005
私達は家族に挨拶をしてから自室に戻り、侍女たちに楽な格好に着替えさせてもらうと下がってもらった。
「さて、次はやっぱり聖獣くんたちだよね!」
「そうだね、でもどうやったら生まれてくれるんだろう?」
「うーん……どうやるんだろう?」
「あっ、そういえば神眼? ていうのスキルがあったじゃん! それって多分鑑定スキルの最上位でしょ! まずは確認しよう!」
「確かに、ステータスオープン!」
【リュシアン・ベネディクト】 (5)
種族:人族
Lv1 HP:1500/1500 MP:2000/2000
スキル
四大魔法 Lv1
空間魔法Lv1
光魔法Lv1
闇魔法Lv1
治癒魔法Lv1
総合武器Lv1
総合格闘技Lv1
隠蔽Lv1
魔力操作Lv1
召喚魔法
無限倉庫
神眼
完全無詠唱
聖獣???
称号
双生神の愛し子 聖獣の主人 双子の兄
「うーん、少しわからないのもあるけどとりあえず時間がないから神眼だけ見ていこうかな。多分スキル名を押せば、説明文出てくるでしょ!」
【神眼】
鑑定の最上位スキル。神の目のようになんでも見通すことができ、隠蔽されているものでも見る事ができる。
このスキルの説明も鑑定スキルがあれば見る事ができるが、なければ見る事はできない。
自然の中にいる精霊も見える事があるため、他のものには見えないものが見えることもある。
人の善悪を色で判別する事ができ、白が善人、黒が悪人、灰色は小悪人に分けられる。
「へぇ、めちゃいいスキルじゃん! やったね!」
「じゃあ聖獣の卵の状態も見ようよ!」
「《神眼》!」
【聖獣の卵】
状態:良好
魔力は十分に足りているため、最後の仕上げとして手で触れて「生まれてきておくれ」といえば生まれてくれる。
「すごく簡単じゃん!」
「早速やろうよ!」
リュシアンとオレリアンは自分達の卵に手を添え言葉を紡いだ。
部屋が一瞬間眩しい光に包まれ、卵が音を立てながら割れる。
「「すっごーーい!!」」
「レン、私のは白い子虎だよ! めちゃめちゃかわいい!」
「リン、僕のは白い子犬だ! めちゃめちゃかわいい!」
私達は同時に叫んだあと、互いに聖獣を抱き上げ見せ合った。聖獣は大人しく抱き上げられ、少し困った顔をしていた。
「早速、見てみようかな?」
「そうだね」
「「《神眼》!」」
【名前???】
種族:白虎(幼体)
Lv1 HP:2000/2000 MP:3000/3000
スキル
風魔法 Lv5
火魔法 Lv5
聖魔法 Lv5
空間魔法 Lv5
魔力操作Lv5
状態異常無効
隠蔽
称号
リュシアンの聖獣 神獣 双生神の加護
【名前???】
種族間:白狼(幼体)
Lv1 HP:2000/2000 MP:3000/3000
スキル
水魔法 Lv5
風魔法 Lv5
聖魔法 Lv5
空間魔法 Lv5
魔力操作Lv5
状態異常無効
隠蔽
称号
オレリアンの聖獣 神獣 双生神の加護
「あるじー名前が欲しいな」
「我も名前が欲しい」
白虎と白狼が話しかけてきて驚いた。
「君ら話せるの?」
「うん、話せるよー」
「神界に住んでいたから、魔法とかも少し使えるんだよ!」
「そうなんだね!」
「名前……ね。じゃあ君の名前は"キース"でどうかな?」
「じゃあ君は、“ルキ”でどうかな? というか君、白狼だったんだね!」
「うん、いい名前! 僕は今日からキース!」
「私は今日からルキだ! 今は子犬のように見えるが、ちゃんと狼に成長するぞ!」
白虎の名前が”キース“で、白狼の名前が”ルキ“になった瞬間だった。2匹はとても喜び、尻尾を振っている。それを見た2人はかわいいなぁと思いながらお披露目パーティの支度が始まるまで仲良く遊んだ。
◇
しばらくするとノックする音が部屋に響き渡る。
「失礼いたします。そろそろパーティのお支度をさせていただきます」
「「はーい、ちょっと待っててねー」」
「キース達はどうする?」
「おとう様たちに紹介しなきゃだよね」
「じゃあ今は一旦隠れててもらう?」
「そうしようか……。キース達はどこかに隠れることできる?」
