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管領VS長慶③

長慶の追い込み部隊が決定し、その総大将になった裕次郎、その裕次郎の作戦とは?


時を越えた武将 第19話 「管領VS長慶③」 始まります

☆ 長慶本陣


「よくまぁ集めたもんじゃのぅ」

「はっ、まったくでありますなぁ」


鎌田兵衛光久が長慶に寄り添い外を眺めている。

伊沢大和守が問いかけた。


「どうしたもんかな」

「大和守、細川どもをお連れせよ」

「はっ」


伊沢は陣幕から出て行った。


「殿、連れて参りました」

「うむ」


「右京大夫殿、六郎慶元殿、打開策はありますかな」


長慶は無い事承知で聞いてみたのだが、案の定首を振るだけであった。


「申し上げます」


北側を警備していた長が入ってきた。


「たった今、矢文が投函されました」


長は光久に渡すと持ち場に戻り、光久は長慶に渡した。

其処には、長慶の首と引き替えに全員助けると書いてあった。


「何だと!!」


長慶は文を投げ捨てると、


「修理大夫殿の首で皆助かるのだよ、強情だね」


長慶達は声の主を見た。


「そなた何者!!」

「皆さん、お座りくだされ、殺るつもりならもうとっくに殺ってるよ」


長慶の問いに平然と答える武将は、徳利を置くと、


「修理大夫殿と話がしたいだけだよ、皆も座れば」


長慶は、その場にいる者を制し自ら武将の前に胡座を掻いた。 


「そなたは何者」

「拙者、管領代の畠山裕次郎吉晴と申す」

「誰の許しを得て管領代と名乗って居る?」


長慶は疑問を直球で帰した。

彼自身が管領の細川右京大夫氏綱を傀儡し管領代に就任しているからである。

しかし一ヶ月前には将軍義輝により解任されていたのだが、本人は知らぬままであった。


「はっ、拙者管領より任命されました」

「ワシは任命などして居らぬぞ」


氏綱は怒鳴った。


「貴殿が右京大夫殿か、貴殿は管領職には任命されておりませぬ。自称で言われても意味ありませんよ、  ね 修理大夫殿」


吉晴は長慶に話を投げたが、長慶は口を噤んだ。

そう、将軍義輝公は任命していない。長慶はそう思った。


「それから管領であった晴元殿は六郎殿の廃嫡を決め総本家の跡目に細川掃部頭真之に指定されました」

「なれば、管領は掃部頭がなってるという事か?」


長慶は身を乗り出して聞いた。

晴元の嫡男は吉晴の話を聞き落ち込んでいた。

六郎慶元は廃嫡された事がショックだった。


「いいえ、現管領は畠山家当主」

「紀伊守高政か」


長慶は高政の名前を出した。


「いいえ、外れ。我が父で摂津守吉興と申す」


長慶は空になった杯を吉晴の前に出した。

吉晴は酒を注ぐと、長慶は一気に飲み干した。

再び、吉晴は酒を注いだ。


「聞いた事がないが、何処の城主じゃ、」

「摂津は大坂館」

「ほう、大坂のう、此度の作戦は、そなたの父が立てたのか?」

「そうだよ」


吉晴も杯を空にした。


「裕次郎殿も一献」


長慶は吉晴の持つ杯に酒を注いだ。


「見事な知恵者じゃな感服しましたぞ」

「我が父は言っていたよ、修理大夫殿は政は良くても戦略の詰めが甘いと」

「はっはっは、 これまた手厳しいのぅ」

「しかし、父はこうも言っていた。修理大夫殿だから三好家を大きくできたと、それに、もし前管領殿を追い出さず、手を握っていたら、ワシは手が出せんかったと」

「そうか」


長慶は自分の過去を思い出しながら、吉晴の言葉を聞いていた。


「しかし見事だった。そなたの父にはもう日の本には敵はいないだろう」

「いいえ、甲斐の武田晴信、越後の長尾景虎、安芸の毛利元就、土佐の長宗我部元親、三河の松平元康、そして最も脅威になるのが尾張の織田信長と言っていた」


吉晴は一呼吸おいて続けた。


「今の内に織田家を潰すか、もしくは傘下に入れたいと」

「何故に?」

「さぁ、解りませぬが、ところで修理大夫殿」

「何じゃ」

「太郎吉伸って名前、聞いた事あるか?」


吉晴は政界に脈がある長慶に聞いてみた。


「知らぬが何故じゃ?」

「父が言うには、絶対勝て無い相手だとか」

「ほう知恵者である。そなたの父が戦う前から勝てぬと」


長慶は驚いた。

この様な大規模な戦略を立てる者が戦う前から勝ちを諦めている事である。


「さて、修理大夫殿、今後の三好家だが、誰か推薦は在るか? 父は十河孫六郎重好に継がせたがっているが。 」

「では、十河家は誰に?」

「重好の弟・存親に、  それと」


吉晴は懐から一通の紙を長慶に渡した。


「これは」

「豊前守殿の辞世の句だよ」


その紙には、

【草枯らす 霜又今朝の 日に消えて 因果はここに 廻りに来にけり】


と書かれていた。


「ありがとう」


長慶は涙を流して、そう言うと続けて、


「友として介錯をしてくれぬか」

「あい解った。まずは髷をもらうぞ」


吉晴は長慶の後ろへ回り髷を切った。 

長慶の髪はバサリと垂れ下がった。

白 「さて、皆さん方にお願いがあります。

天下統一に向け全国展開になりますが、今後 活躍させて欲しい武将がありましたら、


活躍させたい武将、何年頃何処の大名家になってたか、そして主人公の吉信とどのような関係にさせたいか を書いてください


例、原 胤栄・1590年、千葉家家臣、 敵対→家臣


応募お待ちしてます。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


「質問、感想お待ちしています(*・ω・)*_ _)ペコリ」



次回 「管領VS長慶 その後」お楽しみに  


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