形成の始まりと終わりの始まり
ん?、俺も見てるよ。
西暦XXXX年。日本は苦境に立たされていた。ということになっている。
それは、魔の子孫達(ここでは、異形)の存在である。それによって、数多の命を奪われ、外国との連絡も絶たれている。ということになっている。
その原因は今から200年前に起きた魔人襲来時に女性を魔人が世界中から誘拐、強制的に自分たちの子供を産ませたと言うものがある。(男は惨殺)ということになっている。
その報復として人間は異形の一掃を計画し、それを実行に移し、異形達は組織をくみ、戦争を起こし自分自身を守ってきた。
日本では、本来であれば圧勝するはずである人間と緊張状態が続いていられるのには理由がある。
魔人襲来時に、その強さから人間が手出しをせず、(ということになっている)戦線を敷き進行を止めていたのだ。だが、それもむなしく、中国までで止めるはずだった進行はやがて中部までに達して行った。魔の脅威に領土を侵され(ということになっている)、今では、日本における人間の生存圏は、北海道•東北•関東•山梨•長野•静岡にしぼられていた。まぁ、要するに、今まで武具を製造していた大半の地域を失い、武具が不足しているのだ。ということになっている。ということだろう。
•京都。異形露雨会本部にて
「お呼びですか会長?」
「わざわざ、東海からすまんな。なぁ、橘。俺、人間に先の戦争の和平を交渉しに行こうと思ってるんだ。お前は、どう思う?」
俺は、花崎露雨。異形露雨会の初代会長で、今俺が話しかけているのが、この組織でNo.2であり、この組織の共同創設者の橘魁である。
「いえいえ、大丈夫ですよ。その件に関しては貴方が良いと思うなら、良いんじゃないですか?」
「よし、明日人間域に行って来る。あと、白濱や海極にも知らせといてくれ」
「承知いたしました。」
俺が目指しているのは人間と異形が手を取り合える世である。それを作りたいから、ここまで危険を冒してまで自分から出向くのだ。
あとちなみに、白濱や海極は誰と言う話だが、この露雨会を支える直系組織の組織長だ。そして、橘もその1人で、のべ、4人しかいない。
「仲間は連れて行くのか?」
橘にとわれる。急にタメ口で。確かに単身で行って何かあったらどうするのかと言う話だ。
「ああ、数人は。」
「気を付けて行って来い。か・い・ちょ・う」
なんか、変な言い方で言われたが、俺は組織本部の地下にある、武庫に向かう。
「お兄〜ちゃん。どうしたの?」
そう言って、僕に話しかけて来る、迷惑で、迷惑で、迷惑な女は、俺の妹である、花崎涼葉である。
「ああ、その事なんだが、明日から俺、人間域に行って来るから橘と一緒に組織をまわしてくれないか?出来るよな?大丈夫だよな?」
両肩に手をかけ、幼児に確認するかの様に何度も確認する。ちなみに、涼葉は23歳の立派な大人だ。ちなみに俺は28だ。俺たちの親は誰だか分からないが産まれたときには、橘の親の腕に抱かれていたそうだ。
「例の和平の話ね、分かった。お兄ちゃんも生きて帰ってきてね」
ちなみに何の和平かというと、先の人間との戦争の和平だ。あれ、さっき言った気が・・・といえど、敵地に自ら足を運ぶと言うのは、命の保証はない。だが、俺は異形の皆のためなら、という覚悟を固めているから出来てる。といえど、戦争だけ利害の一致でともにした、人間の上に立ちたい真人間会の反発も予想できるが、それは振り切って行こうと思っている。
「涼葉、もし真人間会の使者が来た場合は不在と言い続けてくれ、もしバレた場合は、橘と一緒にそいつを消すんだ。」
「そんな事できないよ。」
「お前の考えも分からなくはないが、それで真人間会との戦争が起きた場合、数多の命がお前の判断で失われる事も頭に入れとく様に」
そう言うと、涼葉は橘のもとに向かって行った。ちなみに、涼葉も直系組織の組織長なのにこんなので大丈夫なのかな〜?
