第2話 諜報活動
1950年8月、日本民主共和国は日本国に諜報員を120人派遣した。日本民主共和国の徳原委員長の狙いは日本国の防衛拠点・経済関連施設・原子力関連施設の調査など西の安全保障を炙り出すことが目的である。
「委員長、本日の報告書でございます」
委員長室に入ってきたのは共和国情報省偵察部の神宮寺清之助大臣兼偵察部部長が週一で報告書を持参してくる。
「どうだ?西の情報は今週も掴めたか?先週は自衛隊拠点の所在などについてだったが・・・」
「それがですが少し踏み込みすぎたようで数人の諜報員が西の保安局に捕らえられました・・・」
「そうか。それはかなりの失態だ。こちらから動けば我々がしたことで関係は更なる悪化が見込められるだろう」
「秘密にしときますか?」
「あぁこの事は私と神宮寺くんとの間の秘密だ」
「分かりました。内密にしときます。では失礼します」
神宮寺退出後、比屋根国防相が入室してきた。
「委員長、相談があります」
「何かな?」
「相談というよりは提案なのですが・・・日本国領海に軍艦を派遣して威嚇するt」
「ダメだ!そんな事しても私が考える計画とは違う展開になる!」
「すみません。では失礼します」「少し待て」
「何です?」
「領空ギリギリを飛行するなら許可する」
「(どっちも変わらないと思うけど・・・)分かりました。空軍に指示を出します」
その後、比屋根国防相は岳本空軍司令官に日本国領空上空ギリギリを飛行せよ。と通達した。日本空軍の飛行ルートは愛知県の小牧基地と石川県の小松基地からMig19と21が3機ずつ発進した。編隊長の細島は岳本司令に指示を仰いだ。
「まもなく国境上空に到達。到達地点での活動内容を教えてください」
『こちら空軍司令部。貴機らの国境上空での活動を通達する。日本国国境上空に到達次第一定時間飛行せよ』
「了解。日本国から航空機が飛来した場合は?」
「祖の場合は交戦せず、速やかに撤収せよ」
「了解!」
通信後、偵察目的で6機のmig19、20は国境上空ギリギリに到達し、日本国の出方を伺った。国境付近での日本国航空自衛隊基地は伊丹・和歌山・舞鶴が近いらしい。しかし在日米軍基地は至るところにあるため見つかるのも時間の問題である。
「司令、米空軍機を目視しました。撤退を開始します」
『了解。米空軍から通信があった場合は飛行ルートを間違えたと言えば良い』
「分かりました」
『こちら米原在日米空軍所属。貴国の日本国侵入の真意を知りたい』
「貴国に侵入する気はない。我々は飛行ルートを間違えた」
『にわかに信じられないが関係悪化は望ましくない。今回は見逃すとしよう』
「感謝する」
その後、mig部隊は各基地に帰投した。今後さらに武力による威嚇が続く可能性のある日本民主共和国に日本国は警戒を強くしていく。
次回もよろしくお願いします。