平凡な生活からの・・・
そよそよと潮風が流れていくように
あの子との時間もあっという間に過ぎていった
だんだんと見送る船は小さくなっていった
そして月日は流れ・・・
私は中学三年生になった
あの子と別れてもう3年がたつ。
今どうしているだろうか
引っ越してから連絡が取れず音信不通なのである。
中三の始業式の日のことである
突然、一通の手紙が私のところに来た
差出人は、三年前に別れたきりで音信不通の的野さんからだった。
的野さんは今でも上海で元気に家族と一緒に暮らしているそうだ
ホッとした。
いままで、音信不通で連絡がとれなかったのにいきなり手紙で
連絡してくるなんて・・・・・・・・
友達の中には、
「的野さんはね、お星様になってお空に輝いているんだよ。」
、と言い出す人達も現れだした。
的野さんは誠実でまじめな人だった。
クラスでおきていた、ちょっとしたいじめも的野さんは許せなかった。
勉強でも的野さんは学年トップなんじゃないのかと思うくらい頭が良かった。
学力だけでなく、副教科でもサイキョウだった。三重飛びが三百回もできた。
学級委員も四年連続つとめたり、お掃除ボランティアにも積極的に参加していた。
的野さんのは、なんでもできるカンペキ人間だった。
新しい学年になって、1週間がたったころだった。
数学の先生は、学校一催眠術が得意な先生だった
数学はだいっ嫌いなうえに催眠術までかけられては、たまったものではあるまい!!!
五時間目の音楽の時間がいきなり緊急集会になった。
私は音楽もだいっきらいである。
緊急集会になって、内心では心臓が飛び出るぐらいうれしかった。
緊急集会では不審者の事が話された。
しかし、音楽の授業が潰れたうれしさのあまり話しをきいてなかった。
そして私の日常はまた、平凡な暮らしにもどっていった。
的野さんのことも、不審者のこともすっかり忘れていたことである。
桜も散り、若葉がそよそよと風と踊りはじめたとき。
丁度、二時間目の数学の授業の真っ最中であった。
ガラガラガラガラ-----------ッ
いきおいよく、教室のドアがあけられ、一人の少女が入ってきた。
それは、見覚えのある、なつかしい顔だった。