表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷える君を 望む場所へと(書き直し前)  作者: 差氏 ミズキ
魅夜編
27/34

幕間 エディ=クラム・メリオス Part7



 場所はグランドライト大帝国の五大氏族、その内のオムニライト族の長が一人。ジェドミレシオ・レシャテーゼ・ラ・オムニライト侯爵が統治する領土のその山岳沿い。




 確か…その時は、梅雨上がりでシトシトとモワモワとが共存している時期だった。お陰で足場が大変悪かったよ。




 足を捻った人が何人いたと思う?




 …………僕だけだよ。…皆体幹良すぎるよ。




 えー…と、


 それで、未だ陽光が灰色に変換され…大地に落ちてきている時期に、第一番隊の皆と登山へ相成った経緯いきさつなんだけど。




 ヅェッツライト騎士団の陸軍。その第八まである部隊の第一番隊、詳しく言えば第一番隊の隊長として日々をあくせくしていた時に、ティリオニアスさん…じゃなくて、ヅェッツライト大公閣下から僕は任を受けた。




 なんでも、オムニライト侯爵が直々に頭を下げに来るほどに、山岳の戦線が激化しているとのこと。「どうか、お前の長男か次男を援軍として寄越してくれないか?」とのこと。




 ……で、僕さ。




 次男(笑)の僕が選ばれました。




 長男は空軍で忙しいらしく、消去法で僕です。




 元々…ヅェッツライト大公の子供達は、男が一名に女性が三名の家庭だったんだけど、僕が次女を嫁として迎い入れたことにより、ヅェッツライト大公閣下の視点だと僕は義理だけど次男になりました。




 結婚はしてよかったよ。でも、次男になってからは仕事の量が増えた気がするんだ。いや、結婚はしてよかったよ。嫁さん可愛いし。でも、なんだか勉学に励む期間が減った気がするんだ。




 一応、騎士団にも入ってるけど、僕は研究員でもあるからさ、やりたいコトが色々あったんだよね。




 …騎士団に入団したからにはコッチも真面目に働くけど。




 仕方がないから、オムニライト侯爵領に第一番隊の皆を引き連れて、仲良く夕日に向かって走りました。




 「あの夕日が沈み切る前に大公領を越えられなかった人はスペシャルメニューだ」って、それだけ伝えて先に領と領の境に跳んだんだよね。




 それで、しばらく待機してたら、遠くから皆が必死な顔して走って来ててさ、結果、全員間に合ったから大笑いしたよ。




 …あぁ、足捻ったのコレのバチが当たったのかな?…そうかもしれないね。




 立ち寄った街の宿を、第一部隊の全員分取ったの中々に疲れたな。懐かしい。部屋が足りません!って何度言われたことか。




 朝日が登って湯水を浴びて、軽くストレッチをした後にまた走った。




 「昨日は、第一番隊の拠点とオムニライト侯爵領が近くて助かったね。山岳までの道のりも結構短いし……」と、僕が言ったタイミングで、第一番隊の皆が食い気味にさ「やっぱりメリオスは頭がオカシイ!!」って言われたよ。………そうかな?




 でも、皆凄いからさ、その日のうちに山岳沿いには到着したんだよね。まぁ、皆は満身創痍だったから到着当日は僕だけが登山して救援しにいったんだけどね。




 日も落ちて、そろそろ基地に戻ろうかな…って周囲を見渡したら、オムニライト家のスェリオスくんが居てさ、声を掛けたんだよ。




 気軽に「久しぶりだね」って声を掛けたら「誰だお前?」って返された。




 分からなかったのは、試験の日から二年と少しくらいぶりの顔合わせだったからかな?それとも、日が落ちて暗かったからかな?…前者っぽいとは個人的に思う。だってスェリオスくんだし。




 そんな彼と会話をしつつ、ついでにブーイを撃ち落としたりしつつ基地に戻った。




 あ、基地に戻ったらスェリオスくんのお兄さんと会ったよ。僕と同じくらいの年頃で、趣味が似通ってて良い人だったよ。




 会話が盛り上がって、オムニライト家の力についても語りだしそうになった時はヒヤヒヤしたよ。簡単に公にしてはいけない情報だしね。そういうのは。




 ……でも、僕って……?今回の任務でいうと、ヅェッツライト家の次男として来たわけで…なら、聴いても良かったかもしれない。




 五大氏族内の機密事項として、各家の力は五大氏族以外に(出来るだけ)明かしてはいけない。




 メリオス家だからさ、聴かないようにしてたんだよね。………あっ、でも…ヅェッツライト家の力について知ってるなぁ…?




