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case2

その昔、王都の偉い占い師さんの予言があったらしい……。

内容は魔王を討伐する勇者の存在を示唆(しさ)し、勇者の生まれる方角、年代の予想だったらしい。

そして、僕はその予言にあった条件にピッタリ一致している人物だと言う事だ。

物心がついた頃からずっと両親には勇者になる運命だと言われて大切に育てられてきた。

万が一にでも何かがあってはいけないと、ボクは村の外に出ることすら許されていなかった。

両親が言うには村の外にはモンスターが出没するので、もう少し強くなってから大人の人と一緒に出ることになると言う事だ。

でも、僕の同い年の友達は皆、食料や薪集めなど色々な理由で村の外に出て行っている。

もちろん、遊ぶために村の外に出ることもあるとのことだ。

しかし、僕は皆と遊ぶ時ですら村の外に出ることは許してもらえない……。

どんなに近場だと訴えても、柵の外に出ていくことは許されない事だった……。

……でも、もう我慢の限界だ!

皆で楽しく遊んでいるのに、僕だけ仲間外れなんてあんまりだ!

今日は大人達には内緒で皆と村の外に遊びに行くことに決めたんだ!


「みんなー。ごめーん。お母さんに見つからないように家出るのが難しくて遅くなったー」

「あっ!やっと来た」

「遅いよ。もう行っちゃおうかって話してたところだよ」

「ごめんごめん」

何とか皆に置いて行かれないですんだ。

「じゃあ、秘密基地に行こうか」

秘密基地!なんて素晴らしい響きなんだ……。


こうして、皆に村の外にある秘密基地に案内してもらいながら、村の外の散歩を満喫した。

そして、秘密基地に到着した。

秘密基地は木の上にあり、本などで見たことのあるツリーハウスと言うやつだ。

秘密基地感満載で素晴らしい!


皆と秘密基地で遊んでいると、あっという間に時間は経ってしまった……。

「そろそろ帰らないと怒られるね」

「そうだね、そろそろ帰ろうか」

「うん」

そろそろ村に帰らないといけない時間らしい。

僕はいつも村の中での生活なので、いつまでに帰らなければいけないと言う概念があまりない。

暗くなったら家に帰るくらいは分かるのだが……。


皆が器用に気を降りている。

僕は今日が初めてなので、友達と比べると時間がかかってしまう。

「ゆっくりでいいから気を付けろよー!」

他の子は全員降り終わったようだ。

下から皆が声をかけてくれている。

「ゲッ!」

下から、何やら不穏な声が聞こえてきた。

下を見るとモンスターが現れたみたいだ。

「皆!逃げろー!」

リーダー格の子が全員に避難指示を出す。

皆が蜘蛛の子を散らすように逃げていったのだが、僕には逃げ場がない!

モンスターも逃げ出した子を追うようなことはしなかった。

……そう、完全にターゲットを僕に絞ったようだ。僕は囲まれて、逃げることは出来ない。

僕は観念して、下に降りた。

降伏の証として両手を上げて、戦闘の意思が無いことをアピールする。

……しかし、モンスターには通じなかったらしく、僕は胸を一突きされ、絶命した……。


……ゲームの世界の勇者様なら何度でも復活できるはずなのに……。

僕は勇者ではなかったのかもしれない……。


~復活出来ない勇者様(?)編 Fin~



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