第3話 関係の悪化
翌年4月、日本国は日本民主共和国から派遣された全ての諜報員を確保した。日本国側は神戸の在日本民主共和国大使館に抗議を行った。
日本国 神戸市 在日本民主共和国大使館
この日、日本国外務省の副外相の楢山が日本民主共和国大使の永原と会合した。
「楢山副外相。今日の御用は?」
「君も知っているだろう?我が国内に貴国の諜報員がうろうろしているのを!」
「さぁ?我が国はそんな非道なことはしませんよw」
「とぼけているのか!」
永原はしらばっくれている。これに楢山副外相は怒りに震えていた。
「我が国は日本民主共和国に抗議の姿勢を見せる。諜報員は全て我が国で処分する」
「ははは!」
「何がおかしい?」
「何ってwそんなことでキリキリしないでもらいたい」
「(こいつ・・・舐めてやがる!」
「まぁ良いでしょう。今日のところはこれでお引き取り願う」
「分かりました・・・」
と言い、楢山副外相は大使館を後にした。その後永原大使は
「くくく・・・本当は知ってるもんね〜」
「お見事です永原大使」
「そうだろう?羽場くん?」
「はい!これからもどんどん日本国に諜報員を送り挑発しましょう!奴ら弱いから!」
しかし先程楢山副外相が座っている席には録音機が仕掛けられていた。これは楢山外相が置いていったものである。
「やり方は悪いかもだがこれも国のためだ。手段は選ばない」
この録音機を吉川首相に持っていった。
「総理、これをお聞きください」
「録音機?」
「はい。では再生します」
『くくく・・本当は諜報員のこと知ってるもんね〜』
『お見事です永原大使。奴らは言いなりの国だからこんなもんですよ!』
『そうだなw』
「いかがでしょうか総理。今も私が座っていた椅子にまだ録音機あります。その先も再生できますがしますか?」
「楢山くん。福江外相に日本民主共和国の徳原委員長を呼び出してと言ってくれないか?」
「分かりました」
吉川首相は冷静に話していたが怒りに震えていた。楢山は福江外相に徳原委員長をここに連れてくるように伝えた。
1週間後、厳重警備のもと第二次世界大戦終戦後の日本分断以降はじめての首脳会談が大阪で開催された。
「本日は我が国に足をお運びいただきありがとうございます」
「いえいえこちらも我が国の大使が失礼な発言をしたと伺っております。誠に申し訳ございません」
などと話していった。吉川首相は楢山から受け取った録音機を取り出した。
「総理これは?」
「これは以前我が国の副外相が大貴国の大使館での会話を録音したものです。楢山副外相が退出後我が国を中傷する発言がありました。これは看過出来ません。正式な謝罪を求めます」
「何と!貴国の副外相を侮辱した上にこのような発言まで・・・大変不快にさせてしまい申し訳ございません!永原は大使職を辞めさせます」
「分かりました。再発防止を徹底してください」
「はい・・・それで諜報員の処遇の方は?」
「我が国にはスパイ防止法があるためこれを基に正当な罰を与えます」
「分かりました」
その後、今後の両国の関係などの話をし、首脳会談を終了した。また、諜報員はスパイ防止法第6条が適用された。第6条は諜報員等の刑罰の期間などが書かれている。その結果全120名の諜報員は無期懲役となった。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします