管領登場
三好長慶の次弟の三好義賢の死去により、長慶はどうするのか?
又、管領とは誰なのか?
時を越えた武将 第16話 「管領登場」始まります
義賢軍全滅と義賢没すの報告は1刻後には長慶の元へ届けられた。
長慶は高屋城を攻めた事を後悔していた。
5人兄弟のうち3人討死している。
長慶が頼りにしている兄弟が今はもう居ない。
落胆している長慶の元にさらに追い討ちをかける事が伝わってくる。
「申し上げます。一大事で御座います・・・・」
「如何致した」
長慶は使者を見た。
すると、涙一杯浮かべていた。
「何があった!!」
長慶は芥川山城からだという事はすぐに解った。
彼は嫡男義興の小姓だからだ。
「芥川山城で何があった!!」
小姓は、落ち着きを取り戻すとゆっくりと話し出す。
「芥川山城が畠山家及び細川家によって落ちまして御座います。
それにより若様が討死」
「討ち死だと!!畠山家だと、報告だと畠山家は河内と和泉に居るはずだぞ!! それに細川家は此処にいるぞ 」
長慶の隣には細川晴元の嫡男六郎が居る。目の前には、右京大夫氏綱もいる。
他に、居るのか?
長慶は思考した。
「馬印または旗が何か解るか?それと兵力は?」
「はい、」
「一つは白地に九曜紋の旗に松毬菱の四方旗、
もう一つは白地に丸二引両の旗と青地に白の沢だか紋に金笠の馬標、
その中に木瓜、揚羽蝶、総兵力は6万2千」
「松毬菱の四方旗だと!あっそうか、兵部大輔がいた。
と言う事は、黒幕は将軍家か?」
「解りません」
小姓は答えた。
「摂津勢がいたか」
「御意」
「それと畠山家って、金笠って誰だ」
「まぁよいわ、我が敵になるなら、我が刀の錆としてくれるわ」
そう言ったけれど、本命となる敵が解らない、勢力すら解らない長慶は、なすすべ無く日は暮れていく、もし一連の戦いが繋がっているとしたら弾正以上の策略家が居るという事になる。
しかし長慶には検討むなしく解らないでいる。
彼の知る人物で該当する者がいないのだ。
その日の朝の将軍家では、畠山吉興が義輝に拝謁していた。
「吉興殿首尾は」
「はっ、整えておりまする。
これもわたくしに管領として許可頂いた上様の御威光の賜物かと」
将軍・義輝に対座している吉興は義輝をヨイショする事を忘れなかった。
「それでは上様、謀反人の首を挙げて御覧にいれます」
「うむ、では帰ってきて早々では有るが兵部、管領の指揮下にておこなってくれ」
「御意、すでに我が軍も現地に居りまする」
「上様吉報をお待ちくだされ、失礼致しまする」
管領である畠山摂津守吉興は細川兵部を連れて、本陣である入江左近将監元秀の居城高槻城に船で向かって行った。
吉伸「吉興とは誰だ」
白 「内緒♪」
吉伸「仕方ないな」
白 「理解してくれて助かるよ」
吉伸「次回、『管領VS長慶』お楽しみに♪」