↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

吟遊詩人の忘れ語り

-影追翼の仲間の影-

作者: -Sare-
掲載日:2016/05/20

 如何も今日は。前回の宣誓通り、今回はマニアックな子がやって来ました。ささ、タイトルから考えよう。影を追う翼・・・レイス?氷鏡の獣?ゲルファード?残念、ペリュトンでしたー!(分かるか!)

 此の子、自分可也大好きなんですよ。でもマニアックな為か余り出て来ない・・・ゲームでも見たと思ったらなんか鳥になってるし、大抵神話と違う姿で現れる。如何して?彼が何をしたんだ。

 其の為今回も初めにペリュトンの紹介を。姿は簡単に言えば鹿の前足が大きな青い翼に化した者。でも其の影は人間で、異郷の地で亡くなった旅人の霊とも言われています。でもペリュトンは人間を殺すと元の姿の影を取り戻すと言われ、其の為に人間を求めて集団で飛び立つと言われています。

 そして此処からは今作のオリジナル。ペリュトンは実は元々影がなく、人を殺す事で其の影をゲットする事が出来ます。でも影は何時しか消えてしまうのです。主を失った影は影ではないからです。

 如何してこんなオリジナル設定を?だってペリュトンって元は旅人の霊なんでしょ?だったら元の姿って人じゃないの?でも当の本人の肉体は既に召されているし、幽霊には影は出来ないし・・・じゃあ何時か消えちゃうんじゃない?そんな所です。

 あれ、早速人殺しの話ですね。然うです、此の話も例に漏れず、コンセプトは変わらない、何時も通りの結末です。

 どうぞ影には気を付けて。其の変哲のない影ですら、価値を見出す者がいるのだから。

 ある所(トコロ)に影追翼(ペリュトン)の群(ム)れがあった

 彼等(カレラ)は天(テン)を、地(チ)を駆(カ)け、影(カゲ)を求(モト)めて流離(サスラ)った

 一度人(ヒトタビヒト)を見付(ミツ)ければ、彼等(カレラ)は人(ヒト)を殺(コロ)し、其(ソ)の影(カゲ)を手(テ)にした

 然(ソ)うして行(ユ)く中(ナカ)、一頭(イットウ)の影追翼(ペリュトン)は仲間(ナカマ)に斯(コ)う呼(ヨ)び掛(カ)けた

 我等(ワレラ)は影(カゲ)がなくとも生(イ)きて行(イ)ける

 影(カゲ)を手(テ)にする為(タメ)に、人(ヒト)を危(アヤ)めるのは間違(マチガ)いだ、と

 しかし、誰(ダレ)一頭(イットウ)其(ソ)の言葉(コトバ)に耳(ミミ)を貸(カ)さず、嘆(ナゲ)いたかの影追翼(ペリュトン)は一頭(イットウ)、群(ム)れを離(ハナ)れた


 一頭(イットウ)となった影追翼(ペリュトン)

 仲間(ナカマ)はいなくなったが、彼(カレ)は別段(ベツダン)寂(サビ)しくなかった

 彼(カレ)には己(オノレ)に付(ツ)き添(ソ)う影(カゲ)があったのだ

 幾日(イクニチ)かして、彼(カレ)の影(カゲ)は無(ナ)くなってしまった

 人(ヒト)から奪(ウバ)った影(カゲ)は、然(ソ)う長(ナガ)くは保(モ)たないのだ


 独(ヒト)りとなった影追翼(ペリュトン)

