繋げておいてやったぞ!
これで何時でも話せるな♡♡♡》
さっきからやたら眠くなってきて動けない。
何を訳の分からん事をほざいているんだ。このアホの変態悪魔は。
微睡みの底で、そんな話を聞きながら、ふざけるなと心底に思った。
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生物の後悔なんかの悩む感情と魂が食糧の生態の悪魔は今や数が少ないようで多いが協力等はせず個々で行動していてターゲットも人間に絞っている。
理由は現代では太古のように野生の動物相手より効率の良い人類の方が御し安いらしいから。
生命は同種の殺しや他種を殺して生きている。
しかし自殺だけは許容されていない。
何故なら野生の頃は生きるために喰らい縄張りのために同族を殺しても自ら望んで餓死を選ぶ、そもそもそんな思考すら思い浮かばないからだ。
結果、基本的に人間だけが自殺の罪と罰の烙印で死後の魂は悪魔に変化する。
神なんて無く、死神に似て非なる姿に永遠に縛られ続ける。
そして私は曾て親友だった亜希良が目の前で死んでしまった誘因に悔やみ悩み後悔して自殺した。
深淵に沈殿して溺れもせず静かに又、眠りに就こうとしている亜希良目掛けて潜り手を伸ばして起こす。
《ほら、起きろ。
寝るな!
起きろーーーーー!!!」
「ほふぇ?
‥‥‥霧月‥‥ちゃん?」
抱き寄せて暗闇の中で、ふっつく。
「まだ寝惚けてるのか?」
「えっ?
えーーー??
悪魔の顔が霧月に?
めっちゃセクシーじゃん!?
ぐふ、ぶはぁ鼻血でそう。」
「出てんじゃんか。
はぁ、相変わらずだな亜希良は!
ホント、私の葛藤を返せよな。」
「あれ、なんで?
おれれ?
どゆこと?」
「はぁ、まったく。
悪魔になった私と契約したんだよ。」
「マジで?
まじで!?
でも何で霧月は悪魔に成ってんの?」
「そうね~♡
亜希良の時からもっと未来の10後くらいにね、私たち再開するんだよ
でも道端で口論になっちゃってケンカ別れした直後に亜希良が…………。
死んじゃって。
それが凄く嫌で、泣いて泣いても私のせいだって。
私達が十代の頃は女子、女性同士の恋なんて周りには言えないし友達も、それこそ担任や親にさえ言える訳ないし、共学ってのも災いしたかな?
言い訳して疎遠になってさ」
私に亜希良の背を預けて肩に頭乗せている髪を撫でる。
「知らない情報が多すぎて混乱してる。
そんな処理できない情報量を一気に詰め込まれてても!?
えっ私、死ぬの?
霧月は自殺するの?
えっ待って。
情報過多で死にそう。
でも、そっか。
確かに‥‥‥そうだな。
女の子同士は変に見られるかもって自分の気持ちに嘘付いて傷つけた事。
ゴメン霧月!」
「‥‥‥‥‥。
もう少し早く会って、打ち解けてたら。
そしたらその言葉、聞けてたかな。
言えてたかな。
どんなに経っても、変わってたとしても。
大っ好きだって!!!」
「友情だと思ってた物が。
恋愛の感情だって気づいて、気付かされて。
困惑とは違う、わぁーーーってなって逃げて、でも戻れるなら。
ワタシ、ハイってイエスってヨロシクお願いしますって好きだって答えるよ。」
「えー?
ホント?
さっきは勇気出して抱き締めたのに刺されたしな~
ヒドイよな|亜希良は~!!」
「えっ?
なんでしってんの??」
「まだ分かってないの?
仕方ないな。
アレは私と亜希良の記憶で再現した夢みたな物なのよ。
はぁ~あ、だから久しぶりに当時の自分で話して疲れたんだから。
二人だけにしか分からない合図出したりワード言ったんだけどな~」
「えっ?
分かんなかった。
ごめんね、霧月。」
「いいよ、許す。
愛してる♡》
魂だけの私達だけの空間でキスをしていた。
上から1番星がキラッと煌めくと一段と強くなり全てを包むように光って眩しくて欠伸がしたくなって、ふとカパッと目の前の視界が開けて光が射し込み天井が見えていた。
Thanks20thの企画を見て最初のインスピレーションで書き始めたのでネタ在庫から取り出していないため短編と言う形になりました。
また、そのため投稿の際に作品情報の枠で必須ワードにガールズラブ(やボーイズラブ)が無かったりするのはネタバレと今後のお話とは関係無かったり、その一言で表すのはニュアンスが違うかなと思ったため必須ワード内の言葉は控えさせて頂きました。
ファンタジー設定は悪魔の正体は未来のキリコ。
キリコ悪魔の能力はタイムスリップ(トラベル)?
アキラは高校時代から10年後の現代の………………?
次のお話はガラッと内容が変わりますが投稿した際は御読み下さると嬉しいです。
かなり遅くなりそうなので気長にお待ち下さると有り難たいです。
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