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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第1章 幼少期編

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003

 誕生してから5年の月日が流れた。

 双子は家族から大事に育てられ、すくすくと育つ。

 これは双子が5歳になった日から始まる物語――――




「おはようございます。リュシアン殿下、オレリアン殿下」

「「うん、おはよう………」」


 目を擦りながら起きた双子はとても可愛らしく侍女たちは胸を撃ち抜かれた気がした。


「本日は両殿下の御生誕祭となりますのでお支度の方をさせていただきます」

「「うん、わかった……」」


 双子はまだ眠そうなので、もう少し寝かせてあげたい気持ちが芽生えてくるが支度を進めていく。


 支度が終わり、家族のもとへ行くために執事長のセバスに案内されながら、2人で手を繋ぐ双子達。それを見守る使用人達はその光景に癒されていた……。


 今日も双子がとても愛らしい。白銀色(プラチナシルバー)の髪が光輝いていて、瞳が金色(ゴールデンベリル)とキラキラしているため神秘的な光景を作り出していた。今はまだ幼いため可愛いで済むが、後何年かすればとても絵になる光景だなぁと、とある使用人は思った……。




 食堂に到着し、前を歩いていたセバスがドアをノックしてから声をかける。


「失礼いたします。リュシアン殿下とオレリアン殿下をお連れいたしました」

「入っていいぞ」


「「おはようございます。おとう様、おかう、様、おにい様、おねえ様!」」

「「「2人ともおはよう、そしてお誕生日おめでとう!」」」

「「ありがとうございます!!」」


 笑顔を見せた双子の可愛さに家族全員がやられ、悶えていた。

 その後、みんなで朝食を食べているとアルフォンソが今日の流れについて説明していく。


「2人とも今日は主役だからな! 今日は民達にもお披露目するし無理しないように、少しずつ休むんだぞ!?」


「「はい、おとう様」」


「それで、今日は朝食を食べたら大聖堂に行って神様達に挨拶し、自分たちのステータスを確認する。その後、民達にお披露目してから休憩して、夕方から貴族たちが集まるお披露目パーティーに顔を出して挨拶したら退出してお終い。こんな感じの流れになるけどセバスが案内してくれるから覚えなくてもいいぞ!」


「では食べ終わった事ですし、早速大聖堂に行きましょうか」


「「はい、おかあ様!」」

「みんなで行こうな」

「おにい様もおねえ様も一緒に行ってくれるの?」

「当たり前じゃないか、もちろん私も行くよ」

「そうだよ。リュシアンとオレリアンの一生に一度の行事だからね、行かないわけにはいかないよ」


 それぞれ言ってきたがリュシアンとオレリアンは家族全員で出かけるのが嬉しくてみんなで行こうなと言う父の言葉から先はあまり聞いていなかった……





 


 馬車に乗り王宮を出たら、少し走った先にある大聖堂にすぐに着いた。周りの景色はあまり見れなかったが外に出るだけでも双子はワクワクしていた。

 大聖堂に着き、馬車から降りたら民たちと目があった気がしたので双子は笑顔で手を振って"またねー"と言って中に入った。

 手を振られた民たちは一瞬間静まり返り、歓声を上げた。



「「「うおぉぉぉぉぉーーーー!! 天使達が舞い降りたぞ!!!」」」


「今俺に振ってくれたよな⁉︎」

「いや、私よ! あんなに可愛いなんて!! もう一度だけ見たいわ! いいえ、何度でも見たいわ!!」

「なぁに言ってんだよ!! 俺に振ってくれたにきまってるじゃねぇぇかぁぁ!!」

「ふざけんじゃねぇ! 俺だよ!!」

「あたいにきまってるでしょぉぉ!!」

 民たちは一目見ただけで虜にされてしまったのだ、あの可愛い双子の姿に……。


 この出来事は号外で民たちに配られ、本日のお披露目前までにはすでに王都全体に知られていた……。



 王家一行たちは大聖堂に入り、前には法衣を身につけた老人が立っていた。出迎えには司教ではなく教皇が出迎えたことに王や王妃達がびっくりし、双子は誰だかわかっていないので元気よく挨拶をした。


「「おはようございます! 今日はよろしくおねがいいたします!! 」」


「元気な挨拶をありがとうございます。お初にお目にかかります、私はクレールス・ウィルガーと申します。気軽にクレーおじいちゃんと呼んで下さい。本日は双生神様の愛し子様達にお見えでき、喜ばしき日でございます。ご案内は私がいたしますのでぜひ着いてきてください」


「「ありがとうございます! クレーおじいちゃん! 」」


 双子はそのまま教皇について行き、色々と教わっている。王達はなぜ教皇がここに⁉︎ あなた普段出てこないでしょ! 教皇国はどうした! と困った顔をしながらついて行った。


「着きましたよ、ここが祈りの間でございます。お二方ともごゆるりとお過ごしください。私や王達は隣の部屋にてお待ちいたします。終わりましたら隣の部屋へお入り下さい」


「「はい、わかりました!」」

「それでは失礼いたします」

「2人とも頑張るんだぞ!」


 双子以外の全員は隣の部屋へと移動し、中には双子だけになった。


「ねぇ、オレリアンお祈りしようか?」

「そうだね、じゃあ目を閉じて手を組もう」

「うん!」


(双生神様、この度五歳になりましたことをご報告します。これからの人生が豊かに健やかに暮らせますようにお祈りを捧げます)


 教わった言葉を心の中で紡いだら、明るい光に包まれた気がした――――



 目を開けると転生する前に来た青空が広がる花畑に来ていた。頭の中に少しずつ前世の記憶が入ってきて、リュシアンとオレリアンの主人格が前世の人物になる瞬間だった……。



「「二人ともお誕生日おめでとう」」

「え? ルナ様、ステラ様? 」

「あれ、俺たちもう転生しました? 」


「うん、バッチリしてるわよ!」

「今は記憶が曖昧だろうが今世の5年間の記憶は、現世に戻ったら定着するから心配するなよ」


「そうなんですね」

「でも、なんで5歳になったら記憶が戻ったんですか?」


「それは、私達が生まれた瞬間から記憶があっても困るかなと思って、5歳になったら学ぶこともできるしいいかな? って思ったの。だから今、記憶を思い出せるようにしたのよ」

「そうゆうことだから、これからは様々なことを学ぶといい。後、生まれた瞬間から魔法を使ってたら普通に体が魔力に耐えきらなくて爆発して死んでいたからな……」


「気を遣ってくれたんですね、ありがとうございます。でも、記憶がなくてよかったかも」

「……確かに、俺らなら即座に魔法の練習するだろうし、むしろ助かったな」

「……うん、改めてルナ様、ステラ様ありがとうございます!」


「いいのよ、私たちはあなた達が大好きになっちゃったからいつでも遊びにきてね!」

「俺らはいつでも待ってるからな」


「はい、そうします!


 ――そういえばステータスとかどうなっているんですか?」

「確かに!」


「それなら、ステータスオープンと心の中で唱えればいつでも見れる。人に見せたい時はそう願うんだな。この後、お前達はこの神界から元の場所に戻ったらスキルが使えるようになってるから、是非確認するといい」


「わかりました! 戻ったら確認してみますね!」

「それじゃあ、そろそろ時間かしら」

「あっという間の時間だったな……。また遊びにこいよ……」


「はい、また来ますね!」

「今日はありがとうございました! 今世の人生は目一杯好きなことをして生きますから、是非見守ってください!」

「じゃあまたね、楽しみにしているわよ」


 双子は手を振りながら優しい暖かな光に包まれ、祈りの間に戻ってきた。


 

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