何者
急に出掛けた吉伸、一体何処へ何しに行ったのか?
時越え武将 第40話 「何者」 始まります。
「でわ、義兄上行ってきます」
吉伸に急かされ夫でもある吉伸に掴まる。
そのときはすでに虎政や周親はいつでも行けるよう吉伸に掴まっていた。
よっしぃーの行きたい場所、それは間違いなくあそこ・・・
さて、いきますか・・・
私は外のある一点を見つめる。そう信繁さんの所、そして念じる。
※ シューン
よし成功・・・
私たちは上杉軍と信繁さんの間に割り込んだ。信繁さんの軍はほぼ壊滅、彼は孤立していた。そこに上杉軍の兵士が槍を抱え突っ込んでくるのを虎さんが愛槍春日の槍で押さえ込んでいるが、反対側からも上杉軍が迫り信繁さんを一刀した。判断の遅れた彼は後ろから脇腹から赤く染まってきている。一刀した彼に止めを刺した周ちゃんは私たちに叫んだ。
「タロー此処は俺たちに任せろ」
「わかった」
私はよっしぃーと一緒に信繁さんの側に寄り話しかける
「信繁さんですね助太刀に参りました」
「あぁー、其処もとは」
彼の弱々しい声かであるけれど返事が返ってきた。
生きてる、少し安心だねでも時がない・・・
「何者」
「話は後です。悪いようにはしません。よっしぃー」
私はよっしいーに確認をとる。彼は頷くと彼の鎧を脱がせ二人を呼んだ。
すぐ二人はやって来て周囲を確認をし煙幕を張る周ちゃんを見る。
後は戻るだけ、手に力が入る。
「帰るよ」
※シューン
声を掛けて井上城に帰ってきた。そして信繁さんを傷の治療を清ちゃんに任せ、終えた所で彼女の準備した布団に寝かすと、再び信繁さんを乗せた布団事よっしぃーと伊賀に帰り、さらに私の生まれた時代へと戻り、私の実家に移転。
「誰もいないの」
私は叫んだ。すると、奥から返事と供にパタパタと足音がして部屋の前の扉が開く、
「お嬢様、如何なされましたか? いっ・・」
駆け込んできたのは、私の専属メイドでもある日野燈華、彼女は信繁さんを見ると言葉を詰まらせた。無理もない、この時代こんなに酷い大怪我そうそうある訳がない。
しかし、 彼女はすぐに気持ちを切り替え、
「病院の手配致します」
断りを入れ電話のあるところへ急ぐ為出て行った。
私は彼女を見送ると膝元にいる信繁さんを見る。
顔色は良くなってスヤスヤと眠っている安心しているようだ。
もう少し待っててくださいね・・・
よっしぃーは信繁さんの顔を見て時々首を傾げる。
後で聴くかな・・・
暫くすると電話を終えた彼女が戻ってきた。
「連絡取れました。手術室前に移転可能です」
「解りました。ご苦労様」
※シューン
私達は再び移転しました。そこにはすでに看護婦と手術可能な服を着衣した先生が待っていてすぐさま、彼を可動ベットに移し替えると、中に入っていきました。
よっしぃーは側にいるって言って、入り口で待っている事を選択したので、
私は彼を見届けて、すぐに井上城に戻る事にしました。
和美が消えた井上城、すでに昼を過ぎていた。
「はーーい、お昼出来たわよ。たーんと食べてね」
美鈴達が膳を運び入れてきた。
どんよりと重たい空気、生徒達も青ざめて、食が進まないようだ。
楽しい遠足が暗く湿ったような感じになっている。
残された膳の数々が、其れを物語っている。
「オイ、皆の物腹が減っては力が出せぬぞ、それに今の世にこれだけの物食える事ありがたいもんじゃ、欲しくても食えぬ者たんと居る。残さずに食せよ食えぬとあらば、遠慮無く申し出よ、この大般若長光の錆としてくれるわ」
沈黙を破ったのは時の将軍、足利義輝の威厳?ある言葉に、
生徒達は必死なって被り付いた。
「皆、よく食った。褒めて使わす」
義輝は声を高げた。
「なぁ、おっちゃん」
部屋の隅からやって来た一人の少年が義輝に話しかけた。
一斉に声の方を見て驚く者、何を話すのかなと興味を示す者、様々である。
「これ、気安くはなすでない」
「よい」
吉興が注意をするが義輝は其れを制止させた。
「どうした?小僧」
「小僧じゃない、渉、交渉の渉と書く、青山渉」
「そうか失礼致した。渉殿、余は13代将軍足利義輝である。して如何したのじゃ」
将軍である事を聴いた生徒達は驚愕していた。
「えっ将軍様なんですかぁ」
渉は目を輝かせて身を乗り出した。
「余が珍しいか」
「はい、逢えて光栄です。是非僕に剣を教えてください」
手術の結果は?生徒達は?
次回 時越え武将 第41話 「お帰りなさい」 お楽しみに