「僕らは2人の影に入っていつでも側にいる事ができるよ! あと、念話で4人で話すこともできるよ! 他の人は絶対入ってこれないの!」
「私達は君たちの聖獣だからな、2人の側を離れることは今は難しい……。それか姿が他の奴らには見えないようにすることは可能だが、余程魔力が高くなくては見えないが、ごく稀に見えてしまう可能性があるがどうする?」
「うーん……。どうしよっか?」
「パーティーの時は影に入ってもらうほうがいいけど、今は姿が見えないようにしてもらえればいいかな?」
「そうする?」
「そうしよっか!」
「じゃあキースとルキは姿が見えないようにしてくれる?」
「「わかった!」」
「入っていいよー」
「失礼いたします」
「それでは準備の方を進めさせていただきます」
◇
「お支度が整いました。こちらの姿見でご確認願います」
「「うん、わかった!」」
姿見に映るリュシアンの髪の毛は、藤色のリボンで頭上でひとつ結びされている。服は白と藤色を主に使用したもので、差し色として金色が入っている肋骨服。パンツは膝より上の白いハーフパンツに肋骨服の上からベルトがされている。
靴は至極色のロングブーツで肩にはキラキラと光る、ブーツと同じ至極色を使ったマントがあった。装飾品もいっぱいついており、これまた豪華な衣装だった。
オレリアンの髪の毛は朝と同じように後ろで結ばれており、藤紫色のリボンでひとつに結ばれていた。服はリュシアンと色違いの服で藤色の部分が藤紫色になった肋骨服だった。
「私達王子様みたいだね!」
「いや僕たち本物の王子様だからね?」
「いや、そうなんだけどね~」
双子の微笑ましい姿を見ていた侍女達は、とても可愛い! 天使……天使達がいる! と悶えていた。
「リュシアン殿下、オレリアン殿下お二方とも着心地はいかがでしょうか?」
「うん、かっこよくしてくれてありがとう!」
「僕からも、ありがとう!」
「それでは国王様達の元へご案内いたします」
「「ありがとう、よろしくね!」」
侍女がドアをノックし言葉をかける。
「失礼いたします。リュシアン殿下とオレリアン殿下をお連れいたしました」
「入っていいぞ」
「「失礼します!」」
「おとう様こちらの服はいかがでしょうか?」
「おかあ様もこの衣装、僕達に似合ってますか?」
2人は朝にも同じことをしたが、くるっと回ってポーズを決めた。
「リュシアンもオレリアンも朝とはまた違った雰囲気でとてもかっこよくなったわよ!」
「む、胸が痛い……。可愛過ぎて困る……」
「2人ともとてもよく似合ってるぞ!」
「天使、私の弟達が天使過ぎてつらい……」
上からお母様、崩れ落ちたお父様、お姉様、天を仰ぐお兄様の順番で感想を伝えられた。
「あっ、そういえば私達の聖獣が生まれたんです!」
「さっき僕らが休憩してた時に生まれて、一緒に遊んでました!」
「えっ! そうなの!? 見せてもらってもいい?」
「聞いてみるね!」
(ねぇ、キースとルキ! 姿を見せることはできる!)
(僕は大丈夫だよ!)
(私も大丈夫だ)
(じゃあ2人とも、姿が見えるようにしてもらっても良い?)
(わかった!)
(よかろう)
「今から姿を見せてくれるそうです!」
2匹の姿はみんなの目に映ったようで、驚いていたが紹介をした。
「この子虎は白虎っていう種族らしいですよ! 名前はねキースって言います!」
「僕はキースだよ! リュシアンの家族だよね? これからよろしくね!」
「それで、こっちの子犬が白狼っていう種族です! 名前はルキって言います!」
「私はルキだ。オレリアンの家族だな? これから世話になる」
「こちらこそよろしくお願いいたします、聖獣様」
お父様が聖獣達に頭を下げた。
「僕のことはキースって呼んで欲しいな!」
「私のこともルキと呼んで欲しい」
「それではキース様とルキ様と呼ばせていただきます」
「うん、よろしく!」
「よろしく頼む」
お父様達の話し合いが終わり、そろそろパーティ会場に向かう。もちろんキースとルキは影に入ってもらうよ!




