032
休みの間はギルドに行って依頼を受け、スライムやゴブリンを倒したり、薬草採集をして終わった。お金をがっぽり稼いで、ランクももう一つアップしてEランクになった。ちなみにレベルも上がっていたんだ!
「もうそろそろ休み前のテストに向けて勉強しなきゃねー」
「あぁ、するの? まだ一ヶ月前だよ? やるとしても一週間前で良くない?」
「リン様とレン様はしなくても点数取れるんじゃないですか?」
「そうだぞ! お前ら三人とも勉強すんなよ!」
「でもハルトもなかなか点数取るよね? 僕だって勉強してたのにハルトより下だよ? ハルトもしなくていいじゃん」
「いや私はするよ? だって負けたら悔しいじゃん」
「リンはえらいねー。僕は遊んでるよ」
「では私もリン様としますかね」
「じゃあ、レンは俺に教えてくれよ!」
「あぁ! じゃあ僕も教えて‼︎」
「じゃあみんなで勉強会しよ?」
「じゃあ僕は本でも読んでるよ。聞きたいことがあったら教えるよ」
「レン様は本当にしないんですね……」
「うん。無駄なことはしない主義なの、多分いけるっしょ」
「俺にもその自信を分けてくれ!」
「羨ましい‼︎」
「じゃあ学園終わりに勉強会で、休みは気晴らしに狩りにいこ!」
それからは勉強したり、教えたり、休みの日にはギルドに行ってポイントを稼いだりしてあっという間に一ヶ月が経った――
ある朝、ホームルームが始まる前、時間に余裕があるのでみんなと談笑する。
「もうテストまで一週間だよ〜不安だなぁ」
「リンは大丈夫だよ。僕を見てみなよ、何もしてないよ?」
「リン様とレン様は元々記憶力がいいではないですか。私の方が不安ですよ」
「三人ともいいじゃねぇか‼︎ 俺の方が不安だわ。今回もできますようにって毎日祈ってんだからよ」
「いや、一番不安なのは僕だから。入学試験で一番順位が低かったんですけど‼︎ 僕は煽られてるのかなぁ?」
「……そんな事ないよ‼︎ でもなるようになるよね〜」
「ここ最近、流石にみんな焦ってきたのか、勉強している人が多いね」
「まぁ上位二十名に入れなかったら危ないですからね」
「……? でも、クラス替えに関係あるの学年末だろ?」
「え? そんなわけないじゃん。一年通して二十位以内にいないと危ないよ。総合点で決まるからね」
「う、そ、だろ……。俺、学年末だけだと思ってた……。俺残れるかな……」
時間になったのか教室の扉が開きギルバート先生が入ってくる。
「みんな、おはよう」
「「「おはようございます!」」」
「今日もみんな出席してるな」
ギルバート先生が辺りを見回してから出席を確認する。
「今日から一週間は、テスト前最後の授業となるものが多いだろう。わからない問題があったら先生に聞いておけよ。今回のテスト含め、これからのテストで上位二十名に入ってなかったら次の学年からクラスが落ちると思え。今年のAクラスのやる気がすごいらしいからな。じゃあ、朝のホームルームは以上だ、次の授業の準備忘れるなよ」
ギルバート先生は言うだけ言って教室から出て行った。
「やっぱり、テストやばそうだよ? レン、大丈夫?」
「当たり前じゃん。そもそも僕らは誰に教わったと思ってんの? 伝説にもなる男、フェデリー先生だよ?」
「……私も教えてもらっていましたけど、スパルタでしたね。卒業までに必要なことは教わった気がします」
「いいな〜、俺も教わりたかったぜ‼︎」
「何バカなこと言ってんだよ! そう簡単に教えてもらえると思うなよ‼︎ 僕だって教わったことないんだからな‼︎」
「まぁ、頑張ろ? あとは実技もだよね、剣か魔法でしょ?」
「僕はどうしようかな? どっちでもいいんだよね」
「私は魔法ですかね。剣はそこそこしかできないですし……」
「俺は剣だな‼︎」
「僕は魔法かな、剣とか嗜み程度しかできないし」
「私も魔法にしようかな? 剣って得意じゃないんだよねぇ」
「「はぁ?」」
「リアン、嘘だろ? お前、剣……得意だよな?」
「そうだよ⁉︎ 何、剣が得意じゃないって言ってんの? 確かにレオンの方ができるとは聞いていたけど……」
「いや、私は得意じゃないよ。魔法の方ができるし……。剣だとレンにはいつも負けるし」
「でも魔法だとリンの方が勝つじゃん……。僕も魔法は得意じゃないよ」
「いや、二人とも魔法も、剣も得意と言った方がいいですよ。剣が得意ではないっていうのは私のことを言うんですからね」
「「確かに……」」
「カイトは昔からダメだったよね……」
「最初から僕らより弱かったよね……」
「……ちなみにさ、聞いちゃ悪いんだけど三人とも魔法と武術のレベルは? 本当は聞いちゃダメなんだけど気になるんだよね……」
「それ、俺も気になる!」
「別に内緒にしてるわけじゃないから教えてもいいけど、普通って今の段階だとどのくらいなの?」
