将軍館2
足利義輝でござる
未来の国の服貰ったのは良いが、着方が難しいでござるな。
時を越えた武将
第12話「将軍館2」始まります
「竹刀稽古ですか」
素振り稽古をしている義輝と藤孝に大政所が声かけた。
義輝らは振り返ると、大政所と慶寿院が戻ってきていた。
「座るか」
「はっ」
皆で座った。
大政所は、シルク100%のネイビーブルーの袖のないドレスの上に ライトグレーのカーディガンを羽織り、サイドについた大きめリボンの附いたクロッシェを被り、チェーンを何連にも重ねたデザインが美しいネックレスをしていた。
慶寿院は、ハイゲージ編みのニットワンピースで、ドルマンスリーブのふんわりとした、トップスとタイトなスカート見たいになっている。
「大政所様に母上、よく似合ってますよ」
義輝は感心しながら見ていた。
すると、
「早く早く」
北政所が手を襖の陰に伸ばして、誰かを連れてこようとしているが、逆に引き込まれそうになって、スカートの裾がヒラヒラと揺れ動いてる。
北政所は、紺のプリーツスカートを履き、白のブラウスに紺のテーラードジャケットを着ていたのだ。
「公子、こちらにいらっしゃい」
驚いたのは、来ているとは思わなかった義輝である。
公子と呼ばれた女性は、大政所の次女で義輝の妻17歳である。
大政所に呼ばれた、公子は渋々襖の陰から出てきた。
スリップセクシーランジェリーのベビードール・レース を着ていた公子は、
入った所でしゃがみ込み、蜘蛛みたいに這い蹲った。
そうでもしないと、生地が半透明の為、すべてをさらけ出してしまう服装である。
「公子さん、早く此処にいらっしゃい」
と床を叩く慶寿院であった。当然下着だいう事は彼女達は知らない。
「こんにちは」
そこへ、2人の少女が現れて、挨拶をしていた。
周囲の注目を浴びた少女は、吉伸の第2夫人の和美であり、第3夫人の清美であった。
清美は後ろに公子が居るのを気付いて、声をかけようかと思たががやめて、
「暫し、失礼致します」
そうに言うと、2人公子の方へ行き抱きかかえ奥へと消えていった。
暫くすると、2人が戻ってきた。
公子は、ブルーの コットン・スパンデックスに カーディガンを羽織り戻ってきた。
「失礼しました。
上様、お初にお目にかけます。
木下近江守吉伸が第二夫人・和美と申しますお見知りおきの程を」
「くるしゅうない、面を上げよ」
「はい」
「その方か、未来という国から来たというのは?」
「はい」
「義輝、私もだよ
もう私42年生きているんだよ」
突然「私も」と言う清美に驚いてる大政所達である。大政所や北政所にとって
1ヶ月前に行ってきますと言って出かけた清美、そのとき24歳の娘・義妹が伊賀で逢い15歳の姿になって帰ってきたので驚いたが、年上になってるとは思っても見なかった。
清美は話を続けた。
「私にとって母は母であり、義姉上は義姉上ですよ、見てくださいこれを」
と言って見せたのは、4枚の卒業証書と資格証明書である
「こっちでは、意味無い事だろうけど私、頑張ったんだよ」
「清美はみんなの人気者だったんですよ」
和美は付け足す
大政所は、娘の心優しき一途さを思いながら頷いていた。
「甚平姿の上様、かっこいいですね」
「藤孝殿もいけてますよ」
和美の言葉に清美が付け足す。
「よくお似合いですよ、大政所様、慶寿院様、北政所様、公子様」
和美は4人の方を見てにっこり笑った。
「そなたらの服は?」
「中学時代の制服です」
そういって2人は、立ち上がりスケート選手みたいに、
2回転して左足を後方に下げスカート裾を掴み少し持ち上げて御辞儀をした。
息の合った行動に義輝は拍手をした。周りからも連鎖反応的に拍手が揚がっていた。
和美と清美は制服を纏って舞ったのである。
そして再び座った。
和美と清美は未来の国の話を楽しげに話し、
義輝は役に立つ事は出来ぬ物かと真剣に聞いていた。
夜になったので和美と清美は伊賀に帰っていった。
吉「・・・」
白 いいぞ、いいぞ そのまま、そのまま
吉「なぁ、俺の出番は、いつ」
白「しらん」
吉「頼むから出番くれ」
白「まぁ少しなら」
白「次回、『河内の攻防』お楽しみに」