表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/50

旗頭ではないのか?

時越え武将 第49話 「旗頭ではないのか?」始まります。

「義父上」


 ん、父上とな、

 声の主を見るとその目の先には、吉利が居た。

 儂の感は当たっておったか、髪型や体型や若さが違う感じがしたけど、殿でしたか。

元気そうで良かった。って何故そちらの席にいる?

 吉伸が口を挟む


「義継と言ったな、今は上様襲撃予想されると言う話をしておる関係ない話は止めて貰おう」


 一呼吸おいて


「義親殿が旗頭ではないのか?義継混乱させに来たのか?余はそなたら二名を疑っておる」


 吉伸は彼ら二名が無実である事を心眼で確認していたが、他の者は確実に疑っている。

だからこそ直に聴きたいのだ。

 そんな時京に送った美鈴から念話が届いた。


『おじさま、今着きましたが、少し遅かったようです。

館が燃えてます。鬨の声が上がりました』

『わかった。危ないから戻ってきなさい』

『はい、  あっ少々お待ち下さい。奥方様らが居られました。女中の一人が倭子様を抱いておられます』

『美鈴ちゃんの安全を第一にして助ける事可能か、可能なら頼む』

『でわ、後程』


 倭子様だけでも無事で良かった。


「叔父上、言って良い事と悪い事がありますぞ。」

「弾正、そちはどう思う」

「はっ、もし儂なら赤子の手を拈るより容易き事、でも儂じゃありませぬ」

「だろうな、弾正なら此処にすら来させ無いようにするだろう」

「でどうなんだ」

「滅相もありませぬ、これでも力量差解っておりもうすが、ただ、愚息久通が関与している可能性があります」

「それがしは家をこれ以上小さくする訳にはいきませぬ、その為には管領家の恩恵が必要不可欠、背く事などあり得ませぬ」

「その方らの決意、確かに聴いたぞ。久通の事余に任せよ」

「殿」


 虎政は娘の美鈴から話を聴いていたので、催促してきた。


『解っておる』


 吉伸は念話で返すと、


「今連絡があった上様が討たれた。岩成友通・三好長逸・三好正勝・細川真之・三好長治を討伐する」


 一同は吉伸の報告に驚くと


「吉晴は四国の居城を取り押さえよ、反勢力もすべてじゃ降伏は許さぬ、

そのつもりでいろ」

「虎と虎高は奈良勢を奈良から都摂津へと京へと分けろ、伸元と周親は近江勢を率いて大津から入れ、政興と具教は伊勢伊賀勢を率いて来い。政西と元親は留守を頼む」


 それだけ言い残すと怒りを表面に出すことなく、小姓の から太刀を受け取り消えた。


 ※シューン


 残された部屋には唖然とした顔の者達が、現実に戻されたのは、奥方である清美の言葉であった。


「皆さん聴きましたか?当家はこれより上様、いえ妾の義兄様の敵討ちをします。

それらに組みし者も同罪として討伐する。よろしいですね。周親頼みましたよ」

「はっ、それにつきまして奥方様に移動の協力よろしいでしょうか」

「当然です。急ぎなさい。そして殿に追い付くのです」


 これには和美が許可をする。


「吉晴それに義継殿、義親殿、殿は皆の心内すべてお見通しです。嘘は一切通用しません。しかし此処にいる者総てが解っている訳無いのです。なので貴方方の口から話す必要があったのです。久秀殿貴殿ならお解りの筈吉晴の事頼みましたよ」

「「「「 はっ 」」」」


 和美に向かって、四人一斉に平伏しその後立ち去っていった。


「でわ、和美様、清美様我々を送って下さい」






 吉伸は伊賀城から京にある将軍の二条館に飛んだ。

 庭先から奥へ屍を越えて進んでいき奥座 敷に義兄義輝の姿を確認した。義輝は俯せになっており、右横腹から一文字に斬られており、背中から突かれた痕が残っていた。


「義兄上」


 吉伸は暫く義輝を抱きしめていたが、その遺体をゆっくり降ろすと、


「必ず、敵を討ち御前に証を届けまする。義兄上、暫しお待ち下さい」


 吉伸は部屋を出ると、


「足利家家臣に者に告ぐ、余は義弟、正三位参議木下吉伸である。まだ戦う事が出来る者は、余に従い供に敵討ちをしようでないか!

まずは、京に居る岩成友通・三好長逸・三好正勝・細川真之・三好長治の軍を討ち取る。我と思う者は参陣せよ!正義は我にあり!」


 愛刀の刃先を天へ上げ高々と宣言した。

 続々と集まってくる義兄の家臣達、誰一人まともな者が居なかったが、我こそはと武器を杖にしてでも集まってくる。その筆頭が摂津 糸千代丸であった。


「権大納言様お久しゅう御座います。某も連れて行ってください」


「糸千代だったな。よく言った。だが皆にも言っておく。

死ぬ為に行くのではない。先に逝った者の為にも生きて敵を討つ、そして良い報告をする。それが先に逝った者への土産になる。まずは城から敵を壊滅させる我に続けー」


 たった15人の即席部隊が一丸になって突っ込んでいった。


今年も読んで頂き、誠にありがとう御座います。来年もよろしゅうたのんます。

良いお年をお迎え下さい。

次回「突撃」お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