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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第2章 学園編

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 馬車の大きさは見た目から4人しか乗れなさそうな小さなものだったが、中に入ると空間を大きくしているのか7人が乗っていても大きく感じるほどのものだった。


「ジゼル様はどんなことをお聞きしたいですか?」


「……学園のお話が聞きたいです」

「僕も……聞きたいです」


 ジゼル嬢が答えた時にダリウス君も反応をした。それからは学園の入試や入った時、授業の様子や行事の話などもした。2人は緊張が解けたのかどんどん明るく話し始め、本来の性格に戻りつつ宿に着くまで楽しく話をした。


 次の日になりまた馬車で領地に向かう。今日は冒険者になってからの話をしたりと楽しい時間を過ごしている。



 ――ガタンッ!!! 



「どうしたの⁉︎」

「少し待ってていただけますか⁉︎ 様子を見てきます‼︎」

「ッ! ーーわかったわ‼︎」


 私、レン、カイトが馬車から降り、ハルトとリックは中に残ってもらった。ジゼル嬢達の護衛を優先して欲しかったからだ。


 馬車から降りた先は開けた場所で、近くには大きな森のある場所だった。しかし、優に百を超える魔物、ゴブリンやウルフ、オークなどの上位種から下位種まで押し寄せ、広場は戦場化しており負傷している騎士が多数いた。


「お手伝いします‼︎」

 

 私はフリークさんに声をかけ魔物達を次々に倒していくが、魔物達は何処からか湧き続け次第にこちら側の戦力が追いつかなくなる。私は腹を括りレン達に話しかける。


「まずいよね‼︎」

「そうだね、ここはもう出し惜しみしてる場合じゃないよ‼︎」

「やるしかないですね‼︎」


 私とレン、カイトが3方向で背中合わせになり、言葉を交わす。


「バレたら仕方ないよね⁉︎」

「人命救助が優先でしょ‼︎」

「そうですよね、護れる者達は護るものです‼︎」


 その言葉を最後に私達は魔物達に駆け出し、数多の魔法を同時に使いはじめた。負傷している騎士達には聖魔法で回復させ、魔物には殺傷能力の高い風魔法を複数行使しながら一撃で仕留めていく。

 ある程度片付いた時にフリークさんのところに行き、後は任せて避難して欲しいことを伝える。


「……それだと、君達はどうするのですか?」

「私達は魔物を殲滅させます」

「なら、私達も戦った方がいいのでは⁉︎」

「私達と騎士達の間に戦力差がありすぎます……」



「…………それでも‼︎」


「正直に言いますと、戦いづらいです‼︎」

「っ‼︎ それは……」

「私は犠牲者を出したくありません。偽善だと言われようと助けられる者たちは助けたいのです。今は私達だけで戦う方が全員生き残れる確率が高いです‼︎ このまま貴方達が戦い続ければ命を落とすかもしれない‼︎ そんなのは私自身が許せません‼︎」


「…………わかりました。――っですが、終わったら絶対に来てくださいね‼︎」


「はい‼︎ わがままを聞いてくださりありがとうございます! あと、もう1ついいですか⁉︎」

「どうしましたか⁉︎」


「ハルトと、リックを呼んで欲しいです‼︎」

「わかりました、呼んでおきますね‼︎」


 フリークさんが撤退の準備をし、ハルトとリックは驚きながらも馬車から降り、魔物を倒しながら私達の方に向かってくる。

 10分ほどするとフリークさん達が負傷者を抱えながら戦場を後にし、私達5人だけが残った。


 フリークさん達を護るように背を向けた私達と攻撃を仕掛けようとする魔物達が睨み合う。


「とりあえず、殲滅させるよ! 防御や身体強化の補助魔法はかけるから存分に暴れてね‼︎」


「僕はとりあえず、魔物が逃げないように結界を張るから‼︎」

「じゃあ、いくよ‼︎」


「「「おう‼︎」」」



 それから湧き続ける魔物を倒し続け、知識書(ソフォスビブリオ)に何処から魔物が湧いているのか聞いてみた。


(魔物って何処から湧いているの⁉︎)

(おそらく近くの森からだと思われます、媒体とするものと本体の魔道具か何かがあるはずです)

(森、ね。わかった! 近くに行けば場所とかわかる⁉︎)

(はい、わかると思います)

(わかった! 近づいてみるね‼︎)


 湧き続ける魔物達の数を減らしながら残り数体となったところで、一気に片付けみんなに話しかける。


「みんなー、この後も魔物は湧き続けるんだけどどうも森の中に原因があるらしいの!」

「じゃあ、原因を無くさないとずっと湧き続けるってこと⁉︎」

「そういうこと‼︎ だから私とレンでサクッと解決してくるから此処を任せてもいい??」


「本当は嫌ですけど、仕方ないですね‼︎ 結界はキツイですけど補助魔法くらいなら私が引き継ぎます!」

「そうだな、早く片付けちまおうぜ‼︎ よろしくな!」

「2人ともよろしく頼むよ‼︎」


「ありがとう! じゃあレン、サクッと行ってこよう‼︎」

「おっけー! 3人とも後はよろしく‼︎」




 私とレンは森に向かい走る。近づくと知識書から最深部付近に原因があると言われたので、ちらほら湧いてくる魔物を倒しながら走ったら100mを優に超える大木があった。しかし、その根元はおどろおどろしく、暗く濁った深紅色に染まっている。


(主様達、原因はこの大木にあるようです)

(そうみたいだね)

(どうしたらいい?)

(魔道具が地中に埋まっている可能性があります)

(じゃあ、掘り起こせばいいの?)


(そうなのですが……ここは精霊の気が強いため大木を傷付けると何かあるかもしれません)

(精霊達に交渉してみてはいかがでしょうか?)

(でも私達、今は見えないよ?)

(一時的に精霊視に似たものを付与させます。長時間は使えないので注意してください)


(わかった。頑張るよ)



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