 如何(ドウ)しようもない寂(サビ)しさが込(コ)み上(ア)げて来(キ)た

 今迄(イママデ)影(カゲ)と仲間(ナカマ)に囲(カコ)まれていた彼(カレ)は孤独(コドク)を知(シ)らなかったのだ

 こんなにも悲(カナ)しい事(コト)だったなんて・・・

 影追翼(ペリュトン)が悲(カナ)し気(ゲ)に啼(ナ)いていると、一人(ヒトリ)の少女(ショウジョ)が何事(ナニゴト)かと駆(カ)けて来(キ)た

 如何(ドウ)したのか、と少女(ショウジョ)は尋(タズ)ねた

 独(ヒト)りが寂(サビ)しいのだと影追翼(ペリュトン)は喘(アエ)いだ

 ならば、友(トモ)達(ダチ)になってあげると少女(ショウジョ)は言(イ)い、小(チイ)さな絳(アカ)い華(ハナ)を影追翼(ペリュトン)に差(サ)し出(ダ)した

 然(ソ)うか、汝(ナンジ)が我(ワ)が影(カゲ)になってくれるのか

 影追翼(ペリュトン)は華(ハナ)を散(チ)らし、少女(ショウジョ)を其(ソ)の雄々(オオ)しき角(ツノ)で貫(ツラヌ)いた

 斯(カ)くして少女(ショウジョ)の影(カゲ)は影追翼(ペリュトン)の物(モノ)となった

 此(コレ)でもう安心(アンシン)だと、影追翼(ペリュトン)は蕭(モ)森(リ)の奥(オク)へ歩(アル)いて行(イ)った


 暫(シバラ)くして影追翼(ペリュトン)は己(オノレ)の影(カゲ)を見(ミ)た

 其(ソレ)は一人(ヒトリ)の少女(ショウジョ)の影(カゲ)

 己(オノレ)の仲間(ナカマ)の姿(スガタ)ではない事(コト)に影追翼(ペリュトン)は寂(サビ)しさを連(ツラ)ねた

 触(フ)れられない、話(ハナ)さない只(タダ)其処(ソコ)に在(ア)る丈(ダケ)の影(カゲ)に影追翼(ペリュトン)は寂(サビ)しさを重(カサ)ねた

 然(ソ)うしていると着(ツ)いたのは拓(ヒラ)けた塊(カイ)村(ソン)だった

 噫(アア)、此処(ココ)なら寂(サビ)しくない

 影追翼(ペリュトン)は早速(サッソク)近(チカ)くにいた男(オトコ)に飛(ト)び掛(カ)かり、骨(ホネ)を其(ソ)の足(アシ)で砕(クダ)いた


 村(ムラ)を去(サ)る頃(コロ)、影追翼(ペリュトン)の影(カゲ)は村人(ムラビト)の其(ソレ)で一杯(イッパイ)になった

 満(ミ)たされた影追翼(ペリュトン)は飛(ト)び立(タ)った

 影(カゲ)が消(キ)える前(マエ)に、次(ツギ)の獲物(エモノ)を探(サガ)そうと

 何故(ナゼ)己(オノ)が仲間(ナカマ)の群(ム)れから離(ハナ)れたのかを忘(ワス)れて

 影追翼(ペリュトン)は美(ウツク)しき蒼(アオ)の毛(ケ)を絳(アカ)へ染(ソ)め乍(ナガ)ら影(カゲ)を求(モト)め、彷徨(サマヨ)うのだった

 何故(ナゼ)あの少女(ショウジョ)の言葉(コトバ)はあんなにも温(アタタ)かく、其(ソ)の血(チ)はあんなにも冷(ツメ)たかったのか

 もう影追翼(ペリュトン)には分(ワ)からなかった


  -Fin-

 さて、予想通りの結末だったでしょうか?良いですよね、罪を罪と誰も気付けない話。悪を見つめ過ぎて其に呑まれる話。深淵を見る時は深淵も又見詰めている、そんな話。

 でも如何です?好きになりませんかペリュトン。だって蒼い翼ですよ?影を求めるんですよ?滅茶苦茶中二病発病しないですか?燃え上がりませんか?あ、興味ないですか、御免なさい。

 じゃあ次は何の子を投下しよう・・・そろそろ日本に上陸したい。面白いの、可愛いの、一杯いるんだよなぁ。(面白く可愛く語れるかは別問題で)

 ではでは皆さん良い物語を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。