「キミが好き……って言えたらな」
衝動書きした短編です
静かに鳴り響く音楽に、ほのかに香る珈琲の匂いが雨音ともに、ボクとキミの会話を包み込む。
「やっぱりキミといると楽しいなぁ」
ケラケラと笑って言うボクは目の前にいる好きな人に笑いかける。……でも、キミは唇を噛み締めてはどこか虚ろな目をして笑って言う。
「……そうかな、こんな捻くれ者なのに?」
キミはまた鼻で笑うみたいにどこか遠くを見つめ、キミを見つめるボクに瞳をふいに見たが、すぐに逸らしてしまう。そんなキミの様子は、昔よりも自信をなくしてしまったみたいだった……。だからボクはキミに何度でも伝える
「ボクはキミだから一緒にいるんだよ?キミがキミじゃなきゃ一緒にいないから」
強く聞こえてしまっただろう……君の淡い瞳がゆらりと揺れたのにボクは気づくも抱きしめたいって思ってしまうが、今のボクにはその権利はない。
ーーもういっそ、伝えてしまいたい。
胸の奥に長く募るわだかまり、この「好き」の二文字をキミに伝えられたら……キミはどう思うかな。……きっとキミ罪悪感でいっぱいになりながらボクを振るんだろうな。
ふっと誤魔化すよう笑い、そんなこと思いながら、ボクはゆらりと揺れる苦い珈琲を一口の「好き」の想いと一緒にごくりと飲み干した。