身なりを整え色々な準備をする。
どちらかというと、当たり前だが武器の準備である。玉の補充や刀の手入れだ。刀と言えど、大きすぎて困ってしまうくらい大きい刀で手入れが大変だ。
連れて行く部下を呼び、準備もさせた。これで準備万端だ。
だが、気が変わり、やっぱり早く行く事にした。
「皆、やっぱ今日行きたいから、準備早くできる?」
「無理で〜す。会長。」
連れて行く部下4人同時に、言われてしまった。
「分かった。じゃあ、今日はここで解散。明日、京都駅に集合。」
「了解しました。」
解散して明日は早いため地下の睡眠室で、眠りにつく。
日が昇る。
・・・「朝か。起きるしかないな。どれどれ・・・・まずいな。」
集合時間が、朝の8時半なのに、今、8時15分。
「遅刻するな〜・・・ヤベッ」
慌てて布団から飛び出し、着替えて、京都駅に向かう。
「マズい」
本部から出たは良いものの、武器を持つのを忘れた。また戻り、慌てて懐に銃を仕込み、刀も背負う。そして、間に合わなそうながらも、走って行く。
「ちこく、ちこく。」と言いながら、走る。
その後間に合ったには、間に合ったが、部下の風当たりが冷たかった。
「会長、失礼だと思うのですが、お寝坊さんなんですね。」
「おいお前、俺を子供扱いするな。」
ちょっと、むかっとしながら電車に乗り込み、人間域に向かう。
ここから人間域までは、ざっと4時間かかる。戦線を超えるために、人間域に潜り込ませておいた部下に、頼んでいる。
そのあとも、他愛もない会話もしていたが、恒例の一度話が切れてしまって、気まずくなり、話せなくなるが発生してしまった。
朝から疲れていたのか、電車の揺れに釣られ寝てしまったようだ。
「会長、会長、会長。」
「何だ。起こすなよ。」
「着きましたよ。
ん・・・・そんなに寝ていたのか。その間、部下に寝顔を晒していたのか。・・・恥ずかしい。
「すまん、降りるぞ。」
着いたのは、富山駅。ここからは、徒歩での移動になる。
「お前ら、これからは徒歩での移動になる。戦線の近くだからくれぐれも周りを注意する様に。」
「会長、歩きたくないです〜」
「お前ら、皆揃ってなんだ?、俺に逆らうのか?」
「いや、そんなつもりはありません。」
「分かってるな?」
ホントに、この世代は楽ばっかしやがって。
「俺たちは、長野より人間域に潜入することにしている」
「会長、何故長野なんですか?」
独り言を漏らしただけなんだけどな。
「お前、そんな事も知らないのか?。今も昔も、人間の首都は東京だが、軍部本部は長野にあるからだ。」
「そうなんですか?、あとパワハラで、訴えますよ。」
「大丈夫だ。訴えられる前に前線に送ってやるから。あと、お前だけしゃべり過ぎじゃね?ほかの奴らは?って思っちゃうよ。」
「そうですかね?。あと、それだけは勘弁して下さい。妻子がいるんです。」
「お前いないだろ。あと、そんな典型的な回答するなよ。」
数時間歩いた頃、境界線も目前の所までたどり着いた。
「ここからは注意して、行く様に。」
境界線と言っても、数キロに一個、検問所があるくらいしか注意されてない。
そして、俺と部下たちがいるのは、白馬岳の麓付近の検問所だ。
数回、扉をノックする。
「あけろ。」
ガチャッと扉が開き、内通者が待っていた。
「橘会長から話は、聞いております。人間域に行かれるんですよね。なら、ここにその刀は置けと伝言を預かっています。こんな大剣を持って行かれると人間域で逮捕されてしまいます。」
そうだよ、こんな大きい刀、バレて逮捕されちゃうよ〜。頭使えば分かるじゃん。せっかく来たのに逮捕・・・まずいな。
「分かった」
刀を置き、検問所を去る。
「俺の手入れの時間を返してくれよ〜」
「うるさいですよ会長。」
「ごめん」
この先、俺が様々な思想や大人の事情に揉まれ、様々な命が散って行く事をまだ知らなかった。