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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第1章 幼少期編

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013

少し短いです!


戦闘の描写が少し変わっています。

内容を少し変えました。


「次の者、こちらへ――」


「はい!」


「君の名前は?」

「私はリアン・ウェスティスです! よろしくお願いします!」


「では、試験について説明する。試験は俺と三分間試合をすることだ。君が降参するか、寸止めされたらその時点でお終いだ。魔法は身体強化のみ、その他の魔法を使った場合即刻失格、剣は刃を潰した模擬剣を使う。ちなみに俺は魔法を使わず純粋な剣術のみで戦う。何か質問はあるか?」


「では一ついいですか? もし三分間耐えたらどうなりますか?」


「その時は即時合格となる。優秀な人材を逃すことを王立学園はしない」


「質問は以上です! ありがとうございました!」


「それでは始める――準備が出来次第そちらから来なさい」


「はい!」


 私は深呼吸をし、剣を握りしめた。自身に身体強化をかけ、閃光さんに向かって走り出す。一瞬で間合いを詰め剣を振るった。「カンッ!」と、剣同士がぶつかり合う甲高い音が鳴り、一合、二合と切り結んでいく。隙を見て素早く閃光さんの肩口を狙った。


 「キィンッ!」


 閃光さんが刹那の動きで剣を受け止める。 

「……ほう」と一言、言葉をこぼすが、私は止まらず畳みかける。「カンッ! カカンッ!」と連続攻撃をし、模擬剣の風を裂く音が響く。

 閃光さんは寸分違わぬ正確さで捌きながら、低く笑った。


「フッ……積極的だな。次はこちらから行くぞ?」


 その瞬間、閃光さんの姿が揺らぎ、「シュンッ!」と私の視界から閃光さんが消える。

でも、私には《知識の書(ソフォス・ビブリオ)》がいるから問題ないもんね!


(閃光さんは⁉︎)

(主、背後から攻撃がきます!)


 刹那に「ダンッ‼︎」と背後から爆発するような踏み込み音が聞こえ、振り向いた。その時、閃光さんの顔は口角が上がり笑みを浮かべていた。閃光さんの剣が音を置き去りにして迫ってくるが、私は咄嗟に跳び退る(とびしざる)


 直後――「ヒュンッ!」空を裂く鋭い音が聞こえた。


 閃光さんの剣が、ついさっきまで私がいた空間を切り裂いたのだ。


(主、今の攻撃で閃光の剣筋を見切りました)

(ナイスゥゥ!)


 《知識書(ソフォスビブリオ)》が、閃光さんの動きを正確に分析していたみたいで、私の目に閃光さんの剣筋や速度、軌道が映る。

 私は反撃に転じる事にし、素早く剣を振るい低い軌道から斬り上げる。「キンッ!」と閃光さんが即座に攻撃を受け流し、再び剣を交える。


「なかなかやるな」

「お褒めいただき、ありがとうございます!」


 剣を交えるたび、空間が歪むほどの衝撃音が響く。 「カンッ! カカンッ!」刹那の攻防を目に見えない速さで、互いの剣が交錯する。


(主、あと一分です!)

(わかった!)


 閃光さんが、ラスト一分でさらに速度を上げ、「シュンッ!」と空を切る音が聞こえ、まるで消えたかのような踏み込みをし、「ダンッ‼︎」と重い一撃が私の模擬剣を叩いた。


(この剣、重いっ!)


 足元が滑るが、私は体勢を崩さないですぐに体勢を立て直す。冷静に次の攻撃を迎え撃つが「カンッ!」と音が重なり合い、閃光さんが僅かに目を細めた。


(主、あともう少しです。最後の一撃が来ます!)


 そのまま私は最後の攻撃を受け流し、閃光さんの剣が止まった。


「……時間だ」


 さっきまで周りが騒がしかったのが嘘のように静寂になる。


「3分間、よく耐え切ったな」


 閃光さんは剣を下げ、私を見つめる。


「いや、正確には"耐えた"というより……」


 微かに笑みを浮かべ――


「互角に渡り合っていた、か。……合格おめでとう。入学するのを楽しみに待っている」


 私も剣を納めながら、息を整える。


(主、やりましたね!)

(ありがとう、君のおかげで助かったよ)

(これが私のお仕事ですので!)


 試験は――終了した。


「ありがとう……、ございました」


 私は一礼をし、試験場から降りる。


「リアン、君は向こうに行くといい。試験の終わった者が集まっているはずだ」


「教えていただきありがとうございます!」


私は閃光さんに教えてもらった場所に歩き始めた――



 そういえばレンとカイトは来たのかな? 戦いに必死で周りを見てる余裕がなかったなぁ。もしかして試験終わってたりして……。まぁ、行けば会えるよね?



「試験が終わった方はこちらに集まってくださーい!」


 遠くからそんな声が聞こえた。私の周りにも試験が終わったのか、ちらほら歩いている子達がいる。ただ私とは反対の方向からきている子がいるけど、どこか違う場所でも試験をしていたのかな?



 私は目的地に着きレンとカイトを探し始めた。


「リン、どこ行ってたの⁉︎」

「私達、随分と探しましたよ!」


「え? 剣の試験を受けてたけど……」


「「はっ?」」


「僕達は魔法の試験を受けたよね?」

「そうだね、でもその後に剣の試験もあったでしょ??」

「いや、私達は魔法の試験を受けたから、剣の……というより武術の試験は受けなくていいんですよ?」


「えっ?」


「リン、まさか話を聞いてなかったの? 魔法の試験が終わったら真っ直ぐ進んで、途中二又の道があるけど右に進んでこの場所に来て下さいって言われてたじゃん!」


「えっ! 左に行っちゃった……。そうしたら武術の試験って書いてあって……、受けて来ちゃったよ!」


「はぁ……。だからいくら探しても見つからなかったんですね……」


「リンのアホ! ちゃんと人の話は聞きましょうって言われているでしょ!」


「はい、すみませんでした……」


 私は再会して早々、レンとカイトにお説教されたのだった……。


「もう、ちゃんとしてよね! それでこの後何するかわかってるよね?」

「この後は、試験の結果が出るまで待機でしょ……」

「そうだよ」

「ではそろそろここにいても、邪魔なので移動しましょうか? 学園内にいたらどこにいてもいいみたいですし……」

「そうだね、どうせ発表されるまで時間かかるでしょ」

「じゃあ人気のないところに行こう!」


 私達は人気のないところに行き、《無限倉庫(インベトリ)》に入れておいたお昼ご飯を食べた。





 三時間後――――


「ただいまより、合格発表者の掲示をいたします。受験生の方は待機場に集まって下さい。

繰り返します。

ただいまより、合格発表者の掲示をいたします。受験生の方は待機場に集まって下さい」


 魔法でアナウンスをしているのか、学園中に放送が響き渡った。


「私達もすぐに行く?」

「いいや、もう少し後の方がいいと思うよ」


「そうですね、そんなに早く掲示が終わるとは思いませんし、行っても人が多すぎてすぐには見れないでしょうしね」


「じゃあもう少し後に行こうか……」


 それから私達は、一時間ほど時間を潰してから掲示場に向かった……。




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