case1
遂に今日、俺は15歳の誕生日を迎えた。
そう、15と言う事は俺も今日から一人前の成人として扱われるという訳だ!
そして、その15の誕生日を迎えた今日と言うこの日に、なんと王様からお呼びがかかったのだ!
まあ勇者たるもの、王との謁見は当たり前のことだ。
何も驚くことではない。
早速城へ行く準備をすることにしよう。
きっと大きな宝箱にショボい装備一式が入っていて、恩着せがましく『それをやるから魔王退治をしてくるがいい』的なことを言われるに違いない!
さて、準備も整ったことだし出発するか……。
~城門前~
「止まれ!」
門番に止められてしまった。
こっちは王から直々に呼び出されているのに失礼な奴だ。
でも、コイツも仕事だから仕方がない。
面倒だが、少し付き合ってやろうではないか。
「はい。なんでしょうか?」
「今日は何の用ですかな?」
少し攻撃的な感じで俺の事を止めた門番の後ろから、気立ての良さそうな老兵が声をかけてきた。
そこで、俺は身分と王に呼ばれてきたことを伝え、無事に通してもらうことが出来た。
待合室へ通され、しばらく待機するように指示をされた。
言われた通りに待っていると兵士がやってきて、王の元へ案内された。
「今日はわざわざご苦労。では、早速仕事の話に入ろう」
来た来た。
ついに待ちに待ったこの時が!
「かしこまりました」
「では、増築する場所の話から…………」
その後、親から引き継いだ仕事の話が数時間続いた……。
さあ明日から建築作業がんばろっと……。
~宮大工の息子編 Fin~