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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第2章 学園編

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更新お待たせいたしました。

これからはちょこちょこ更新できると思います。

よろしくお願いいたします。

「続きまして、エミールチームvs4年Sクラスです! 惜しくもルシアチームは敗れてしまいましたが果たして次は勝てるのか‼︎ 皆様どうぞお楽しみください!」


 実況の声が聞こえ、エミールは気合を入れる。


「私達はこの日勝つために努力をしてきた。みんな全力を出して勝つよ‼︎」


「もちろんだ」

「俺たちならできるよな!」

「……そうですわよね。私達は努力してきたもの!」

「私達の実力を示す時ね!」


上からシェイド、ガイ、レイラ、アデルが気合を入れる。


「それでは選手が登場します!」


 エミールたちは放送が聞こえ場内に歩き出した。





「今日はよろしくね、一年生の皆さん。私はリーダーのリヴィア・クロフォードと申します」


「今日はよろしくお願いします、リヴィア先輩。私はリーダーのエミール・ファーレンハイトです」


 両者の間には静かに火花が散っていた。


「それでは――試合、開始!」


 ギルバートの合図とともにリヴィアが二体の精霊を召喚し水と風の防壁を自分と二人の生徒に施す。


「そうくるわよね! レイラお願い!」


 エミールは予想していたのかレイラに指示を出し、多数の氷の矢を生成していく。


「皆さん凍りなさい!《氷矢(アイス・アロー)》」


 意思を持たない氷の矢が四年生の三人を襲いかかり、防壁が凍りついていく。その隙を見逃さずにガイとアデルがリヴィア以外の二人に走り出し防壁を壊していく。


 「リヴィア先輩、あなたの相手は私です!《光速(ルクス・ケレリタス)》」


 エミールはそう宣言すると一瞬のうちに消え、次現れた時には空に浮いているリヴィアの後ろにいた。


「な、どうやって!《風の壁(ウィンド・ヴァルム)》‼︎」


 エミールは手に光魔法を纏わせリヴィアを殴る。リヴィアの防壁の方が数秒早くでき、攻撃はできなかったが衝撃で地面に叩き落とすことには成功した。


「リヴィア‼︎」

「先輩、隙は見せちゃいけないぜ!」

 

