表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/38

第三十四話

今回は麻奈達の作戦会議回です。

「え、なんで私こんなに注目集まっているの?」


 私が鈴蘭と分かれて教室に戻ってきたのは良いけど、クラスメイトのみんなが興味深々そうな顔で私を見てくるの。え、なんで?


 と、そこに先ほど私を指を指した女子生徒が駆け寄ってきた。名前なんだっけ? 確か伊藤さんだったような……。


「麻奈! ミュゲ様から呼び出されていたけど、用事ってなんだったの?」


 そうだ! しまった!

 数分前にミュゲ様こと鈴蘭が私目当てでこの教室に現れたから、みんな気になっているんだ! どうしようあの屋上での話はあまりしない方がいいよね……。


「あ、あー、うん。ただの世間話だよ! そんな大した話じゃないから!」

「ふ~ん、そうなんだ」


 納得したのか、自分の席に戻って行った伊藤さん。


 ほっと一息ついてから、自分の席に戻る前に、春也の席を横切る。

 春也は私に気が付いてくれたけど、不機嫌な顔で睨まれてしまった。


 春也……。鈴蘭、本当に……本当に大丈夫なの?


 屋上で鈴蘭が言った言葉が脳内で再生されていく。




『これはあくまで憶測なのですが、春也君はわざと嫌われるように振舞っていらっしゃるんだと思います。何故そうするか理由までは不明ですけれど、彼は話しかけるなと言っている時こそ、本音は仲直りしたいと思っていらっしゃる方です。なのでそのまま気にせず話しかけ続けて下さればよろしいかと』




 鈴蘭はそう言ってくれたけど。仲直り出来る気がしないのですが!? え、大丈夫なんだよね?


 不安しかない。いや、諦めないって決めたじゃない。春也ときちんと話し合って仲直り出来るまで諦めないんだから。


 誰かが私の肩に手をかけてきたと思ったら。


「麻奈、待ってください」


 振り返ると、梨子の姿があった。


「え、梨子? どうしたの?」

「ただ闇雲に話しかけても結果は変わらないと思います。なので、放課後になったら花梨を呼んで三人で作戦会議を開きませんか? 花梨が今日の予定はないと話していましたから」


 小声で話す梨子の表情は真顔でした。

 え、でも作戦会議って……。


「いやいや。作戦会議するだなんて、そんな大げさな……」

「いえ、やるべきです。春也君と仲直りするためにはどんな方法で仲直りが出来るか、情報が少なすぎます。その為にも三人で集まりましょう」


 そこまで考えてくれていたなんて……。

 思わず涙が出そうになった。泣いたら駄目だ。これから授業が始まるんだ。今は耐えろ。


「梨子、ありがとう」

「いえ、麻奈の為ですが……自分の為でもあるんです」

「梨子?」

「私は春也君の気持ちが分かっていなかった。知ろうともしなかった愚か者です。自分勝手に決めつけて行動してました。けど、麻奈は私とは違う。麻奈、あなたならきっと春也君と通じ合える。春也君の思いを知ることが出来るのは麻奈だけですよ。これは私なりの贖罪なんです。私に出来ることがあるならなんだってやりますから……春也君が何故拒絶するのか、分かるといいですね」

「うん、春也の苦しみを知りたい。力になりたい……そのためにも、ってことだよね?」

「そういうことです。放課後になったら花梨に話しかけましょう」


 私と梨子が頷きあった瞬間、チャイムが鳴り響き、教科担任の先生が入ってくる。私達は慌てて自分の席に戻った。


      *



「名付けて、麻奈と春也君を仲直りさせよう大作戦!! これより、第一回作戦会議を始めようと思います!!」


 ふんすっと鼻息を鳴らしながら、高らかに宣言する花梨。

 放課後私と梨子と花梨の三人で集まり、やってきたのは神崎町の丘の上。三人並んでベンチに座っていた。真ん中にいる私を花梨と梨子が挟むように座っている。


 そもそも何故丘の上かというと、この時間は周りに人いないから作戦会議開くのはうってつけだと梨子が提案してくれたから。その言葉通り、今周りに人はいない。おかげでゆっくり作戦会議開けるわけだ。


 その梨子はというと、花梨の宣誓みたいな叫びに頷きながら拍手している。

 私は高らかに宣言されて恥ずかしいんだけれど……。


「ではまず初めに、当事者からの説明をお願いします!」


 えっ!?!? 私!? あ、そうか。当事者は私だけか!

 花梨に指さされてびっくりしてたよ。


「あ、はい! 説明させていただきます!」


 私は何があったのか包み隠さず説明した。何を言ったのか。何を言われたのか。包み隠さず全て。


「とまぁ、こんな感じです……」


 花梨は私の話を聞いた後、数秒考えこみ、何度も頷いた。


「ふむふむ、なるほど。そういうことがありましたか。大体状況は分かりました。作戦を練る前に、まずマナに一言言いたい事があります」

「これは……麻奈」


 げっ。この流れは。嫌な予感しかしない。梨子が横で不安そうに私を見つめている。もしかしなくても、あの流れですよね。


「なんで好きな子にわざわざ『大嫌い』なんて言うの! 今まで何のために関係改善したか意味ないじゃない!」


 デスヨネ。コウナルトワカッテマシタ。

 ムッとした表情でこちらを睨んでくる花梨に、ぐうの音も出ません。


「全くその通りです……面目ありません……」

「まぁまぁ、麻奈もわざと言った訳じゃないので。それに今回の事例は状況から考えて致し方ないと思うんです」


 梨子が苦笑いしながらフォローしてくれた。ありがとう。


「確かに、リコの言う通りわざとじゃない感じだし、それに春也君にも非はあったと思うから、今回はこれ以上何も言わないよ」


 良かった。た、助かった……。


「とりあえず今は春也君の態度が急変した謎について考えないと! それも含めて作戦会議開始だね!」


 そうだ。春也がなんで態度が変わったのか分からないと対応できない。このままじゃ平行線たどったまま交わらない気がする。春也のこと、理解するためにも知らなきゃ。何があったのかを。


「今回は花梨に同意です。春也君の態度が変わったのにはきっと何らかの原因があるはずです。作戦会議を開く前に、私も麻奈に聞きたい事がありまして」


 え、あなたもですか?


「聞きたい事って?」

「はい、今日の昼休みに紫藤鈴蘭さんに呼ばれていたようですが……何かあったのですか? あの方が麻奈を呼び出すって余程のことだと思うんです」


 あ、そうか。私が鈴蘭に呼ばれて教室を出ていく様子を見ているんだよね。何があったのか心配してくれているのかも。でもどうしよう。話した方がいいのかな。プライベートな話もあったし……。


 思い出すのは、悲しそうな表情で見つめる鈴蘭の姿。あの姿が目に焼き付いて離れない。


 二人なら力になってくれる気がする。話そう。

どうなることやら。作戦会議の続きは乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
作戦名……私もかつて似たような名前の作戦が出る話を書いてました。 いやその話はもう消しちゃったんですけどね。 そんで……まぁ場合によっては一部をぼかせば大丈夫(`・ω・´)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