クソ暑かったので太陽に背を向けたんです。
それは、蝉を尻目に粘る夏の出来事――。
夕焼けと言えば、オレンジ色を思い描く。
でも、最近は自己主張の激しい太陽から目を背け、そんな太陽が連れていく空の反対側……夜になり始めた空を見ることが多くなった。
――空の色は、紫色。
入道雲にはまだ夕焼けの名残があって、深い青の夜空に紅色の夕焼けの光が差し込んでいるのだ。
雲の形に沿うように紅く彩られ、くっきりとした丸みのある雲と、うっすら顔をのぞかせてやって来る一番星は、
「背を向けたっていい」
「逃げても僕らがついているよ」
そう語りかけ、私を励ましてくれている気がした。
……それはそれとして、自己主張の激しい太陽が隠れたところで、彼が残した熱はまだ、夜の空気を淀ませている。
あの優しげな星の声は、きっと、どうしようもない暑さで頭がどうかしてしまったのだろう。
――――暑い。
暑いですね。
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私は夏に食べるなら「爽」一択だったりします。