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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第2章 学園編

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022


 次の日も冒険者ギルドに行き、薬草採取の依頼を受けた。

 次は解毒薬になるアスクレア草と体力回復薬になるメディサンハーブを探しに森に出かけ、昨日と同様森の中は明るく、精霊達は群生地に案内してくれるらしい。


「リック、あとどのくらいで着くかな?」

「あと、二十分ほどで着くと思うよ」

「わかった、ありがとう」


 リックは《探知(サーチ)》をして、魔物の位置を確認し、私と、レオ、カイト、ハルトは森の中を警戒しながら歩く。

 昨日のように魔物の奇襲を受けないようにするためだ。二十分ほど歩くとアスクレア草の群生地にたどり着き、みんなでリックの説明を聞いた。


「アスクレア草はこのように森の奥……湿度の高いところや川辺に生息しているよ。

 特徴は葉が鮮やかなエメラルドグリーンをしており、先端がわずかに金色に輝く。根に独特の香りがあり、軽い麻痺毒を含むため、直接触れると手がしびれることがあるから気をつけるように。

採取する時は手袋必須だからね」


「「うん!」」

「はい」

「おう」


「それで採取する時は根ごと取ること。今回は根っこを残さないからあんまり採取しすぎないように注意をしてね。小さいものはそのまま残しておいて。

 後は根元の方はなるべく傷つかないようにスコップやナイフで掘り起こし、ゆっくり引き抜いて。抜いた後は水で麻痺毒と土を洗い流して《無限倉庫(インベトリ)》に入れていくよ、わかった?」


「「わかった!」」

「大丈夫です」

「了解!」

「後は似たものとしてスレイド草と言うのもあるから気をつけて採取すること。

 スレイド草は葉の先端が銀色で、触ると解毒どころか強い麻痺を起こすから気をつけてね」


「「はーい!」」

「気をつけますね」

「俺も!」


 私達は周囲を警戒しながらそれぞれアスクレア草を採取し、水魔法で洗い流してから無限倉庫に入れていった。一時間ほどしたら私とレンの無限倉庫を確認し、数を確かめる。


「私は一〇八本あったよ」

「僕は九十二本」

「では合計二百本ですね。このぐらいで終わらせておきますか……。次はメディサンハーブを採取しに行きましょう」

「じゃあ向こうのもう少し奥に行った所だよ。十分ぐらい歩くよ」

「じゃあ、行くか!」


 私達は森の奥深くまで歩き、メディサンハーブの群生地を探す。陽の光が入って来ないのか、だんだんと暗くなっていき入り口とはまた違った雰囲気を感じる。


「なんか暗くなってきたね」

「陽の光が入って来ないからね」

「それに湿度が高いみたいで、ジメジメしますね」

「スライムとか出てきそうだよな!」

「またそうゆうこと言って、昨日もハルトが言ってからホーンラビットが出てきたんだけど」

「……気のせいだろ!」


 そんな事を話しながら歩いていると、白い小さな花をつけた草が群生している場所に辿り着いた。


「着いた、これがメディサンハーブだよ。メディサンハーブの収穫時は白い小さな花が咲く前の、つぼみがついた状態の時なんだ。それに、葉は濃い緑で葉脈がはっきりとした金色をしているのが最もいい状態の時だよ。採取する時は手で掴むと痛みやすいから、小さなナイフなどで根本から切り落とす事。保存する時は乾燥させるか、湿気を避けるために木箱などに入れるけど無限倉庫があるから、そこに入れていく。この草は毒などもないし、似たような草もないから間違いはないと思う。大丈夫そうだったら、採取して行こう!」


「「大丈夫‼︎」」

「私も大丈夫です」 

「俺も!」


「じゃあ始めよう」





 私達はメディサンハーブを一時間ほど採取していった。白い花が咲いているものもあり探すのに手間取ってしまったがそれなりに取れたと思う。


「そろそろ終わりにしよっか!」

「そうだね、じゃあ数えるよ」

「結構取れましたね」


「うん、数えてみるね」

「何本くらいだろうな!」

「僕は一三四本だったよ」

「私は百十六本」

「では、合わせて二五〇本ですね」

「じゃあ帰ろうか」





 私達は魔物に警戒しながら森を抜け、ギルドに戻った。


「すみません、マスターはいますか?」

「はい、マスターから伺っていますよ。ただいまご案内いたしますね」

「お願いします」


 私達は受付のお兄さんにマスターの部屋まで案内してもらった。


「それでは失礼します」

「ありがとうございます」


「では、今日の採取した薬草を出してもらってもいいですか?」

「はい、全て十本単位でまとめておきました!」


 私とレンは無限倉庫からアスクレア草とメディサンハーブを全て出した。マスターが引き攣った顔をしたような気がするけど気にしないようにした。


「それでは鑑定していきますね……。終わり次第戻ります」

「「お願いします!」」


 

 二十分程したら鑑定が終わったのか、マスターが疲れた顔をしながら部屋に入ってきた。


「鑑定が終わりました。今回も全てSランクで処理しますね、アスクレア草が二百本とメディサンハーブが二五〇本で間違いないですか?」


「はい、大丈夫です!」

「それにしてもよくこんなに……」

「また群生地を教えてもらいましたので」

「まぁ、そうですよね。それで報酬ですがアスクレア草が一束小銀貨二枚でメディサンハーブが小銀貨四枚です。これを計算しますと金貨一枚と銀貨四枚になります」

「では金貨を銀貨にしてもらってもいいですか?」

「はい、少々お待ちください」



「銀貨十四枚になります、お確かめください」

「はい、大丈夫です。じゃあ一人二枚ずつ配るとして、残ったのはどうする?」


「俺はリックとレオンとリアンでいいと思うぞ」

「私もそうですね、無限倉庫のおかげでたくさん運べますし」


「じゃあそうしようか、私とレオンは一枚でリックが二枚ね」

「僕もそれでいいよ」

「では、ありがたく貰っとくよ」

「そろそろ帰ろっか? 明日からまた授業があるし」


「私から一つ良いですか? 君たち、ランクアップしたから他の依頼も受けれるようになりましたよ。カードを確認してみてくださいね」


「教えてくれてありがとうございます!」

「あとで確認しますね」

「はい、それではまた来てくださいね」


「また来ます。それじゃあさようなら!」




 私達はギルドを出て寮に戻り、明日の授業の話をしていた。


「明日は召喚魔法の授業だよね?」

「そうだよ、何が召喚されるかわからないけどね」


「私達には何が召喚されるんでしょうね」

「俺は強い奴がいいな!」

「僕は精霊の方がいいな」


「でも召喚魔法って自分の人生のパートナーを決めるんだよね?」


「そうだよ。だから一生に一度だけの特別な召喚陣を使うんだ。ちなみに召喚系のスキルとは別物だよ」


「それぐらいわかってるもん!」

「なんかリンのことだから忘れていそうかなって」

「レンは酷いね!」

「ごめん、ごめん! ハハハッ」


「私達は何が出るんだろう?」

「さぁね、明日になればわかるよ」

「そうだね」


 その後はご飯を食べて、またみんなと談笑していた。いつのまにか夜遅くになり、寝る準備をしてからリックが自分の部屋に戻り就寝した。

 




 今日はいよいよ召喚魔法の日、何が出るか楽しみでしょうがない。午前中はぼんやりと座学を受け、お昼休みになりご飯を食べながらみんなと談笑する。話の内容はやっぱり午後の召喚魔法の話で持ちきりだった。


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