プロローグ
この世界には100年に一度暗黒界から【死神】が侵攻してくる。その目的はこの国の国王を殺し、この世界を征服するそうだ。
そのためにこのヤクトゥナルス王国では死神に対抗すべく【聖騎士】がいる。
5歳のリヒトは聖騎士に憧れを持ち、聖騎士になりたいとも思っていた。
そして今日、100年の時を経て死神が侵攻してくる。死神が来るであろう一月前には空模様が暗くなり、カラスが飛び回るとのことである。
5歳のリヒトは死神が来ても聖騎士が軽々と倒してくれるだろうとそんなに重く考えずにいた。
一般の住民は家内にいれば聖騎士が守ってくれるとのことであり、大人しくリヒトとリヒトの父親は家で待機していた。
それなのに…
「リヒトだけでも…逃げて…くれ」
死神はリヒトたちの家を半壊させていた。
父親が必死にリヒトを守ろうとするが死神は無慈悲にもリヒトの父親を殺そうとしている。死神の長い鎌が父親の右腕を切り落とした。
「ウワァァァァッ!」
「お父さん!」
聖騎士は騒ぎを聞き付け、やってきた。だがその聖騎士は心が弱いらしく死神の鋭い鎌と肉体を見たら助けるどころか聖騎士が逃げてしまった。
「なん…で…」
死神は父親を殺し、リヒトの方を見ている。
リヒトは父親を助けてくれなかった疑問と聖騎士と死神に対する怒りでわけもわからず立ち尽くしていた。
死神がリヒトの方に向けて鎌を振りかざしている。
そこに
「イヤァァァァッ!」
別の聖騎士がやってきて死神の首を切り落としていた。
「こっちへ!」
女性の聖騎士はリヒトを素早く飛竜に乗せてその場から逃げた
5歳のリヒトには目の前で父親が殺されている現実を受け止めきれずこの戦争が終わるまで気絶してしまっていた。
そして目が覚めるとスタイルのいい腰に剣をしまっている女性が立っていた。
「大丈夫?怪我はない?」
リヒトは昨晩のことを思い出した。
「あぁぁぁ…お父さん……お父さん……」
するとその女性はそっと僕を抱きしめて包み込んでくれた。
僕はその温もりに耐えきれず大量の涙を流してしまった。
落ち着いた頃に全てを話した。家を死神が半壊させたこと。聖騎士が逃げてしまったことなども全て。
「その聖騎士の顔は覚えてる?」
「ごめんなさい…その時はパニック状態になっていて顔までは覚えていません…しかし乗っていた飛竜の色なら分かります。」
「その龍はどんな色だった?」
「確か濃い青というか紺色に近い飛竜でした」
すると女性は少し考えた後に
「分かった。ありがとね僕。」
女性は少し笑顔を見せた後に近所のおばあさんとおじいさんが僕を引き取ってくれるとのことでそこの家まで送ってくれた。
おじいさんとおばあさんはそれから8年間僕を家族のように育ててくれて亡くなってしまった。
リヒトは13歳になり8年前のあの悲劇を繰り返さないためにも聖騎士になるために騎士を育成している学院に入ることになった。
リヒトはそこで剣を学んで強くなり、暗黒界を滅ぼすことを決意したのであった。
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