「確かに、僕らは自分たちのとカイトのしかみたことないよね? 二人のも気になるから教えてよ」
「では、学園が終わって寮に戻ったら確認しましょうか? 授業も始まりますし……」
「そうだね、そうしようか」
◇
放課後になり、みんなで寮に集まる。カイトが防音になるように魔法をかけてそれぞれステータスを出していく。
「「はぁぁぁぁ‼︎‼︎」」
「お前らマジかよ‼︎ 普通じゃねぇよ‼︎」
「君らはさ‼︎ 今までどうやって生きてきたのさ! この常識破り‼︎ 歩く非常識すぎるでしょ‼︎」
「なんでさ、三人とも似たり寄ったりだからこれが普通だと思うじゃん」
「そうそう、僕ら三人のしか知らないし、先生たちも見せてくれなかったし?」
「私も他の人は見たことないですねぇ、あまり興味なかったので」
「なんで⁉︎ 今の年齢で武術のレベルが7と8なんだよ‼︎ てかお前ら小さいと思ってたけど八歳かよ!」
「魔力操作がレベルMAXに9だってぇぇぇ‼︎ ありえない‼︎ どうしてこんなに高いのさぁぁ‼︎」
「うーん、双生神様のおかげかな?」
「ほら、魔法成長速度と武術成長速度っていうやつがあるでしょ? それがあると上がりやすいんだよ」
「ただし、努力しないとレベルは上がらないですけどね」
「僕は頭が痛くなってきたよ……」
「俺も……」
「ねぇねぇ、二人はどんな感じなの?」
「三人よりは全然下だよ。僕は最近見てないから成長しているかもしれないけど微々たるものだと思うし……」
「俺も最近見てないからわからねぇけど、お前ら三人よりは全然普通だよ」
「「ステータス、オープン」」
エルドリック・リヴァリス (12)
種族:エルフ
LV12 HP:1200/1200 MP:6000/6000
スキル
風魔法 Lv 5 up!
精霊魔法Lv 4
魔力操作Lv6 up!
剣術Lv 3
鑑定Lv 6
魔法成長速度・上 new!
ユニークスキル
精霊視
契約精霊: 疾風の神霊 ゼピュロス new!
称号
精霊視を持つ者 双子の友達 new!
疾風の神霊の共鳴者 new!
ハルト (12)
種族:人族
LV12 HP:3000/3000 MP:1000/1000
スキル
土魔法Lv 3
光魔法Lv 1 new!
剣術Lv 6 up!
柔術Lv 6 up!
魔力操作Lv 4
契約竜:白竜 ルシフェル new!
武術成長速度・上 new!
称号
双子の友達 new! 白竜の契約者 new!
「えぇ! なんか増えてる‼︎ 称号に双子の友達ってあるんだけど何これ?」
「うわぁ! 俺のも増えてる‼︎ 使える魔法も増えてるし‼︎」
「何々? 《双子の友達》とは。この称号を持つ者は双子のお守り役と認められ、迷惑をかけることが決定しているため、双生神からの祝福として魔法か、武術どちらかの《成長速度・上》が……お、く、ら、れ、る⁉︎ 何これ‼︎ 嬉しいけど、嬉しくない‼︎」
「おいおい、マジかよ! 神様認定のお守り役かよ‼︎ ていうか友達じゃ、ねぇじゃん‼︎ 世話役じゃん‼︎」
「まぁ、人生そんなもんだよ‼︎」
「良かったじゃん、これで強くなれるじゃん‼︎」
「……私の時と一緒ですね」
「僕は普通の人生を送る予定なんだ!」
「俺もだ!」
「私もですよ?」
「「私(僕)らもだよ?」」
「「「それはない‼︎」」」
リュシアン・ベネディクト (8)
種族:人族
Lv12 HP:7000/7000 MP:13000/13000
スキル
四大魔法 Lv8
空間魔法Lv6
光魔法Lv7
闇魔法Lv7
聖魔法Lv6
武術Lv7
隠蔽Lv5
魔力操作Lv9
召喚魔法
無限倉庫
完全無詠唱
魔法成長速度・極
武術成長速度・上
ユニークスキル
知識書
契約聖獣:白虎 キース new!
称号
双生神の愛し子 聖獣の主人 双子の兄
オレリアン・ベネディクト (8)
種族:人族
Lv12 HP:7000/7000 MP:13000/13000
スキル
四大魔法 Lv7
空間魔法Lv5
光魔法Lv6
闇魔法Lv6
聖魔法Lv5
武術Lv8
隠蔽Lv5
魔力操作Lv9
召喚魔法
無限倉庫
完全無詠唱
魔法成長速度・上
武術成長速度・極
ユニークスキル
知識書
契約聖獣:白狼 ルキ new!
称号
双生神の愛し子 聖獣の主人 双子の弟
カイト・シュバルツ (11)
種族:人族
LV12 HP:4000/4000 MP:14000/14000
スキル
四大魔法 Lv8
空間魔法Lv7
光魔法Lv7
闇魔法Lv7
聖魔法Lv6
武術Lv4
魔力操作LvMAX
魔法成長速度・上
契約龍: 夜天の黒龍 ヨル new!
称号
黒い瞳を持つもの 双子の友達 魔法の申し子




