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運命の出会い
時間がないので、短くなっちゃいました…。
…完敗だ。
まさに神業。そして、一瞬垣間見た神々しいまでのその神気はまさしく神の貫禄だろう。
「さすが元世界最強の剣士ですね。肉眼で見えるぎりぎりの速度でした。」
「のう、」
「はい?」
「儂がその異世界とやらに転生して魔王を討伐すれば、少しはお主、いや貴女に届くかのう?」
少し考えて彼女は、
「ええ、掠る程度には。」
『掠る程度』か、
「決めた。儂は貴女を倒す。」
「此処で?」
「いや。」
―今この身で何回挑んでも掠ることさえできないだろう。だから…
「いつか、同じ土俵に立って正々堂々打ち破ろう。」
「面白い冗談だけど嫌いじゃないわ。」
「それはよかった。」
「魔王討伐は?」
「力が欲しい。その為なら魔王でも何でも討とう。」
「そう…。」
そういって暫し考え、
「決めた。貴方を勇者にしましょう。今回の依頼は魔王討伐。報酬はなんでも一つお願いを聞いて上げるわ。」
「謹んでお受けしましょう。」
「あ、名乗り忘れていたわね。私は『刃』を司る神、グランディアよ!」
「ディアさんですね。」
「図々しいわ!」
―こうして一人の剣士の運命は決まった。