いざ 川中島へ・・・ ①
ついに動き出した上杉謙信 吉信の行動はいかに・・・
時を超えた武将 第34話 「いざ川中島へ・・・」前編 始まります
信広の報告を聞いた信長の行動は早かった。
3日後には4人の親族である、兄信広と叔父の信張さらに弟の信包、信治、
一族の飯尾尚清、家臣の丸茂長照、水野忠分・忠重兄弟、西尾義次、
長谷川与次、前田利久、岡田重善、青山吉次、丹羽長秀、池田恒興、金森長近、
林秀貞、丹羽氏勝、村井貞勝、太田信定、ら
20人を吉伸の下へ送ってきた。
そして、信玄に報じられる2日前、ここ伊賀にも謙信動くの報告がされていた。
「よっしぃー、上杉謙信が今日に春日山出立、総勢13000人だそうだよ~」
吉伸は執務室にあるデスク黒革の椅子に座り、
机を挟んだ向かい側にある今座っている同型の椅子に座っている政興の言葉に、
「まさやん、いつこの地に来ると思う」
吉伸は扇子を川中島を指しながら問いかけた。
「そうだな、明日かな」
扇子を膝にポンと叩くと執務長でもある河田伊豆守元親に、家老宿老を今夜呼ぶように 命じた。
そして、夜
「皆集まったようだな」
吉伸は壇上に座り見渡して話を切り出した。
「本日、越後の上杉謙信が信州に出立した。明日には到着するだろう。
よって、1ヶ月後・・・ 決戦を見に行こうと思う」
言葉を一端綴じると部屋を見渡し 反応を見た。
世に言う第四次川中島の戦いである。その事知っているものは数人、
他の者は顔を見渡して怪訝な表情でお互い見ている。
そして、一人の男が声を発した。
「御屋形様、それは乱入するって事でしょうか」
蒲生の質問に吉伸は見渡しながらゆっくり言う。
「それは違うな 見聞である」
筆頭家老である長山政興は、座の向きを諸侯の顔が見えるようにすると、
吉伸の続きを話した。
「で・・・人選であるが任意といたす。」
室内は目を輝かせる者、キョロキョロする者、俯く者多様であった。
「参加したい者は今月末までに俺に言え、解らんことはあるか」
「はい、よろしいでしょうか」
蒲生下野守定秀が発言を求めた。
「ん、いいぞ」
政興は発言を許可した。
定秀は一呼吸おいて質問した。
「付き添いは何人でしょうか」
「もちろん、ゼロであるが参加する者は俺に言うこと、参加者一人一人全員に身分証明書を発行するためである為1週間前まで受け付ける」
「あっそうだ、5歳以上の子供も可能であるし、業種は問わないが、
城主が連れてきて報告し業務が怠らないようにする事慣用である」
政興は思い出したように付け加えたのだった。
そして、3週間が経った。
参加者は続々と二ノ丸に集まってきた。吉伸は本丸からその様子を眺めている。
中は見えないが入り口の門はよく見える。受付をすませ証明書を服につけている人々が、そんな中 あり得ない顔が目に飛び込んだ。吉伸は慌てて駆けていく。
「上様!」
吉伸は目の前の青年に想わず声掛けた。
吉伸の掛け声で周囲の者共は驚き即座に片膝を尽き平伏するが、後ろの数人はそのまま立ち止まっている。その青年は第13代征夷大将軍足利従三位参議義輝公であった。
「何故、お越しなりましたか?」
「太郎よ、まさかこんな面白そうな事予を除け者にする気ではあるまいな」
義輝は微笑みながら問う。
「まさかそのような事ありません」
吉伸は従者である藤孝を睨み付けると顔を反らし余所を見た。
確信犯であると踏んだ吉伸は、
「義兄上まずは本丸へ」
吉伸は上様を本丸の応接間に通すと茶を用意させた。
「まずは上様」
「ん」
何事か解らぬ義輝は問い返した。
「松平の事、織田の事ありがとうございました」
「余でできる事なら何で言うがいい」
「はっ」
吉伸は礼を言い顔を上げるとき従者の腕に目を向けた。
まさかと思い念話を飛ばすと、
「さて、後ろの方々はお初にござったな、それがし木下近江守吉伸と申すして貴殿は」
「はっ、お初にお目にかかる、わたくし管領の畠山摂津大夫吉興です。そして隣が妻の」
「畠山左衛門督政長が娘、奈津と申します」
「それがし 管領代の民部少輔吉晴です お見知りおきのほどを、で後ろにいるが」
「妻の赤松下野守政秀が娘、お悠と申しますこの子が息子の新太郎吉光です」
吉伸は名を聴くと 疑問を投げ掛けた。
「摂津大夫殿その腕の時計を見せて頂きたいのがよろしいですかな?」
吉興は一目見て時計と見抜いた吉伸を吃驚しながらもどうせ外せないだろうと思い
義輝を信じて腕ごと差し出した。
すると、吉伸は簡単に外して
「おおーこれは凄いブランドもんだ」
とつぶやき裏を見たとたんに、吉興を見つめてる。
裏には " HIROTAROU " と掘られていた。
吉「・・・まさかなぁ そんな事あるわけないわなぁ 」
白「どうした。深刻な表情して」
吉「何でもない」
白「清美、よろしく」
清美「次回 いざ川中島へ・・・② お楽しみに」