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アニマル詩集・アニマル作品シリーズ

長くなり続けるキリンの首

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、キリンがいた。


 そのキリンの首は、ずっと長くなり続けていた。


 キリンの首は普通長い。


 けれども、そのキリンの首は他の普通のキリンよりもずっと長くておかしかった。


 しかも、まだまだのびる。


 どんどんのびる。


 普通のキリンの首の三倍くらいになってしまっている。


 キリンの首が伸び続けるなんて、誰も聞いた事がなかった。


 だから、何かの病気ではないか、と他のキリン達は思っていた。


 そのため、お医者さんに診てもらう事をすすめていた。


 首が長くなり続けるキリンは、「そうだね、病気だったら怖いし」といってお医者さんの元へ。


 しかしお医者さんは「何の病気でもありませんよ」と言った。


 キリンは納得できなかった。


 とても困っているのに。と。


 首が長くなりすぎて、皆の顔がよく見えないし、食べ物も食べられない。


 これでは普通に生活ができない。


 お医者さんは、「たまたま首が長くなり続けるキリンにうまれただけです。どこもおかしくはありません」と言うけれど。


 おかしくないからといって、納得はできない。


 だから、キリンは自分の体を変えてもらおうと思った。


 魔法使いの元を訪ねて、この首を短くしてください、と頼む事にした。


 訪ねた魔法使いの老婆は、事情を聴いて快く承諾。


 キリンの首を短くする魔法をかけてくれた。


「みじかくなーる。みじかくなーる。みじかくなーる」


 普通ではない首は手ごわかった。


 しかし呪文を百回くらいかけた後、そのキリンの首はようやく他のキリンと同じくらいの長さになった。


 きりんは、魔法使いに何度もお礼を言った。


 おかしくもない体をいじるなんて、とんでもない事だ、と他のキリンに言われた事があったけれども。


 キリンは低くなった自分の視線を確かめて、こうしてよかったなと思った。



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