 まぁ、置いておこう。




 一晩明けて、珍しく明るい光が朝に見れた。梅雨も趣があっていいけど、やっぱり晴天に限るな。メリメリと活力が湧いてくる。




 …で、その日もブーイの殲滅に勤しんでた。




 けど、その日は特別な日だった。




 特異種…と呼べば良いのか、爬虫類のようなブーイを発見したんだ。ドラゴン…とでも呼べば良いだろうか?




 彼の外見は、赤い瞳に白い髪、白い肌といった良く見る普通のブーイではあるのだが、


 額から後方へと沿って伸びて生えている赤黒い二本角が特徴的だった。


 鱗状の細やかなモノがところ狭しと並んでいる太い脚が特徴的だった。




 思わず僕は攻撃の手を緩めて、彼に近づいた。攻撃の矢印も視えなかったし、害的なモノも何も無かったから、正面から普通に近づいた。




 変な話だけど、当時の僕は会話を試みた。




 ブーイは人間の言葉が解るっぽいしね。




 結論から言うと逃げられちゃった。いや、逃げられたというか、相手にされなかった感じかな。




 今思うと…「ねぇ!君名前は?僕は…」なんて声を掛けたのが良くなかったかもしれない。流石に馴れ馴れしかったかもなぁ。




 もう出会うことないかもな。なんて考えていたけど、割とすぐに次の機会は訪れた。




 日が暮れて、そろそろ基地に戻ろうかなと考えていたタイミングで、例のブーイと再会した。相変わらず真っ白な肌には血飛沫の一つもない。




 戦闘をしていないのか、血の一滴も浴びることなく瞬殺しているのか、血の出ない戦い方なのか。




 相変わらず戦意は感じられない。矢印もない。




 だから僕は声を掛けた。「ねぇ…!君は敵かい!それとも、仲間かい!」…と、敵か仲間かを確かめるようにして投げ掛けた。




 目を合わせてしばし待つ。




 いったい何処に焦点を合わせているのか分からない。だが、このブーイに視られているのは確かである。僕が矢印を視るように、このブーイもナニカを視ているらしい。




 『オマエ…』の言葉だけを発して目を見開き、硬直する眼前のブーイ。「なんだい?」…そう返したけど、次のタイミングには食い気味にブーイが言葉を重ねてきていた。





 『ミワクと会ったコトがあるのか!ならばちゃんと挨拶を………っいや、止めておく。こんな現場は見られないほうがいいだろ?変な誤解とか生まれちまうぜ?』…と、割と饒舌に滑舌よく、表情も豊かに話し始めるから、当時の僕は「お、お喋りさんだぁ…」って少し引き気味になった。




 しかもミワクって何?ってなってたからね。矢印として出てこないからねそういう情報は。あくまでも〝この先で起きる出来事〟を確かめられるのがメインだから。まぁ、細分化するとその中にも出来ないモノはあるんだけど。結構むずいよ?メリオスの扱う力って。




 おっと、えー…何だっけ?……ん?あー…そうだね。




 その後もペラペラといろんな事をそのブーイは話してくれた。場所はちゃんと移したけど、その人の前で襲いかかってきてたブーイを切り払うの気まずかったなぁ。いや…でも、その人もブーイを殺害してた。




 ブーイを殺すブーイとか初めて見たよ。




 けど、敵意のないブーイは二人目だ。




 一人目はミワクっていう名らしい天使さん。二人目が後に名を知ったこのドラゴンみたいな人、ヨル。




 ふたりとも共通して名前があるんだよね。ブーイって名前を持たないのが基本って研究が進んでいるのに。




 ドラゴンみたいな、爬虫類系のブーイのヨルとしばらくは会話をしていたよ。内容は他愛もないモノで、ブーイにも好きな食べ物があったり、好きな場所…景色があったり、性癖まであるんだって。




 やはり性の話は種族を超越するんだなぁ。しみじみするよ。




 周囲がすっかり暗闇になったのに気が付かなくて、何時間も会話してたな。当時の僕って、我ながらにだけども体力あるなぁ。




 その後は…ヨルとさよならをして、急いで基地に戻ったよ。第一番隊の皆からも、オムニライト騎士団所属の方々からも、大した心配はされてなかった。むしろ、何人のブーイを滅してきたかを訊かれる始末さ。




 いやさぁ、少しくらいは心配して欲しいよ。僕は普通の人間なのに。…なんてコトを、皆に言ったら、ほぼ全員仲良く否定してきた。「どこが普通だよ」ってね。




 あぁ、もう眠いや。




 じゃあ、また今度。




「うん。また読ませてよエディ。君の物語を」















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