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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第2章 学園編

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 私とレンは目を見合わせて頷いてから目を閉じる。次に目を開けた時には大木を避けるように発光する小さな玉がいくつも浮いており、私達の様子を伺っているようだ。


 すると大木の中から『助けて下さい』と、声が聞こえ全身が透けている人物が出てきた。

 背は130cmくらいで髪は短く耳は尖っている、少年のような子供だ。顔は中性的な見た目をしているのであろうが、半分近くが焼け爛れており服の隙間から見える肌も半分近くが同じ状態になっている。


『私は、この大木から生まれた聖霊です。しかし何者かがこの大木に魔道具を仕掛け、媒体となり呪いが発動してしまったのです‼︎ できる限り呪いが発動しないよう頑張っていたのですが、ついにできなくなってしまい魔物を呼び寄せ活性化させてしまいました』


「……どうすればいいですか?」

 

『……っ助けてくださるのですか⁉︎』


「はい、そのために此処まできたので……」

「僕達もこのままだと困るからね」


『ありがとうございます、ありがとうございます‼︎ それでは浄化魔法いいですか? 根元にかけて欲しいのですが……』


「私たちが知っているものは1つしかないんですけどそれでもいいですか?」


『低級なものでもお2人なら解けると思うので1度してみてもらってもいいですか?』


「はい。わかりました」

「じゃあいくよ、せーの‼︎」




「「慈悲深き光よ、天より降り注ぎ、苦しみを抱く魂を安らぎへと導き給え。


過去も未来も赦しのうちにあり、迷いも憎しみも今ここに融けゆくもの。この地を聖域とみなし、穢れなき始まりの光を下ろし給え。


我らが声は祈り、我らが祈りは道標。迷える者を安らぎの彼方へ還さん、救済の光よ、今ここに照らし給え――《天浄一閃カエルム・ピュリフィケーション》」」




 唱え終わったら大木が発光し、空から雪のような優しい光が降ってくる。根元はおどろおどろしいのが無くなり、むしろ神聖な気すら感じられ淡く発光しているように見える。


『…………やりすぎです。やってもらって言うのは間違いだとは思うんですけど言わせて下さい……


常識って知っていますか⁉︎ なんですか、これ‼︎ 聞いたことないんですけど、どこでこんなもの習得したんですか⁉︎ むしろこれしか知らないってあり得ないんですけど‼︎』


「……ちょっと聞いていいですか?」


『ちょっと待ってて下さい‼︎ 確認したいことがたくさんありますので‼︎』


「あ、はい」


『うわー、なんだこれ。力が漲ってくるんだけど……って、聖霊から神霊になっているんだけど! どうりで力が漲ってくると思ったんだよね。てことは、大木が…………世界樹になってるねー、どうしよう……。こうなったらこの森全体が聖域になっちゃうねぇ、此処ってどこの管轄になるんだろ……?』


「……あのー、もういいですか?」


『もう少し待って下さい‼︎』


「「…………」」


(いつまで待つんだ、これ?? 私達もう帰りたいんだけど……)

(うーん、いつまでだろうね……)



『じゃあ、リベラ様にご報告をしてベルギア侯爵家にもしておこうかな。一応この森の管理してたし……。後は森の中のものが勝手にとられないように結界を張って、大木も条件付きで見えるようにしておこうっと……よしっ!』


「……あのー」


『あっ、お待たせいたしました‼︎ この度はありがとうございました‼︎ 浄化魔法が強すぎな気もしたんですけど、無事に呪いが解けて姿も戻るどころか成長しました‼︎ 本当に一時期は消滅も覚悟していたんですがこうして残ることができました‼︎ しかし、お2人ともどうしてその魔法を知っていたんですか? 随分昔のもので今では使う人などいないと言うより使えないはずなんですけど……』


「……青龍から聞きました」

「僕ら、浄化魔法はあまり使わないんです」


『……せいりゅう、ですか? せいりゅう、セイリュウ、青龍⁉︎ ……あぁ、そうだったんですね。まだ生きていたんですかあの竜神様。それなら納得ですね、それでなんですけどお礼をしたいと思うんですけど……』


「あぁ、そんなの気にしなくてもいいですよ」

「僕らも浄化しなきゃ大変だったしね、それに困っていることとかもないし」


『さすが愛し子様達ですね‼︎ でも、それだと私の感謝の気持ちが伝えられません‼︎ 私の枝と、葉をあげます‼︎ 今は雫がないので無理なんですけど、いつでも此処に入れるようにしておくので、枝や葉、雫が必要になったら取りに来てください‼︎ お2人ならいつでも歓迎いたします‼︎ それと……基本の浄化魔法が使えるようにしておきますね‼︎』


「あ、なんかありがとうございます」

「まさか浄化魔法をこうも頻繁に使うとは……」


『よし、これでもう使えると思いますよ。そうそう、竜神様から教えてもらった浄化魔法は余程の時じゃないと使っちゃダメですよ! あれは最高位より上に位置する伝説級の魔法ですからね!』


「あ、はい。肝に銘じておきます」

「僕も、そうします。浄化魔法教えてくださりありがとうございました」


『いえいえ、こちらこそありがとうございました! 感謝してもしきれません! あ、あとお友達も此処に入るのは自由にしているので是非とも会わせてくださいね! 最後に、地中に埋まってる魔道具も取っちゃって……むしろ取って持ち帰ってください。よろしくお願いします! それではやることがありますので失礼します‼︎』


 その言葉を最後に神霊は大急ぎで大木の中に戻り、森の中は静けさを取り戻した。


「……なんと言うか、嵐のような聖……神霊だね」

「うん、なんかどっと疲れが出てきた……戻ろっか?」

「そうだね! カイト達が待ってるよ」


 この後、私達はカイト達のところに戻り、一連の流れを説明した。




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