将軍館
細川兵部です。
ようやく上様の所に帰ってきました。
時を超えた武将
第11話「将軍館」始まります
足利義輝が昨年、東西は烏丸通りと室町通りの間で、南北は椹木通りと中立売通りの間にて、斯波武衛家邸宅跡を含める土地に、二条御所を造営した。
美鈴達は、その本丸御殿の一室にいた。
「これからも予の為に力貸してくれ、そしてまた頼るが良いぞ、それからたまには顔を出せ、と伝えてくれぬか」
「はい、主・吉伸に伝えまする。
では、失礼します」
「うむ」
美鈴は退室し 伊賀に帰って行った。
「さて、義弟の事どうであった」
義輝はみんなに問いた。
「良き男じゃったのう、もう少し若ければものにしたかもしれんのう」
「そうじゃのう」
大政所の慶子と北政所はお互いに見つめ合う。
「義輝には適いませんよ、ほっほっほっ」
慶寿院は扇子を口元に当て自分息子を褒め称えた。
「頼りがいのある男でしたが、敵にしてはいけない御仁でした
ただ・少し危険な感じも見受けられました」
細川兵部は答えた。
「それはともかく、料理が美味で御座りました。あっそれといろいろ新しき物いろいろ御座りました。
あの者達は見た事無い衣装を纏い、不思議な感じでした」
「そうそう・妾達もドレスという物着ましたぞ、婿殿にも見てほしかったのう」
大政所も負けじと発言する。
「義母上、有りますよ」
みんな一斉に北政所を注目するが、それらしき物は持っていない。
「服を持てい」
北政所が後方に向かって叫ぶと、襖が開きドレスの入った袋3つともう7つの袋を5人の小姓が入ってきて置いていった。
北政所は中身を見ながら、それぞれ2袋ずつみんなの前に置いていった。
この袋は木下俊定夫妻が用意した物で、北政所に託していたのであった。
「それがしも有るのですか」
藤孝は驚いたが内心では飛び上がらん程喜んでいる。
彼は衣装見たときから欲しくてたまらなかった。
「妾らは着に行こうかのう」
「そうですわね母上」
慶寿院はにっこり笑い大政所の後について行く
それに従い北政所もついて行った。
「兵部共に着てみようぞ」
「はっ」
義輝と藤孝は一つ目の袋を開けてみた。
そこには、ツータックパンツ2本、カッターシャツ3枚、ネクタイが2本、紺のブレザー1着、縦長ビジネスシューズ1足、ベルトが1本、シャツ3枚、靴下3足が二人おそろいで入っていた。
二つ目をあけてみると、柄突きTシャツ3枚、靴下3足、スニーカー2足、ポロシャツ3枚、ベルト2本、デニムパンツ2本、トラックジャケット1枚、家紋入り甚平2着が
色又は柄違いで入っていた。
1つ目の袋は着方が書いてあったが、解らないので袋にしまった。
で、二つ目を着る事にしたが、説明書読んでみると、いろいろコーディネートが出来るらしい。
藤孝は、ポロシャツ着てデニムパンツを履きトラックジャケットを羽織った。
義輝は、めんどくなったのか甚平を着た。
「これは涼しいぞ」
「それがしのは、動きやすいです」
義輝と藤孝は自分が着ている服の感想を述べていた。
藤孝に至っては、腕をグルグル回しながら話してる。
「ならば」
身が軽くなった二人は竹刀を持ち、素振り稽古をする。
白「いつもよりさらに短くなってしまいました」
義輝「土産話は?」
白「ありませぬ」
義輝「さよか、ならば」
刀を鞘から抜くとその刀を眺め
義輝「切れ味を」
※ シューン
義輝「うむ、聞きしに勝る逃げ足じゃのぅ」
白「お褒めに預かり有り難き幸せ」
義輝「誉めておらん」
刀を上から振り下ろす
白「生きてる(^ω^;)」
寸止めにした義輝がそれを見て、
義輝「そなたに、朝嵐号を与える」
白「はっ」
義輝「次回『将軍館2』お楽しみに」




