ep.7カフェにて
こんにちは!晴春述です!
更新しましたので、是非ごゆっくり〜〜!
「最近、わたし、面白い本見つけたんだ」佐野が言った。
「へええ」
「ええっ、なんでそんなに興味なさげなの―っ」
「現に俺興味ないしな」
「えええーっ、ひどいーっ」佐野がぷくーっと頬をふくらませる。
「そういえば佐野さん」俺は話題を変えようと言った「彼氏っているの?」
そういうなり、佐野さんはふいに咳き込んだ。
「い…………いないよっ……」
「ふーん」
「なんで訊いたの?」
「べつに…………」
本当は、ずっと訊きたかった。好きな人はいるの?彼氏はいるの?ずっと、訊きたかった。
「へええ」
「…………で、どんな本?」
「青春モノだよ」
「あんまり触れたことないな」
「ええっ、もったいないなー。よし、是非この機会に私が貸してしんぜよう」
「何様っ!……まァありがとう」
「へへーん♡」
「で、どうやって持ってくるの?」
「うーん…………明日カフェに集合する?明日土曜だし、あいてる?」
「あいてる」
「じゃ、そうしよ、昼前にする?」
「十時くらいだな」
「いいね」
「場所は?」
「カフェ『KATHERINE』でよくない?」
「おっけー」
佐野と、まちあわせ…………!
ここだけ話、俺はこれほど緊張したことがない。
≮≮≮≮≮≮
「おまたせー」
時間の十分前に佐野はやってきた。
「待った?」
「ぜーんぜん」
「じゃ、何かたのも!」佐野が言った。
「え……うん……じゃ本は?」
「いやいやいや、晴人クン、こういう、女の子とのデートのときは私女子に任せなさい」
「デートって…………」
佐野の顔がみるみる赤くなる。自分で言っておいてそれはなしだろう。
「んんっ………………いちごパフェ一つおねがいしますっ!」
早速佐野は注文した。
「早っ」
「折角のデートなんだから、さっさと食っていくぞっ」
デートとはなんだろう。
結局俺はカフェオレしか飲まなかった。
「なんかカフェだけじゃ面白くないなー、ねっ、映画館行こう!」
「……本は?」
「あとであとで!」
「いや……でも」
「折角のデートなんだから!」
「へいへい」
こうなったら、誰にもとめられない。
俺たちの選んだ映画は、あまり面白いとは言えるものではなかった。
なので、互いの頭を互いに預けて眠ってしまった。
「ふあーあ」俺は欠伸をして、エンドロール中に目を覚ました。佐野はねている。起こそうとは思わなかった。少し化粧のかかったほっぺが真っ白に微笑んでいる。幸せそうな寝顔が可愛い。俺はしばらく佐野のほっぺをぷにぷにして遊んでいた。
「ひゃあっ!」
佐野が不意に起きた。
「もうちょい寝させて」
なんて抜かすので、俺はもっと連打した。
佐野はしばらくして起きて、僕たちは映画館をでた。
「もう帰ろっか」
佐野が言った。
「うん、そうしよう」
両方のことではあるものの、「デート」で寝たのは、すごく気まずかった。
どうも、晴春述です!
お読みいただきありがとうございました!
それでは次回もお楽しみに!