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もし、俺の目から見ているものが全て物語だとしたら(NARROW CAGED CROWN)  作者: 朔良坂のさくらざか
誰かの幸せを信じて(回想)
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Drive by

「おい、今すぐ全ての窓を閉めろ!、その上で今から一度も信号で止まるな、そしてもし急激に距離を詰めた車があるなら一気に速度を上げろ」

今の真人会の雰囲気はまるで、何か大きな存在に睨まれているような重圧を感じる。

あと、さっきから右と左に追ってくる車がいることも。

「とりあえず閉めますけど、どうしてですか?」

「"Drive by"だ。アメリカでよくあるやり方で窓を開けた上で呑気に信号待ちなんかしてたらこの領域でさっさと殺されてまうぞ」

この話を聞くなり、運転手はビクビク怯えながら、震えた腕で頼りなさそうな運転を始める。

Drive byとは簡単にいうと信号で止まった車に向かって、窓を開けたと同時に外に銃を出し相手の車の中にいる連中を撃ち殺すというやり方だ。

このやり方はとても効果的で、かつ誰がやったかが隠しやすい方法だ。そのため、とにかく頻繁に行われて色々な奴らが殺される。無慈悲に。

「バンッバンッ」

また外で新たに命がひとつ消えたのだろう。


車をかなりの速度で走らせて、急ぎ足のまま鞍馬の本拠地に向かう。

車を家から出て4時間ほど走らせた頃、鞍馬会の本部に近くなり鞍馬がなぜ来なかったのかは、明確にわかった。

戦争が始まっていたのだ。

明らかに鞍馬の会に大規模な襲撃があって、俺の目からは鞍馬の会が少し不利に見える。

『バンッバンッ』

「ヒィッ」

「今すぐ、引き返せ!」

車のドアに数発弾が当たっているのに気が付く。

「もうここは安全な地帯では無い。今すぐ、引き返せ!」

部下は車のハンドルを握って来た道を折り返す。

『プルルルルルル』

「おい、出ろ!、出てくれ!」

俺は今の現状を橘に連絡しようとするのだが出ない。外では、少し済ましているような態度をとっているが、内心ビクビクだ。

「クソっ!」

部下は運転と自分の身の安全の心配で俺の事など眼中に無いほど気が詰まっている。

『ブルーーーーーー』

後ろから2台の車が猛スピードで迫ってきている。

「おい!、スピード上げろ!」

「はい。」

『バンッ、パンッ』

「会長、これ以上、スピードが出ません!」

「クソっ!、どうしてだ!、どうしてこうなった。」

後ろの2台が俺の車の両脇を並走している。

『ウィーン』

両脇の車の運転席と後部座席の窓が開き、中から銃を持った手が出てくる。

『バンッ、バンッ、バンッ、バンッ・・・』

わずか数秒の出来事だった。俺の車は止まり、俺の意識は明らかに遠のいていく。

目を開こうにも俺の視界はもう真っ赤に染っている。

これで終わりか。

俺は自らの命の終わりを身で感じていた。



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