卑怯な告白
こんなの、卑怯な告白だ。
「好きなんだ」
ずっと友だちだと思っていた。
高校に入学してからクラスになじめなくて、足を運んだ図書館。そこで声をかけてきたのが、アイツだった。
何週間がたっても、クラスに友だちなんかできなかった。だから、毎日休み時間には図書室に通った。そして、アイツとたくさんの時間を過ごした。
一年がたってクラスが変わった。
友だちができた。それから、彼氏も。
地味な私に初めてできた彼氏。──正直、浮かれていた。
それなのに。
「ずっと好きだった」
自分でもどうしてお前なのかわからないとか、いつからかなんてわからないとか。そんなこと、言われても。
初めて彼氏ができて、一週間もたってない。
私が浮かれていたのなんて、わかりきっていたはずなのに。──どうして。
私は大切な友だちを失った。
話しかけても避けられるようになった。
私は、どうすればよかったんだろう。
私に、どうしてほしかったんだろう。
アイツと話せないまま、時間だけが過ぎていく。
卑怯な告白。
フラれる前提で、私にフルように仕掛けた。
今では私の視線が、いつだってアイツを追いかけている。