ep.4あの坂くだれ
こんにちは!雪國広です!
更新しましたので、是非ごゆっくり〜〜!
しかし、今日は少しハプニングの多い日であった。
佐野にからかわれて、やり返してからかったら、なぜかこっちまで恥ずかしく思えてきたのだった。
しかしもう、あの佐野はいないし、ゆっくりぼっちで帰ることにした。
気分転換にいつもとは違う道を通ることにした。緩い坂道を登り公園をの土を踏みしめる。その公園は丘の上に建っているため、また、向う側の坂を下ることになる。
すると、まだ人もおらず静かな公園なのに、やけに騒がしい。
そこには二人の男女がいた。男が女に詰めより、女は逃げようと思っているのか慌て、焦り、そわそわしている。時々、「どっかいってください」みたいな声が聞こえるから、おそらく悪質なナンパだろう。
女は制服を着ているので、盗み見てみると、それは俺の中学だった。
それにおかしい。
その女の声も髪型も顔貌も、体系もどこかで見たことがある。
よく見てみるとそれは――――佐野だった。
しかし、いくら佐野だといえど、巻き込まれたら面倒なので、俺は抜き足差し足、ここからの脱出を試みた。
しかし、その甲斐なく佐野はものすごい形相でこちらを睨みつけた。ナンパ男から助けろ、と目が言う。
しかし、どうやって?何か確実な手があるの?
疑問が大量に湧き上がってきたが、気づけば俺は佐野とナンパ男の間にいた。
「てめぇ誰だよ、あ?」ナンパ男が態度を変え、喧嘩腰になった。半グレ野郎だった。それは鼻ピアスと、金髪とグラサンからわかっていた。
そこでほぼ反射のように出たのが
「彼氏ですっ!」という言葉だ。
「はあっ?」佐野はこの発言に驚きを隠しきれていない様子だ。無理もない。しかし、
「い……いっちゃっていいわけ?」と、カバーする。
「別にいいでしょ。知らねえ赤の他人だし」
「まァ、そっか」俺たちは、本物のカップルであるかのように装って話した。とても、ぎこちなく。
しかしそれに腹を立てたのか、そのナンパ男が
「ほ……ほ……ホントに付き合ってんなら、おい!キスでもしてみろや!」なんて抜かしてくる。
さすがにこれには弱った。
「でも、俺たちそんなことしたことないし……」と必死の弁明もナンパ男の「あ?」とか「あぁん?」みたいな母音の威嚇に消されてしまう。
…………もうこうなったら、意を決するのみだ。
そして、俺は佐野を真正面から壁ドンした。そして、唇を拭い、佐野が眉根を寄せて涙を浮かべていたが、顔がすごく赤い。それは俺もだろう。あらい呼吸が聞こえる。俺は目を閉じ、ゆっくりと佐野に近づけた。
折角仲良く慣れたのに、もう少しで俺の青春が花咲くと思っていたのに。
これもしょうがない。
佐野のためだ。
これで……終わりなんだ。
しょうがない。
俺はゆっくりと唇を近づけた。
しかし、もう唇はもう進まなかった。
薄目を開けると、佐野が手で押さえていた。
「もう、いないよ」サノが囁く。見ると、もうその男はいなかった。ありがと、といい、二人はそのまま座り込んでしまった。
「な、なんで……本気でやろうとすんのっ?」
佐野が俺を睨みつけ、言った。
「でもそれしなきゃ危なかっただろ!」
まあ、とうなずき、佐野は俺を睨んだまま赤い顔をもっと赤くしていった。
「あのまま私が唇をとめなかったらどうするつもりだった?」
「うーん、頬ずりでカモフラージュしてたかな」
「うわ、それもキモいっ!」佐野は小さく笑った。
俺たちは帰り道をともにした。
翌日の授業が保健で性の話で余計にまずかったのはまた別の話である。
どうも、晴春述です!
お読みいただきありがとうございました!
それでは次回もお楽しみに!