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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第2章 学園編

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018

オレリアン視点



 僕らはリンとリックと別れ、学園の中を探検していた。


「ねぇカイト、あとは庭だけだよね?」

「庭だけですね」

「じゃあ庭に行くか?」

「そうだね、行ってみよう」


 庭についた僕らは少し座って休憩をしていた。そうしたら声が聞こえてきたので様子を伺ってみた……。


「なんで、攻略対象がどこにも現れない訳⁉︎ この場所はさ、ハルトが貴族にいじめられている場所でしょ! しかも学年委員にもなれなかったし‼︎ ゲームではなれていたのに、全てはリアン・ウェスティスのせいだ……。 なんであいつがヒロインポジションなのよ! ハーレムルートに入らなきゃ、あの二人に会えないじゃないの!」


(主、声の主はサラ・ハーヴィングです)

(やっぱりそうなんだ)

(はい、朝のあの声もサラ・ハーヴィングです)

(じゃあ彼女は……転生者なんだよね?)

(はい、その可能性が高いです)

(でも頭が弱いようだね?)

(否定できません)

(でも、教えてくれてありがとう)

(いいえ、私達ができるのはこのくらいの事しかありません)


「今の声サラ・ハーヴィングだってさ……。ハルト、なんか言われているけど、貴族に虐められたことあるの?」

「俺はお貴族様にいじめられたことなんかねぇぞ?」

「リン様のことも言われていますね?」

「そうだね、何かしてくるようなら容赦はしないけど……」


 サラは私達の姿が見えていないのか言いたい放題言っている。クラスで見た姿はなんだったんだろうか?


「しかもカイトが学園にいないし! カイトはカイトでも名前が違うし、どうゆうこと⁉︎ アホルトもなんでリアンの方に行くのよ! 普通こんな可愛い私が指名したんだから学園の中くらい案内するでしょ⁉︎」


「なんか意味のわかんないことを言っているね」

「そうですね、近づかない方がいいですね」

「朝みたいにバレないうちに寮に戻ろうぜ?」

「そうだね、戻ろうか」



 僕達は寮に戻り、さっきのサラの言動を考えていた。僕は多分予想ができた……。この世界は多分乙女ゲームの世界だったんだろうね? それで、この学園がそれを行う場所だったのかな? ヒロインはサラで、悪役キャラは……。

(ルシア・ラルティスだと思われます)


 じゃあルシアが悪役(仮)だとして攻略対象は、オルトゥスとカイト、リック、ハルト……。うーん? 騎士役がいなくない? 王子に、裏ボスになりそうな攻略対象、エルフに、平民? てかなんで平民?


(それはですね……。言ってもよろしいのでしょうか?)

(別にいいよ)

(ハルトは将来、剣聖になる可能性を秘めております)

(へぇ、リンは直感が働くのかな?すごい奴らばかり集まるじゃん)

(そうですね)

 じゃあ平民ではなく剣聖ね……。やっぱり騎士役がいないよね?

(たった今リュシアン様の方からきた情報ですが、ダン・スカーレットがいるそうです)

(ダン? 誰だっけ?)

(主達の五歳の生誕祭で側近にしてくれと喚き、カイトをいじめていたやつです)

(あぁ、あいつか。あいつ公爵家だし攻略対象っぽいよな……)

(ダン・スカーレットも攻略対象の可能性が高いです。鑑定した結果、魔法よりも武術、特に剣に重きを置いているようです)


(じゃあダンが騎士役だね。でもハーレムルートに入ったあと、二人の攻略対象がいるって言っていたよね? 誰だろうか……)


「なぁ、レオンお前はどうしてあんなことを言っていたかわかるか?」

「あぁ、たぶんね」

「あ、まじ? なんだと思う?」

「それは、頭の中がお花畑なんじゃないの? 後天的に光魔法が出てきて、もしかしたら私はこの世界のヒロインかも! とか思っているんじゃないの?」


「いや、流石にそこまで酷くはないと思いますよ……」

「わかんないぜ、もしかしたらその通りかもな!」


「自分はヒロインだから王子様が自分にもきてくれるってきっと思っているんだよ」

「それは、すごい頭の作りをしていますね」

「俺も、流石にそこまでは考えられねぇや」


「やっぱり、今後も近づかない方がいいね」

「そうしましょう」

「近づいたら何されるか、わかんねぇしな」


「そういえば、リックについてだけど、どうする?」

「そうですね……私は一緒に冒険者になるのもありだと思います」

「俺も、いいとは思うがリアンやレオンについて話すのはもう少し後でもいいと思う」


「僕も、ハルトと同じようにそう思う」

「ではリックに言うのはもう少し後、という事で」

「決まりだな」


「じゃあキース達はただの子猫と子犬ということで」

「「わかった(わかりました)」」

 

 あとは三人で明日からの授業の話をしているとリンとリックが帰ってきた。何やらリックがリンに対して言っているがどうしたんだろうか?





