3.私がザマァした人達は、落ちぶれていって全員餓死していました。そして、少女は地獄の中で生きていたのです。
少女の名前はフール。
愚か者、という意味だ。
現在十歳。
とは言え、痩せ細っていて背が低いので、私は八歳位かと勘違いしていた。
彼女の人生は、絶望に満ちていた。
彼女が産まれた時、既に平民に堕ちていた両親(元王子と義妹)と祖父母(父と義母)は、何とか日雇いの仕事で生活していた。
しかし、既に家庭は崩壊状態。
スラム街の中でもひときわ貧しい暮らしをし、さらには喧嘩が絶えない日々だったそうだ。
そして、彼女は物心ついた頃から街に出て物乞いをやらされた。
もっとも、大して儲からなかったらしいが。
そのせいで、彼女は常日頃から家族全員に暴力を振るわれ、食事を抜かされていたそうだ。
こうして彼女はどんどん痩せて行った。
皮肉な事に、彼女が瘦せ細ると、同情からか貰えるお金が増えたらしい。
それを喜んだ両親は、彼女の食事の量を意図的に減らしたそうだ。
その頃、盗んだ酒で酔った祖父が街中で喧嘩を吹っ掛け、相手に怪我をさせた事で賠償金が発生。
これにより、さらに生活環境が悪化。
その日食べるものにも苦労するようになり……。
発見された時には、既に両親と祖父母は餓死。
彼女も餓死寸前だったと言う。
彼女は、虫や草のみでなく、捨てられた物を食べたり挙句の果てには埃や土まで食べて生き延びていたそうだ。
貴族としてのプライドが無かった事が、彼女だけが生き延びた理由だろう。
ちなみに、発見したのは市民ではなく、定期的に監視していたこの国の諜報員だそうだ。
彼女達一家は、近隣住民からも忌み嫌わていたから。
無理もない。
私の冤罪騒動は民衆にも知れ渡っていたし、彼女の父親は元王子。
民衆は絵姿で彼の顔を知っている。
罪人の元王族と同じく罪を犯した元貴族の人達なんて、誰も近寄らないだろう。
何はともあれ、彼女は生き残った。
身寄りが無くなった彼女はこの孤児院に入れられたが、そこでも彼女に平穏は訪れなかった。
彼女の事を知っていた院長とスタッフは、彼女を嫌い、最低限の世話しかしなかった。
その事を敏感に感じ取った子供達は、彼女の事を虐め始める。
そして、院長もスタッフも、誰一人として止めなかった。
こうして、虐めはどんどんエスカレートして行った。
食事抜きはしょっちゅう。
朝から晩まで働かされ。
子供達だけじゃなく、大人からも暴力を受け、あげく遊び半分で骨を折られ。
死んでも構わない、いやむしろ死んでくれと、治療もされない。
これが、リーン王国からもらった報告書に書かれていた事実だった。
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