彼岸花
頭を空っぽにして読んでください。
「まさに晴天って感じだな」
そう言って彼は足元の水溜まりを眺めていた。
「そう思うならさ、直接見ればいいじゃん」
そう言って緩慢な動きで空を見上げた。彼の言った通り、ひどく澄んでいて美しい水色の空だった。
明日は台風が来るらしい。少しだけ風が強く吹いた気がした。
「無理だよ。だって目、痛くなるだろ」
そう言いながらも彼はじっと、水溜まりを見つめていた。
「太陽見なかったらいいだろ。それともなんだ、目、疲れてんの」
「かもなぁ」
心ここに在らず、というような返事だった。
何となく不安になる。何故か彼が、その水溜まりの中へ消えて行ってしまいそうで。
「ァイス...」
「は?」
「アイス、買いに行こうぜ。昔よく行ってただろ、商店街。そこの駄菓子屋だよ。」
何となく焦った頭で、かわいた喉のまま喋ったからか、最初の文字が上手く発音できなかった。喉の奥の張り付いたような感覚が気持ち悪かった。
ひび割れてボコボコのアスファルトの上でセミが烏を誘うように腹を見せていた。
嗚呼、吐いてしまいそうだ。何でこんなにも気持ち悪いのだろう。何故こんなにも不安なのだろう。
こちらを見ているようで見ていない焦げ茶色の瞳にイライラする。
まって、
頭の奥で幼く、呂律が回っていない子供の声が響いた。
「分かった。行くよ。その代わりお前が奢れよ」
「何でだよ!」
耳鳴りのする頭で、おちゃらけるように返した。
あの声は、あの言葉は、いつ言ったのだろう。誰に言ったのだろう。そもそも自分が言ったのだろうか。
考え始めると耳鳴りはさらに強くなった。甲高い音がずっと頭の中で響いていた。考えるな、とでも言うようだった。
それに従い、行くぞ、と声を掛けて歩き始める。
視界の端で彼岸花が揺れる。
あれ、彼岸花は確か、秋の
少し前に雨が降っていたからか、道路には水溜まりがあった。その奥底で彼岸花が誘うように揺れていた。
それを一瞥し、焦った顔で歩きだしたアイツの背を追う。
まだ、行けないよなぁ。
そんなことを思いながら、踵のがじくじくと痛むのを我慢して歩きだした。
少し、眺めすぎただろうか。足が疲れてしまったらしい。
ゆらゆらと揺れる彼岸花のもとへは、今回はまだ、行けないのだ。
初投稿ですね。どうもボーダー君です。
初投稿だというのにこの30分クオリティ。馬鹿ですね。そのせいでめちゃくちゃ意味不明な小説になりました。何となーくわかると思いますが、水溜まりを見ていた彼は、何度か人生を繰り返してます。理由は考えてないです(クズ)
でもまぁ、彼がまだ、と言っている事はいつかいく気なんでしょうね。
特に深く考えてないので、花言葉、だとか迷信、だとか別名、とかは意識してないです。
知ってはいるんですけどね。
何故キーワードが日常かというと、なんかぴったりなやつが見つからなかったからです。それに彼等にとってはきっとこれは日常なんだろうなぁって感じです(考えなし)