リュシアン視点



「リアン、君は本当に分かってない! 本当に君たちの先生は凄いんだぞ!」


「うん、それは何回も聞いたよ?」

「でも君は本当に分かってないのだろ!」 

「いやいや、聞いたからわかるって……」

「……本当に?」

「本当だよ? 先生達はこの学園で伝説を持つ先生達なんでしょ?」

「そうだよ! でも、それを君達が知らないなんてあり得ない!」

「まぁまぁ、落ち着いて」

「落ち着いているさ!」


リックはフェデリー先生達に憧れがあったのか、あの後からずっとこの調子なのだ。


(主、サラ・ハーヴィングが近くにいます)

(えぇ、学園が終わってから結構経ってるよ?)

(何故かはわかりませんがまだこの周辺を歩いているようです)

(わかった、教えてくれてありがとう)



「リック、向こうのほうから行こう?」

私はサラのいない方を指さした。 


「……別にいいけど、遠回りだよ?」

「うん、少し歩きたい気分なんだ」

「まぁ、いいよ」


 リックは部屋に着くまで先生達について力説していた。やっと部屋につきリックも部屋に入れる。


 するとキースとルキが部屋で子猫と子犬の姿をしてくつろいでいた。

「え、せ、聖獣様……」

 リックは小さな声でつぶやいた。


「リック、どうしたの?」

「リアン! 何故君らの部屋に聖獣様がいるんだ!」

「え、聖獣様? 子猫と子犬でしょ?」


「……少し話し合いをしようか?」

 そう言うとリックの目が少し据わっていた……。


「それで、どうして君らの部屋に聖獣様がいるんだ? いや、本当は分かっているんだ……。あのフェデリー様とラフトゥ様の話を聞いた時から薄々分かってはいたんだ……」


「リ、リックはどうしてこの子達が聖獣だと思ったの?」

「僕は精霊が見えるんだよ,。固有スキルで精霊視があるんだけど、常時発動型なんだよ」


「精霊視?」

「僕達エルフは、精霊と共に生きているからかたまに見える人が生まれてくるみたいなんだ。それで僕はたまたま精霊視を持っていた側だったってわけ。精霊を見ることによって善人か、悪人か判別できるんだよ。

精霊に好かれている人は善人、嫌われている人は悪人なんだ。


君達は精霊にとても好かれているね、だから君たちの周りは必ず精霊が飛んでいるんだよ。ただこの部屋の中は異常事態だよ。部屋中精霊だらけだし……。


それで、ここまで精霊がいる理由って聖獣様か神様に近しい人が近くに居る時だけって精霊視を持っていた人が書いた本で見たんだ」


「へ、へぇ。そうなんだ」

私は顔を引き攣らせながら相槌を打った。


「そして、リアンから聞いた君達の先生についてだよ。実は僕、フェデリー様と一度だけ会ったんだよ、君たちの先生になる前にね。フェデリー様の家は僕の家と仲が良くて時々交流をしていたんだ。

その時にさ、フェデリー様から今度からある子達の先生をすることになったんだって聞いた」


「そ、そうなんだぁ……」


「それで、フェデリー様はこう言っていたんだ。『特別な子達でしばらくは王都に住む』てね」

「それで、それが僕達だとわかったっていうことだね?」


「そう、そしてここに聖獣様がいるのって原因は君たちしか考えられないんだよ」


「まさか、キースやルキを見たからバレるなんてね、想像もしなかったよ」


「やっぱり、君達は……いや貴方達は」

「もうバラしちゃおうか」

 私達三人はイヤーカフを取り正体をバラした。


「私はリュシアン・ベネディクトだよ。一応王子をしているよ」

「僕はリュシアンの弟オレリアン・ベネディクト。僕も一応王子だよ」

「私はカイト・シュバルツです。シュバルツ公爵家の三男にしてお二人のお守り役です」

「俺はハルトだぞ! 隠し事もしていない!」


「なんでこんなところに愛し子がいるんだよ……」


「あぁ、それは俺も思ったぞ! 仲間だな!」


「私達は外の世界を見てみたかったんだ」

「僕達は愛し子だから軽く外なんてみられない。どんな危険があるかわからないからね」


「だから変装を?」

「まぁ、お父様からの条件だったんだよ」

「条件は三つあって、一つ目は試験を受けるのは一度だけ。二つ目は合格したら変装をして愛し子だとバレないようにすること。三つ目はカイトを必ず連れて行くこと。これが僕達に出された条件なんだ」

「この条件が守られなかったら私達は即退学で強制送還される、だから秘密だよ?」


「はぁ、わかった。口調は今まで通りでいいかな?」

「うん、もちろん!」

「ありがとうリック!」


「よしっ! これでもう一人ゲット!」

カイトが小さな声で呟いた……。そんなに私達のお守りは大変なのかい?


「ようこそこちら側へ、俺は歓迎するぞリック!」

「私も歓迎しますよ」

「僕は知りたくなかったね‼︎」

「知ったら最後、死ぬまで一緒ですからね」

「何それ、こわ! こんなになるなら知らない方が幸せだった!」


「まぁまぁ、リック落ち着いて?」

「これから僕達と仲良くしようね?」

「原因は君達だよ! しかも君らは世間知らずの箱入り息子達だろ!!」


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