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皆の者、よく来てくれた

時越え武将 第46話 「皆の者、よく来てくれた」始まります。

 季節は雪もちらつき、後数日で年も変わろうとしている。

父晴信の意向を確認した吉伸は久しぶりに過去の世界の伊賀上野に居た。

 そして今此処大広間には、吉伸の二婦人である和美と清美、十六家老の長山筑後守政興、小山兵部少輔虎政、曽田周防守周親、佐山駿河守定国、藤堂刑部大輔虎高、

和田紀伊守惟政、百地丹波守政西、京極中務少輔高吉、河田伊豆守元親、

六角左京大夫義賢、仁木左京大夫長政、丹比近衛少将伸元、北畠権中納言具教、浅井備前守伸政、今川治部大輔氏真 、

などの面々に、山崎屋の山崎庄五郎、教員の小笠原孫次郎、北畠天祐がいる。

 その他に、徳川家家臣の酒井左衛門尉忠次・松平又八郎伊忠・伊奈半左衛門忠家

が参加している。

 吉伸は当然正面に座る。その左右に是も当然ながら和美と清美が座り、

和美の左に政興とが座る。清美の右隣に虎政と妻の光江が座る。


「皆の者、よく来てくれた。礼を言う」


 吉伸は深々と頭を垂れる。


「はっはぁー」


 それを見た一同が真似る。


 それを見た吉伸は御満悦になる。


「面を上げよ、まずは報告して貰う」

「はっ、されば各領内から報告を」


 進行役の政興が吉伸の言葉に乗っ取って進行する。


「小山殿」

「はっ、大和国は寺社の反抗あるものの、筒井家の先導もあり規律を浸透させつつあります。

民も少しずつではありますが、安全な豊かな国造りに協力的であります」


「京極殿」

「東近江は領内はほぼ平穏です。気になる事として、一色龍興の動きですね」


「六角殿」

「東南近江の領内は安定します。問題は愚息だな」

「ならば隠居はさせられんな、

それと倅には、そのまま龍興と密にして情報を探らせろ」


 頭を掻く義賢に笑いが渦巻く。


「安心せい、我らが医療は国内随一ぞ、あの世に行っても扱き使ってやるわ」

「そんな折衝なぁ」


 蹲る義賢に、追い打ちを掛ける吉伸であった。


「浅井殿」

「北近江は今は落ち着いております。で先ほどの一色龍興ですが、当家に同盟を持ち掛けておりますが、のらりくらりと交わしておりますれば」

「うむ、余の名を出さず余を説得しろと伝えておけ、次だ」


「北畠殿」

「御屋形様と兵部少輔殿おかげで民も安心して暮らしておりまする。

ただ志摩の地頭らが九鬼を討伐して欲しいと、今まではのらりくらりしてましたが、

民の事考えればどうすればよいのやら、出来ればご教授願いたい次第」


 平伏する具教に吉伸は、


「そよのぅ」


 このままでは逸材が他国に流れるかぁ。


「権中納言殿でも解決できんかぁ、

権中納言殿に申し渡す。本日只今を持って志摩国を没収。

志摩は、余の代行として政興が治めよ。次じゃ」


「佐山殿」

「遠江並びに駿河では、徳川殿と各地で模擬戦をしております。

よって物資等が不足し掛けております」

「中納言殿よしなにな」


 吉伸は中納言に微笑み返すと、具教は返事代わりに平伏する。


「曽田殿」

「北伊勢は問題ありません。現在長島と交渉中」


「酒井殿」

「はっ、佐山殿と重なりますが、残念ですが未だ国内統一できておりません。

その中での模擬戦、物資の他金銭が不足してきており、いろいろ拙う御座ります」

「兵糧の事は我が任せよ」

「権中納言様ありがとう御座います」

「政興、何とかなるか」

「なるかならぬかなら可能です」

「なんとかせよ」

「御意」


 政興はそのまま続けて話した。


「伊賀、南近江は特に大きな問題はありません。敢えて言うなら他国の間者が多くなって来て、住み着く者も居りますが些細な事で喧嘩等ありますが法によって速やかに解決しております」


「清美様」

「はーーい、私からは医療に関する事ね、まだまだ不足しているわね。

薬もそうだけど、人も、そうね、でも、こればっかりは急ぎ過ぎも良くないわね。

人の命に関わることだし出来ることからやっていくしかないね」


「山崎殿」

「なにもありませぬなぁ、おかげさんで、ええ商いさせてもろてます」


「光江殿」

「教育はとりあえず順調かな通常学問は私と和美がいるし、

小笠原先生、天祐先生、治部先生を常駐、

いろいろな方に特別教師を呼んだりしてます。

今は領主推薦制ですが、

ゆくゆくは子供達が全員通え習う事が出来るようしたいですね」


「百地殿」

「わしからは・・・そうじゃ管領家なのじゃが急成長もあって反乱の気配があるが、

詳しくはまだ話せん確証がないでのぅ。わしは今まで通り情報を集めるだけじゃが、

気になる事がある。」


 懐から吉伸より譲り受けた地図帳を出すと、東北地方のページを開き、

手を広げるとそのページを叩いた。


「此処に送り込んだ者から連絡が途絶えた」

「なれば民として送り込んだらいい、年単位で今は連絡を貰え、

情報は欲しいが急がせるな。そこの民に溶き込ませるように」

「その様に致しまする」


「よし、皆の者、民の為頼んだぞ」


 会合を終えた将達に持て成しをして、夕刻妻達が、それぞれの所に送って行った。




次回時越え武将 第47話 「頂戴つかまつる」お楽しみに。

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