もし手元に怪しいノートがあったら迷わず燃やすべきだ①
今俺は露雨の家のリビングで3人、机を囲んでいる。
「どうしたんだ?、わざわざこんなところに来て」
露雨は何も知らないから俺に純粋に疑問を持っている目で俺を見る
「まぁ、簡単にいうとちょっとこれから会えなくなってくから大事なことだけ報告してこうと思ってな」
自分の身が長くないことは10数年前から分かっていたがこう近くなると、露雨に悟られないか心配なるぐらい内心心配で恐怖に自分の身が震える。
「そうか、なら少し長くなるんだな?今コーヒーぐらいなら出すぞ」
「お言葉に甘えさせてもらおう」
『ゴホッゴホッ』
露雨が後ろを向き動いて僅かに物音がするのと合わせて咳をする。
手には血が少しついている。
文字上のみで分かっているような感じだったが、これ含め色々な症状が体が着実にそして確実に死に歩みよっていることを知らせている。
『ゴリゴリゴリ』
露雨が手動のコーヒー豆を砕く道具を回している。
それと同時に慌しく、だが所々に出る不器用を出しながら湯を沸かす。
「さっき咳してたけど大丈夫か?」
「ある程度はな•••まぁ、2年前ぐらいからこんな感じだから心配すんな」
俺がある程度はって言った瞬間に空気が重くなった。
「まぁ、ゆっくり飲めよ」
露雨が机の上にコーヒーの入ったカップを1人ずつ置いていく。
露雨は椅子に座るなりすぐコーヒーに手をつける。
それを見て俺もコーヒーに手をつける。
「で、話ってなんなんだ?」
「まぁ、ある人に聞いたんだ。凪ちゃんの話を•••」
「何が言いたい?」
明らかに空気感が変わり、少し威圧混じりの言い方に背筋が凍りそうになる。
これでこそ露雨と話している感じがする。
「悪いことは言わない。お前の子を孕んだこの女のことを気にかけるのは構わないが、なるべく凪ちゃんのもとに行ってやってくれないか?」
「何故だ?、何故そんなに強くいくことを促すんだ?」
「ゴホッゴホッ、まぁ、分かるまでは足を運んで、ゴホッゴホッ、ほしい。頼む、俺の最後かもしれない願いだ。」
「おい、それはどうい••」
「すまん、時間だ。」
症状がひどくなり俺はここに長く入れないと思い、嘘をついてせっかく入れてもらったコーヒーを半分残して少し乱れていたスーツを直す。
露雨が俺の方を心配と疑問の目で見ている。
だが、ここで過度な心配をかけてしまうのはまずいためその目を無視するように俺は席を立ち、玄関で靴に履き替える。今、家の前に黒部が迎えに来ているはずだ。
『ガラガラガラ』
「"じゃあな"露雨」
「おい!、待てよ!、もっと話を聞かせてくれ!、お前の話を!」
静かに扉を閉め家を出る。
スーツの胸ポケットに破って折ってある俺のページの先をライターで燃やす。
これからの道標であったものを燃やす。
俺にはその紙に何が書いているかは分からないし、何がこの先に起こるかもしれないかも予測できないが、俺は信じている。
露雨はこんなものがなくても幸せになれると。




