もうすぐ嵐の〇〇学習です?
それにしても紗弥加が俺に渡してきたこの原稿.......。
真剣に嘘だろ?
これ、何度見返してもほとんど藤堂と俺の様なキャラクターが......
い、入れ替わって......
も、もしかして紗弥加は
華怜以上に俺とあいつの間で起っていたことを.......。
ほ、本当に嘘だろ? 嘘だよな?
でも、本当に彼女達はバカでもおかしな女性でもない。むしろ......
なのに、なのに何でこんなありえない出来事を肯定する様な.......
というか、何で彼女がここまで......
「ん? 何をこそこそと机の下で見てんだよ。颯太」
「え? って、う、うおお! な、なんだよ。って、翔輝愛かよ」
こ、こいつは本当にいつも急に、急に現れてびっくりさせやがって。
マジで隠密かよ......。
「何だよ、そのリアクション。何か怪しいな.....。ちょっとそれ見せろ」
「は、はぁ? 無理。無理だから。プライバシー的なアレだから!」
マジで何だこいつ。ちょっ絶対に無理。
「もしかしてその、あっち系のアレか?」
「あ、あっち系? あ、そ、そうかも。ってか、そう。だから無理」
「まぁ、そういうことなら許してやるか。なぁレム」
よ、良かった。引いてくれたかって、細野まで。
そうか今日は来る日か。
「おい颯太。何系だ? うへ.....もしかして」
「い、いやまぁ、そこは聞くな。聞いてはいけない領域だ」
「くっ......このド淫乱純情ボーイが」
こ、このヒョロガリ学校サボり魔こと細野......。
まぁ、こいつも悪い奴ではないがちょっと癖が.....。
いわゆる『癖が強いっ』って奴か。
結構発言にひやっとさせられることが多い。
「黙れレム」
「黙らねーよーん」
某有名漫画であるデ〇ノートの死神レムに似ているからレム。
よくわからないが何故か本人はこのあだ名を気に入っているらしい。
やっぱり癖が強い.......。
というか、いつもこいつ等二人と一緒にいる俺って周りからどう見えているんだ.......。
ま、まぁ別に悪い奴等じゃないしどうでもいいけど。
そもそも誰も俺らに興味ないか。
うん。ないな。
「おい、颯太とレム」
「ん? 何だ。翔輝愛」
また指をポキポキと.......。
「もうちょっとで遠足だな......」
あ、そうだ。秋の校外学習。
「男は俺達3人で決定として女子の方はどうなるんだろうな.....」
「げっ、確か男3人、女3人の計6人で1グループだったか。やばいなこれ。しかもロングホームルーム今日じゃん。先公の野郎、組み合わせは自由とかほざいてやったし。残酷な未来しか見えねぇ.......」
って、ど、どうした。
翔輝愛も細野も急に暗い顔でブツブツと......。
「たらい回し.......」
「人権侵害.......」
ま、まじでどうした。
何だよ。何があった。おい。
さっきまでの威勢はどうした。
ふ、二人とも誇張抜きで、砂になって風と共に飛んでいきそうなぐらいに覇気がない。
「ちょ、 翔輝愛!? レム!? 大丈夫か」
あ、あれ? 本物の死神?
「むしろ何でお前は大丈夫なんだ颯太......」
「そうだよ。お前も普通にこっち側だろうが.......」
こっち側......?
って、あ、そうか。そういうことか......。
ようやくわかった。
わかったけどあれ? おかしいな。
確かに今までの俺ならこいつ等と同じ感じになってたか。
うん。なってたな.....。
でも何でだろ。今は別にたらい回しされるなら別にそれはそれで良いし、例え何か言われたとしても何も思わない気がする。
あれ?
ま、まぁ何でもいいか。
所詮、そんなことはどうなったとしてもどうにでもなる。
でも校外学習?
一体どこに行くんだったっけ?
ん!? あれ、でも男女一緒の班ってことは.......