 ガイは足を踏み込み、肩をひねりながら一気に切りこむ。風を割く音が耳を打ち相手が周りから意識を外した瞬間――


影の拘束(シャドウ・バインド)!!」

「ナイスタインミングだな、シェイド!」


 シェイドが闇魔法で拘束した後、眠らせ相手を戦闘不能にさせた。


「これで俺たちの出番はおしまいだ。あとは頼んだぞエミール、レイラ、アデル!」

「……任せたぞ」


 三人には聞こえない声で二人はつぶやいた……。


 一方、アデルと後から追いついたレイラは一人の相手に苦戦していた。相手は闇の魔法使いであり影が二人を襲う。

 影が幾重にも伸び、足元から絡みついてくる。槍を振り抜いても、次の瞬間には別の影が襲いかかる。


「くそっ!切っても切っても湧いてくる‼︎」

「氷で凍らせてもダメですわ! すぐに違う影が来ます!」


 二人の額には焦りの汗が滲み、押し返すどころかただ耐えるしかなかった……。





「よくも私を落としてくれたわね!」

「空中戦だと私が不利なので!」


 エミールは素早くリヴィアの元に行き攻撃を仕掛けた。光で剣を生成するが、リヴィアは体勢を立て直し精霊を使い同じく剣を生成していた。


 二つの剣が絡み合い、水飛沫と光が交錯する。光の熱で水飛沫が霧となり、観客の目には二人の姿が白く霞む中で重なって見えるだけだった――


 エミールは視界が霞む中、互いの剣が触れ合う瞬間でリヴィアの防御パターンを読み切っていた。


「いまだ……!」


 光の剣が斜めにひねられ、リヴィアの防御のわずかな隙間を突く。しかし、リヴィアも瞬間で体勢を立て直そうとするが、紙一重の差で膝をつく形となった。


「《光の檻(ルミナス・ケージ)》‼︎ ……これで、もう、戦えませんね、リヴィア先輩!」


「はぁ、はぁ、はぁ………私の負けね。もう精霊で剣も出せないわ。貴方、剣も使えるなんて聞いてないわ……」


「はぁ、はぁ……私も聞いてないですよ。リヴィア先輩が、剣もできるなんて……」


「……お互い様ね。久しぶりに負けたわ、強いわね貴方」


「……褒めていただき、ありがとうございます」


 エミールは瞬間的に光魔法で檻を作り出し、リヴィアを閉じ込めた。これであとは一人倒すのみ。ただエミールに戦う力はどこにも残っていなかった……。


 勝利の鍵はアデルとレイラに託された――




「もう、本当になんなの! 体力がどんどん削られていく!」

「アデル、落ち着いて! 相手のペースに乗ってはダメよ!」


「お前達、しぶといな! いつまで粘るんだよ‼︎ 四年生が二人もやられちまったじゃねぇか!」


「勝つまでよ! ……レイラ、後どのくらいでいける?!」

「もういけるわ! ただこれがラストチャンスよ!」


「何、ごちゃごちゃ言ってんだよ! おまえらに勝機はない! とっとと降参しろよ‼︎」


「それは、どうかしら! 《凍える大地(アイス・コート)》‼︎」


 レイラが魔法を発動した瞬間、影に覆われていた地面が氷に覆われ影による攻撃が止んだ。


「今よ! アデル‼︎」


 アデルは敵に向かい走り出し、手に握った槍を振りかざした。氷で固まった地面の上を踏みしめるたび、キュッという冷たい音が響く。敵は滑って体勢を崩し、攻撃のタイミングを逸していた。


「このまま……!」


 レイラは氷の層を広げ、相手の足元を完全に封じる。足が取られた敵は後退するしかなく、焦燥が表情に浮かぶ。


「くそっ……! やられた!」


 アデルの槍が振り下ろされると、氷の冷気が剣先を伝い、敵の防御を突き破った。


「これで終わりだ!」


 アデルの叫びと同時に、敵は大きく後ろに弾かれ、そのまま戦闘不能の姿勢で倒れ込む。


 レイラは深く息を吐き、伸び切っている相手を見た。


「やった……勝ったわね」


 アデルも隣で息を整えながら頷いた。二人の連携が、ついに敵のペースを崩し勝利をもぎ取ったのだった。


「試合終了! 勝者エミールチーム‼︎」


一瞬間静まり返り、次の瞬間には歓声が上がった。


「一年生すごいぞ‼︎」

「勝っちまいやがった!」

「すごいわ‼︎ 四年生に勝つなんてここ最近であったかしら!?」





「まさか、負けるなんてな……。初っ端に負けて悪かったな……」

「私たちが油断した結果ね……。一年生だからと気を抜いたつもりはなかったんだけどね」

「……くそっ! 俺がもっとできていれば……」


 敗れた四年生は全員立ち上がり悔しそうにしながらも、勝者に拍手を送る。


「やったー! 勝った! 勝ったよ! みんなのおかげで勝てたよ‼︎」


「俺はほとんど何もしてないけどな……でも勝ててよかったよ」


「そうしたら俺の方がもっと何もしてねーよ。剣で追い詰めただけだ……」


「いいじゃん。みんなでもぎ取った勝利だよ!」


「そうですね、誰か一人でもかけていたら勝てなかったですわ。でも、一番の功労者はエミールですわね。よく、勝てましたね」


「運もあったけどね! 次やったら負けるよ!」


 エミールは笑いながらそう言葉を溢した。その後は観客からの拍手に見送られ場内を後にする――




 とある控え室では――


「次はアホルトチームと五年生だね」

「五年生が終わったらいよいよ僕らの番だね」

「緊張してきますね……」

「六年生か……強いだろうな」

「頑張るしかないよね……」


 リアン達五人が呟いていた……。





 

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