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ヤギさんの手紙
アオヤギさんはモモヤギさんに恋をしていました。長い長い片想いでしたが、ある日思い切って想いを手紙に書きました。
次の日、モモヤギさんにアオヤギさんから手紙が届きました。
しかし、モモヤギさんは読まずに食べてしまいます。お腹が満たされていくと、モモヤギさんはハッとしました。
「なにが書いてあったんだろう……」
仕方がないので、モモヤギさんは手紙を書きました。
次の日、アオヤギさんにモモヤギさんからの手紙が届きました。その手紙には、『ごめんなさい。読まないで食べちゃった。なんだったのかな?』と書かれていました。
アオヤギさんはクスリと笑います。
「モモヤギさんらしいな。かわいい」
次の日、モモヤギさんに手紙が届きました。手紙の主はアオヤギさんです。今度は宛先の下に一言書いてありました。
『なんでもないよ』
モモヤギさんは微笑みます。
「アオヤギさんってば、やさしいな」
モモヤギさんはアオヤギさんのやさしさを噛みしめて、今日もお腹を満たすのでした。




