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~そのはじまりの物語 ~①小さな願い
ある日、小さな女の子が、そっと囁きました。
どうか、私を見つけてね。
小さな男の子は、辺りを見回しました。
君は誰? どこにいるの?
うららかな春の陽射しが降り注ぎ 桜舞い散る並木道?
夏の陽で きらきら輝く川面かな?
月明かりに照らされた 秋風にたなびく樫の木の木立の中?
雪原の樹氷から、きらきら舞い散る雪の華?
その時、天使が男の子に優しく囁きました。
あなたが見たもの、たどり着いた所が彼女なのよ、、、、、
男の子は、ゆっくりと歩き出しました。
見つけたよ、、、、、
女の子と男の子は巡り逢い、小さな手と手を繋いで歩き出しました。
二人が見上げた青空に
鮮やかな祝福の虹がありました。
天使から、小さな二人へのささやかな贈り物、、、、、
二人はやがて、
きっと、終わることのない愛の世界を築くでしょう、、、、、、