今日も天気がとても良い朝で......す?
「えー! 颯ちゃん、ファミレスでバイト始めたの!?」
「あぁ、駅前のところでな」
「え? ちょっと意外。なんでファミレス?」
「まぁ、ちょっとやってみたかったってのと時給がかなり良い」
相変わらず朝だと言うのにいつも通り騒がしいな。環奈は.......
まぁ、別にこの感じは嫌いじゃないけどな
でも、毎朝思うけど。何でそんなに楽しそうなんだ?
今から修学旅行に行くと言われても違和感のない様なテンション.......
ものすごくニコニコとしている。
とりあえず俺は今、いつも通りに迎えに来てくれた環奈と共に学校へ向かって登校中
それにしても、天気が良い。
さっき見た朝の天気予報では夕方から雨とか言っていたけど本当か?
まぁ結構アテにならないからな。あれは。
「うん。すごく良いと思う! 最近の颯ちゃん良い意味で攻め攻めだよ!」
「せ、攻め攻め?」
「うん!絶対に行くね。ふふふ、颯ちゃんがシフト入っている時は毎日でも通っちゃおっかな。売り上げに貢献してあげなくっちゃ!」
「いや、別に環奈がいくら来てくれたところで俺の時給は変わらないから......」
それに環奈には空手があるだろ.....。空手が。
「あ、そういえばあそこなら確か、私の友達のみぃちゃんがいるはずだよ! 颯ちゃんも知っているでしょ? 中学が同じだったよね。みぃちゃん」
「あぁ......あの中学の時に環奈と仲が良かった子か。いや、いなかったはずだぞ」
昨日一応、他の人の名前がいっぱい入ったシフト表も見てきたけど。
確か、あの子の苗字はなかった気が........
「もしかして違う支店じゃないのか? あの近くに確かもう一つぐらいあったはずだぞ。系列店」
「あー、そっちかも。残念だー。せっかく颯ちゃんのこと宜しく頼んであげようと思ってたのにー」
「いや、お前は俺の何だよ.......」
「むぅ......。私も空手さえなければ颯ちゃんのことお世話してあげられたのに」
いや、だからお前は本当に俺の何だよ......
でも、確かあの娘はいたっけ。
「でも、あの娘はいたぞ。確か違うクラスの広瀬 恵梨香さんだっけ? 何か俺の教育係してくれることになったんだけど。環奈知ってる?」
人気がある娘だって言うのは何となく知っているけど。
意外にも入れ替わっている時に絡んだ記憶もないし......。
あんまり情報がないんだよな。
「颯ちゃん.......。ごめん。もう一回言ってくれる?」
は?
え、ちょ......。き、急に何だ。
どうした環奈.......
な、なんでそんな、え、殺気........!?
「い、いやだから、あの広瀬って子が俺の......」
「俺の?」
い、いや怖いって。な、何だよその構え。おい。は?
「き、教育係に......」
さっきまで、さっきまであんなに楽しそうにへらへらとした笑顔だっただろ......
何で本当に急にそんな.......
って、
「ヒッ.....」
き、気が付けば俺の顔面の数センチ左に環奈の、あ、足......?
ま、まるで見えなかった......ぞ
「へぇー、あの男たらしさんが颯ちゃんの教育係なんだ......」
え? か、環奈......さん?
ちょっと、ちょっと待って何だ。何だよ。またその構え。
「颯ちゃん? 次のシフトが入っている日。教えてくれるよね? ふふ」
いや、ふふっ.....じゃないよ。
何だ。その目の奥が笑っていない笑顔は......。
かん、環奈さん?
「ん? 颯ちゃん?」
こ、こんなのもう選択肢は一つしかないだろ......
「も、もちろんです」
い、一体なんだ。何だよこれ。
身体の震えがもう......
え? お、俺なんか変なこと言った.......?
いや、言ってないよ......な
ど、どうして突然こんな.....
あ、駄目だ....。
顎が震えてうまく歯が.......