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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者を育てる賢者の苦労話

作者: 春風

初投稿作品です。これからも作品を書いていこうと思うので客観的な感想大歓迎です。それでは勇者を育てる賢者の苦労話をどうぞ!

 ワシの名はサーメルン・ラーム。年は1000歳を越えた辺りからはもう数えとらん。数えるのも面倒なんでな。今ワシは勇者を育てる仕事をしておる。まあ、これだけ言っても何が何だか分からんだろうからの。少し昔話をするとしようかの。


 今から500年くらい前だったかの。大魔王と呼ばれる者が此の世に現れたのじゃ。そやつは悪の限りを尽くし、世界を大混乱に陥れておった。ちなみにワシはその時観光目的で別の世界に行っておった。いやー、あれはいい思い出じゃったなぁ。


 そしてその世界から戻って来たら、サタンとか名乗る大魔王とか言うやつが暴れまわっておった。


 とりあえずムカついたから殺してやったわ。大魔王だか何だか知らんが1000年以上の間、魔法を極めていたワシに勝てるわけがなかろうて。


 それでスッキリしての。家に帰ったんじゃが何故か知らんがそやつはすぐに復活しおった。倒してから大体三日くらいだったかの?とりあえずまた殺してやったわ。復活しおっても対して強さも変わっておらんかったからな。


 そしたらまーた、復活しおった。面倒くさいのぉ、この大魔王。殺しても復活するのなら今度は封印しようと考えたわい。じゃがサタンとやらは封印してもまた、三日で出てきおった。


 自分で言うのもなんじゃがこの世界でワシの封印から抜け出せるやつ何ておらん。何せワシはこの世界最強じゃからの。


 とにかくおかしいと思い今度は大魔王を殺すついでに大魔王の生態について調査したのじゃ。そしたら分かったことがこの迷惑大魔王は聖剣でトドメを刺されんと何度でも復活することが分かったのじゃ。封印するにも聖剣を媒体にしないと同じように何度でも出てくることがわかったのじゃ。


 ……聖剣何て言葉久しぶりに聞いたわい。確か800年以上前だった気がするぞ……


 ここで問題になってくるのが聖剣は勇者の素質があるものしか使うことが出来ないということじゃ。ワシには勇者の素質何てもんはこれっぽっちもありゃあせんからの。ワシじゃあ大魔王を完全に殺すのは不可能ということじゃの。


 まあ、倒し方が分かって良かったとその時は思っておった。ようは聖剣でトドメを刺せればいいのじゃから強かろうが弱かろうがワシが大魔王を瀕死にしてからトドメを刺してもらえばいいわけじゃな。


 このことに思い至ったワシは知り合いの国王にこの事を伝えにいき、聖剣を持てるものを探すように頼んだわ。事情を知った国王はすぐに勇者の素質を持つものを探し回って1週間位で見つけてきおった。


 その前に国王といつ知り合ったかだと?阿呆。そんなもん長生きしとれば国王の100人や200人の知り合い位出来るわ。


 とにかくその聖剣を持てるものを連れて大魔王を倒しに行ったのじゃよ。そしたらのぉ、この迷惑大魔王はまーた面倒くさいことにある一定以上の実力者じゃないと聖剣を使ってもダメージが与えられなんだ。


 しかもある一定以上の実力が中途半端に高くてのぉ。連れて来たやつの実力ではどんなに頑張っても倒せんのだわ。


 この事を国王に伝え今度は実力のある勇者の素質持ちを連れて行ったのじゃが……こいつも駄目だったのじゃ!!この迷惑大魔王はワシみたいなやつからしてみれば弱くても今の人類からしてみれば世界滅亡級らしいでの。その辺の実力者ではダメージが全く入らんのよ。


 本当に迷惑なやつじゃて。その辺の事情を国王に言ったら国王は勇者の教育機関を創ろうと言い出しおった。これはいい考えだと思ったわ。要は弱いのなら強くしてやればいいだけのことなのでな。ワシは大いに賛成したわ。


 だが、こともあろうに国王はワシに勇者を鍛えてくれといってきおった。何故ワシなんじゃ!!と言ったらワシが鍛えた方が早く倒せる様になるということじゃった。


 ……そう言われるとワシが鍛えるしかなくなるわい。


 そんなこんなで勇者育成機関を創り勇者の素質を持つものを国を上げて鍛えておったのじゃ。ワシもすぐには無理でも遅くとも数年もすればいけるじゃろと呑気に考えておった。


 しかしのぉ、勇者の素質持ちの奴等でまともなやつが少なすぎるんじゃ!!殆どの奴等が傲慢で自意識過剰で馬鹿ばっかりの糞ガキどもだったわい!!


 しかもそんな奴等に限って才能があるから鍛えるしかないのじゃ。だが、傲慢で馬鹿じゃからの。ある程度強くなったら勝手に大魔王を倒しにいくんじゃ。対して強くなっとらんのに行くからワシが助けに行く前に大魔王の手下で少し強いやつに遭遇しおってすぐに死ぬしのぉ。


 勿論全員がこんな奴等ではない。なかには真面目で気持ちのいい者もいる。だが、よりにもよってこういう真面目なやつに限ってダメージを与えられるほど強くなる才能がないのじゃ。


 おかげで生意気な糞ガキどもを鍛えるしかなくなったのじゃ。


 大魔王も黙っていたわけではない。この間にワシを殺そうと何度も何度も手下を仕掛けて来たり本人が来たりもしおったわ。まあ、ワシを殺せば大魔王を倒せるやつはいなくなるだろうからの。


 判断としては間違っておらん。大魔王含めて雑魚しかいないから毎回殺しとるがな。


 しかしこれが不味かった。毎回簡単に倒してしまう為勇者供が大魔王は弱いと勘違いして、中途半端な実力で倒しにいって、ほぼ全員が殺されるのじゃ。


 このせいで大魔王を倒せる強さになる前に死ぬから、ワシの仕事が終わらん。早く終わらせて、別の世界に観光に行きたいのにのぉ。


 用はワシの今の現状は大魔王を倒せる勇者を育て上げるために勇者育成機関で働いておる。そして、馬鹿しかいないからこの仕事が終わらんのじゃ。


 ……そんなこんなでワシの苦労はまだまだ続いていくのじゃ。


お読み頂きありがとうございました!

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[良い点] テーマは面白いと思いますし、これを連載に繋げていく0話だと考えればいい読みきりだと思います。 文章も読みやすくスっと入ってくるのでその点も上手いと思います。 [気になる点] ただ、無駄が多…
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