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祝福された双子は私達でした⁉︎ 〜冒険者になるけど許してね?〜  作者: 桜夜
第1章 幼少期編

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007

本日は2話投稿します。


「ねぇレン、カイト君のところに行こう?」

「そうだね、行こうか」

「子ども達が集まっているエリアにいると思うから行くよ!」






「おい、お前いつも下ばかり向いていて暗いんだよ!」


 私達は子供達が集まっているところに到着したが、複数子達が1人の子を囲んでいるらしい。


 誰が私たちのパーティを騒がしくしているのかな? 私とレンは冷ややかな目をしながら騒がしい方に歩く。


 歩いていると周りの子供達が道を開け、騒がしくしている子供達が見えた。どうやら私達のお目当てのカイト君が1人でいて、先ほど挨拶に来たダンとかいう少年が筆頭で数人が囲んでいる。





「お前何か言ったらどうなんだよ! そんな瞳だから誰からも相手にされないんだよ気持ち悪い! お前と同じ家格の公爵家だなんて思いたくもない! 俺のお母様も言っていたけどお前は望まれない子だったって言ってたぞ! 責任能力を果たさない能無しめ!」



 カイト君は両膝をつき下を向いていて今にも泣き出しそうな感じがした。ここはヒーローの助けが必要だよね? まぁ、可愛い女の子じゃなくて男の子だけど。私達はカイト君とダンの間に入った。



「私達のパーティーで騒がしくしているのは誰かな?」

「カイトは大丈夫?」


 レンがカイト君を立たせるために手を差し出した。


「君達はなにをしていたのかな?」

「これはリュシアン殿下にオレリアン殿下先ほどは……」

「そんなのいいから何をしていたの?」


 私はダンと数人の子供達に冷ややかな目を向けながら聞いた。


「誰も答えられないのかな? みんなお口はついているよね?」


「「「……」」」


「まぁ、いいや。黙っているなら人形にでもなっていてよ、カイトに聞くからーー」


「それで、カイトはなぜ座っていたのかな?」


 私に続きレンがカイトに質問をした。


「わ、私はーー」「そ、そいつが最初に言い掛かりをつけてきたんです!」


「ダン、君には先ほど聞いたが答えなかっただろう? 今はカイトに聞いているんだ。少し静かにしてくれ」


「申し訳……ありません」


 ダンはこれで大人しくしてくれるだろう。


「それでカイト、君はどうして座っていたんだい? ……いや、どうして暴言を吐かれていたのかな?」



「それは……。私が黒い瞳をしているから……です。他のみんなとは違うから……」

「そう、それで?」

「え?……。えっと……黒い瞳だからです。後は……私自身が、暗い性格を……しているからです」


「はぁ、馬鹿馬鹿しいね……。こんな低俗なことをする貴族がいるなんてね」


「リン、しょうがないよ。この国では黒い瞳の噂とかいう馬鹿馬鹿しい噂があるんだから。私達は双生神様に聞いて出鱈目だと知っているけどね」


「あぁそうか、そうだったね……


みんなも聞いてくれ。私達は双生神様に聞いて黒い瞳を持つものが必ず災いを起こすという噂が出鱈目だと知った! なのでみんなもこんなくだらない噂に惑わされずに自分たちの目で見極めてくれ! 自分たちのご両親にも言っておくように。これは私達が言っているんだ絶対だよ。次に見つけたらタダではおかないよ」


「「「「か、かしこまりました」」」」




 私達は5歳だということを忘れて普通に話してしまったけど大丈夫だよね? 脅しちゃったけど大丈夫だよね? ね? 


「カイト行くよ」

「は、はい」


 私達はカイト君を連れ出し控え室に入った。

 会場を離れちゃったけど私達が叱られるだけだからいいよね?


「カイト君大丈夫?」

「どこも怪我してない?」

 

 私とレンがカイト君に質問する。


「大丈夫……です。でもどうして……私を……助けてくださったんですか?」



「当たり前だよ!」

「私達は君と友達になりたいんだ!」


「わ……私なんかと、ですか?」

「そうだよ!」


「ですが……。私は黒い瞳です……」


「そんなの関係ないよ! そもそも黒い瞳っていうのはね魔力量がとてつもなくある人で、今までの人たちはその魔力量に耐えきれず暴走しちゃっていたんだ。しかも魔法は全属性つかえるんだよ!」


「この黒い瞳の正しい話が伝承されなかったのは昔の人間達が他の種族の話を聞かなかったからだ。他の種族は黒い瞳が最上級の瞳だと知っている」


「そ、そんな……。では、私は、必要とされない……人間では、ないのですか? ……生まれてきて、よかったのですか?」


 カイト君は泣きそうになりながら私たちに縋り付くように質問してきた。


「いいんだよ……。生まれてきてはいけない人間なんていないんだよ!」

「そうだよ。僕達は君を必要としているんだ」


「ありがとう、ございます。両親や兄、姉はそう言ってくださっていましたが……他の人達は、そうではなかったので……本当に、生まれてきて……よかったのですね……」


 カイト君はそう言いながらポロポロと涙を流し、次第に声を出し始めた。




 しばらくすると落ち着いたのか顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。そんな仕草をするカイト君は可愛いが私とレンは手を出しながら


「『私(僕)達と友達になって下さい!』」


 90度にお辞儀をした。


「こんな僕でよければ、是非なって下さい」 


 カイト君は手を握り返してくれた。


「こんなじゃないよ!」

「カイト君がいいんだよ」


 条反射で答えてしまったが後悔はない!

 これからどんどんカイト君を変えてやる!


「あの、よければカイト……と、呼んでください」

「では私のことはリンで――」

「僕のことはレンって呼んで」

「そ、それは恐れ多いのでリュシアン様とオレリアン様で……」



「友達はそんなふうに呼ばないと思うけど……」

「リン、無理強いはだめだよ……。僕たちは愛し子だから……」


 私達が落ち込見ながらチラリとカイトを見ると真っ赤な顔をして言い放った。


「わ、わかりました! リン様とレン様とお呼びします! これ以上は何がなんでも譲歩できません!」


「「やったー! ありがとうカイト!」」

「うぅ、なんか……騙された気分」


 私達が一瞬にして笑顔で喜んだためカイトが少し落ち込んだ。


「カイト、大丈夫?」

「やっぱりどこか痛む?」

「あ、いえ怪我とかはないので大丈夫です……」

「あっそう? じゃあカイト前髪切ろうか!」

「え、えぇ? 急に……なんですか?」

「いや急じゃない」


レンがカイトに迫りながら言い放った。


「じゃあ猶予をあげる」

「次に会う時までに切って来てね?」

「切ってこなかったら、こっちで切るからね?」


「「いいよね?」」


 私とレンの凄みに負けたのかカイトが「はぃ……」と小さく言った。


「そろそろ戻ろっか?」

「そうだね」

「結構、抜け出していますしね……」

「じゃあ戻ろう!」


 私達は控え室から出てパーティー会場に戻った。




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