役所のお宅訪問時に赤ちゃんをゾンビと言ってはならない

　赤ちゃんを連れて病院から退院すると程なく役所の方がお見えになります。育児放棄とか虐待とか色々ありますからね。お役所さん御苦労様です。正確にはお役所からお願いされた保健師さんとかだと思いますがややこしいのでお役所さんとしておきます。

　基本は家にあがってきます。無理に踏み込んできたりとかはされませんが、あちらは基本ツーマンセル以上の女性でこちらは赤子+意識朦朧の母親なのであれよあれよという間にお宅訪問になってしまいます。

　何それ絶対いや！！　と思われるかもしれませんが、厚生労働省が『乳児家庭全戸訪問事業』ってのをやっているので諦めましょう。変に拒否ると赤子が死亡したんじゃないかと思われて役所の色んなセクションの人が数時間おきに来ちゃいます。

　お役所さんが確認したいのは病院から退院した赤子の生存と生育状況、家の中の状況です。

　ここで体調が悪くてゴミ捨てが滞って山になっていたり、母親が予後不良で死にかけなのに他の大人が誰もいなかったり、赤ちゃんの体重が基準より低かったりするとお役所さんの危険リストに入って訪問が頻繁になります。

　このお宅訪問、普通は１回、多くても２回です。

　これが月２や週１以上で訪問されていると確実に危険リストに入っています。

　あとは母体の精神状態のチェックも軽くあります。

「赤ちゃん可愛いですね」と役所の人に聞かれて、

「ゾンビみたいですよね」とか言うと一発アウトです。毎日お役所さんが来ちゃいます。御苦労様です。

　一応言い訳すると、赤子が目と口パタパタの次に動かせるようになるのが首ってか頭なんです。

　横着な赤子だと目を瞑ったまま口を大きく開けて頭をフラフラ動かして乳にガブっと来るんです。しかも乳は本来水分の通る所なんてないんですよ。滅茶苦茶メチャクチャ痛いんですよ！　凄い吸引力なんですよ！！！

　多分指先を何がで吸引されて傷もないのに血が出てくるとかそんなレベルの吸引力です。ダイソンとか全く敵いません。

　そんなこんなで初乳を吸われて「可愛いわね」って菩薩のような笑みを浮かべる母もいれば、痛いし体から何かが吸い上げられて気持ち悪いし「蜘蛛に体液吸われてる獲物ってこんな気分なのかな」と吐きながら初乳をあげる母もいるわけです。

　でもゾンビは駄目だ。めちゃくちゃゾンビの動きっぽいけど言っちゃダメだ！！

　……って、知り合いが言ってました。