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同盟か臣下か?⑥

信長の決断はいかに


時越えはじまります

広間に座り込んで半刻、ぞろぞろと入って来るなり皆は驚いた。

殿が座り睨んでいる。と判断した勝家は、持ち前の大声を発した。


「何、とろとろしておるか!! 急げー殿がお待ちだー」


それを聴いた家臣達は急いで広間に駆け込んだ。


「そろったようじゃの」

「はっ」


一斉に頭を下げる。


「まず、皆の意見はどうじゃ」


見渡す信長であるが、返事がない。つまり進展がなかった事になる。


「言ったであろうが、」


信長は鼻で笑うと、


「もうよい、当てにしたわしがたわけであったわ」


「皆に申し渡す」


信長は一呼吸置くと再び見渡し、


「我が織田家は大政所様に従うつもりはない」

「では捕らえましょうか」


織田家臣団中の血の気が多い勝家が意を汲み取った、

つもりになって訪ねたのであったが、


「権六、話を折るなよ」


信長は笑いながら言う、


「しかし敵対もしない」

「さればどのようにされますか」


織田信張は尋ねた。


「同盟する」


家臣はお互い見合わせ首かしげた。


「なぜ捕らえぬ、今なら勝てるに」


勝家は呟いた。


「解らんか、良いか同盟なら受ける駄目なら許可が下りないだけ、

しかし捕らえたら反逆となろう、何せ大政所様の長女が公方様の奥方である。

解るか、捕らえた時点で公方様の敵になる。

そうなると日の本の大名家がわしの敵となる。

それで織田家が保てるか、」

「しかしすべてが公方様の味方になるとは限りませぬ」


森可成は冷静に話した。


「ほう三左衛門は主戦派か、ならば約50万の兵相手にどう戦う、将軍家の意で管領が動くやも知れんし動かんかも知れん。されどな 確実に動く大名がいる小山家だ」


小山家と言う言葉に一益が反応した。


「小山家といいますと・・もしかして伊賀のですか」

「ほう、彦右衛門は知っておるか」

「はい、今は味方になっておくが得策かと」

「話せ」

「はっ、されば、あれは10年前の話ですが、甲賀にいきなりやってきて統治した者の名が小山虎政といいます」

「その虎政殿ですが今回来ています」


長秀の言葉に城内ざわめいた。


「小山などどうでもいい、吉伸に関すること話せ」


信長は恫喝すると騒がしくなった城内が一瞬にして静けさを保った。

そんなおり城内に小柄な男が入ってきた。


「遅くなりました」


入って来るなり部屋の隅で平伏した男こそ木下藤吉郎である。


「申せ」

「はっ、吉伸は某と同じ木下でありますが、婿養子であることが判明、

本城である伊賀には、5層の天守閣の本丸、内堀外堀大外堀があり、周囲6里

現在、月星紋の軍旗及び白旗が翻っているのこ事他多数総兵6万強」

「何、白旗だと」


驚いたのは白の軍旗があるという事である。足利将軍家によって使用禁止となっている源氏の旗でお蔵入りとなった旗。使用できるのは正当なる源氏の証、

信長は呻った。信長自身平家を名乗っているからである

しかし、不敵に笑うと


「猿、もう良い、兄上正使、五郎左副使、太郎左右衛門副使、行け」


それだけ言うと信長は奥へと向かった。



返答する為、信広と長秀と信張は大政所のいる宿舎にいる。


「大政所様、長らくお待たせしました」


信広は代表して話し始めた。


「まずは、その話には乗れない事ご報告致します」

「さよか」


落胆する大政所であったが横にいる吉伸はにこにこしている。


「されど敵対するつもりはなく、当家と致しましては出来れば不可侵条約を結びたいと存じます。如何なもんでしょうか」


話を聴いていた吉伸は、


「お役目大儀」


そう言うと立ち上がり信広の前に座ると、


「そうか敵対はせんか残念だな、こっちは攻め込む準備は出来てるというのに」


吉伸はここに来る前美濃の国境近くにある上平寺に兵1万佐和山に兵1万、

さらに観音寺に兵3万北伊勢の亀山に兵2万待機させていた。

正に攻め込む準備である。

信広達は秀吉の報告に6万の兵と聴いていたので、震え上がっていたが、

吉伸の実質総兵は十万以上可能なのである。


「されど義母の戯れに家臣になると言っていても攻めるつもりでいたがな」


吉伸は笑ってはいるが織田家にとっては生死の境目であったのかも知れない。

信広達は冷や汗を流せながら次の言葉待った。


「北政所様」


そう言うと信広達の後ろから一人の女性が入ってきた現関白の近衛前久の妻である

北政所は吉伸の横に行くと、


「織田上総介信長に申し渡す」


北政所は信広達の平伏を見届けると、


「貴殿を従五位上尾張守に任命する。  左大臣西園寺公朝   受け取るが良い」


親書を信広に渡すと、

さらに足利義輝の妻・公子が出てくると、


「夫・義輝から伝言です。織田尾張守信長を美濃守護を命ずる お励みなされ」


二人の婦人は大政所の後ろに座った。


「有難き幸せ、」


平伏する三人に吉伸は追い打ちをかける。


「そうそう、南の三河の家康は予の家臣となったと信長に伝えよ、それから数人余自ら鍛える。よって寄こせと申せ良いな」


信広は頭を抱え込むと


「応せのままに」


再び平伏した。


「我らは帰るとするか」


※ シューン



信広らが顔上げたとき、彼らは居なかった。

夢と思いし手元を見ると親書が残されていた。





次回は 何処の話か? 「親父が見つかった」  お楽しみに(*´∇`)ノ


 

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