このように返すのですよ
ひさしぶりです。
時越え武将 第42話 「このように返すのですよ」始まります。
「兄貴改めて、お帰りなさい」
「ただいま、智和」
少年は立ち上がり挨拶をし、吉興は挨拶し近づこうとすると、
「ちと待って」
智和は其れを制した。
そして周りの顔を一人一人確認すると、横に立つ婦人に向き直し目を見て、
「私、木下智和と申します。以後よろしゅうたのんます。お義姉さん」
微笑んで右手を差し出す。どうしたら良いの解らないのか、婦人は困惑していた。
「同意の時は、このように返すのですよ」
和美は婦人に吉興の手を使い説明するのだった。
其れを見た婦人は和美の真似をして、智和の手を握り替えした。
「畠山左衛門督政長が娘、奈津と申します。よろしくお願いね」
「ご丁寧にありがとう御座います。兄貴、もう充分頑張たんじゃない、帰ってきて親孝行しなよ、親父もお袋も待っているよ」
智和は奈津の挨拶に礼を言い、博太郎に帰ってくるよう催促する。
「いやまだ、こっちでする事あるしな」
頭を掻きながら答える吉興を見て、和美が清美と目を合わせ、歩み寄る。
「もうーー相変わらず、まどろっこしいなぁ」
和美は博太郎と奈津と捕まえて吉晴とお悠と吉光が清美が捕まえて、
繋がってゆく手と手。
※ シューン
三ノ丸の広場に移転する。
「みんなぁ 帰るわよーーー」
「はーーい」
整列したのを見届けると清美と残して、
※ シューン
私立木下学園の校庭に移転する。清美は兄の元へと移動する。
「先生、生徒たちの事お願いしますね」
「もちろんです、皆さんによろしく言ってください。お世話になりました」
加納は深々とお辞儀する。
「でわ失礼します」 と言い残して和美達はその場から消えた。
※ シューン
「着いたわよ」
扉を開け、 和美を先頭に博太郎の家族達はついて行く。
「ただいまぁー」
「おかえりなさい、お嬢様、少々お待ちください」
燈華は一礼して奥に向かった。そして再び戻ってきた時その後ろには数人の礼服メイド服を身に纏った七人が一列に整列し一斉に挨拶する。
「「お帰りなさい、大納言様」」
「そしてようこそ、遠いところお越しなれました奥様、御初にお目に掛けますわたくし執事長の真江田幸夫と申します。お見知りおきのほどを、リビングにて旦那様がお待ちで御座います」
「私はメイド長の早見時江と申します。ご案内致しますどうぞ此方へ」
博太郎達は時江の後を着いていく。
リビングにあるソファに座る博太郎達目の前には、博太郎の両親そして吉伸の義父が座っている。和美は養父である頼朝の隣に座る。
和美と別れた清美は本丸へと急いだ。
「兄上、お待たせしました」
「おぅ」
清美は入って来るなり自分で茶を煎れると一気に飲み干して椅子に座った。
「兄上、どうでしたか」
「あの青山渉とかいう坊主どうするつもりじゃ」
義輝は目の前に腰掛けた妹に問いかけた。
「そうです。他にも此処にいた青年の事とか、何がなにやら、いきなりすぎて解りませぬ」
義輝の隣に座っていた藤孝は身を乗り出して清美に問いかける。
「まず渉君ですが、彼の事は主人と相談しようかと」
「主人というと」
藤孝は疑問になり聴き直す。
「あら、厭ですわ兵部大輔様、主人と言えば吉伸の事ですわ」
「うむ、そうであったか、失礼致した。で此処にいた青年は?」
清美の言葉に納得した藤孝は次の疑問を促した。
「彼は和美と博太郎の弟です」
「博太郎というは」
「こちらでは畠山摂津大夫吉興殿の事ですね。ここからは私の推測ではありますが、
向こうで行方不明になった時期を考慮しますに、私が此方に来た時巻き添えになって、
今からずいぶん前にたどり着いたのかと」
清美は説明する。
「彼らが向かったのは」
「簡単に言うと里帰りですね 今頃義父上に叩かれいるかもしれませんね」
清美は微笑みながら話すのであった。
次回 時越え武将 「まだやり残した事あります」
お楽しみに♪